―撮影はどうでした?
池松:実際に撮影しているときは鉄人がないので、目の前にいない相手に感情を伝える演技をするのがとても難しかったです。完成したシーンは自分が想像してやっていた以上に迫力があって、面白かったです。最後のロボット同士の格闘シーンが一番気に入っています。
―金田正太郎役は応募者8000人の中から抜てきされた。
池松:オーディションのときは変に作りすぎず、いつもの自分を出したのが、監督がイメージする金田正太郎に合っていたんだと思います。
―劇中の金田正太郎に似ている?
池松:負けず嫌いな部分とかは似ていると思います。毎回、場面に合わせて、今まで生きてきた中で自分が経験したことに近いことを思い出して、自然体で臨むように心がけました。
―天才科学者役の蒼井優さんも福岡出身だし、ドラマ「うきは」以来、2度目の共演ですよね。
池松:オーディションの後、紹介されたとき、すぐに気付いてもらえませんでした。「見たことがあるけど、だれだっけ」みたいな顔をされて(笑)。撮影中は優しいお姉ちゃんという感じでした。
―田中麗奈さんや妻夫木聡さんといった九州出身の俳優さんがワンシーンだけ出ているけど。
池松:一緒のシーンがなかったので現場では会えませんでした。会ってみたかったですね。
―劇中で何度も勇気を振り絞って敵に立ち向かっていたけど、最近、勇気を振り絞ったのはいつ?
池松:生まれて初めて受けた「ライオンキング」のオーディションと初舞台ですね。人前に出るのはすごく緊張するので、毎回勇気がいります。映画の舞台あいさつもそうですし。実は今も結構、緊張しています(苦笑い)。
―この映画にはどんなメッセージが込められている?
池松:劇中で鉄人は敵を必要以上に破壊しないんです。今、忘れられている思いやりや優しさを思い出してもらえればと思います。最近って、相手を殺してしまう子どもの犯罪が多い。ゲームみたいに失敗してもボタン一つ押せばやり直せるという「リセット感覚」が間違いだと伝えたい。
―同級生と取っ組み合いのけんかをするシーンは迫真の演技だった。
池松:あれは本気です。最初はお互い控えめにやっていたんですけど、監督に本気でやれといわれて。最後には撮影を忘れてました。でも撮影の合間には仲良く、サッカーや野球をして遊んでいました。
―野球といえば、今年、ホークスの川崎宗則選手の自主トレに参加したとか。
池松:はい、1日だけ練習の手伝いをさせてもらいました。プロとしての心構えはジャンルは違っても共通する点が多くて、勉強になりました。
―大ファンの川崎選手に鉄人をアピールした?
池松:もう知っていたみたいで。昨年、ドームで始球式をした時にも「ラストサムライ」を見たばかりの川崎選手に「お前は本物か」と声掛けてもらって、キャッチボールをしてもらいました。野球の映画があったら、ぜひ出たいです。
―サインの脇に「侍」と書いていたけど、これからは「鉄人」?
池松:普段はサインだけですよ。「ラストサムライ」で習字の「侍」という字を自分で書いたのがきっかけで、頼まれたときだけ書いていました。でも、また頼まれたら書くかも(笑)。
(直)
▼映画「鉄人28号」
19日から、ユナイテッドシネマ福岡などで公開。最新のCG技術で「鉄人」が実写版としてよみがえる。突然、東京の街を襲う謎のロボット、ブラックオックスに、池松壮亮君演じる金田正太郎が、父がひそかに作り上げた鉄人28号とともに立ち向かう。正太郎をサポートする天才美少女科学者・立花真美に蒼井優、母親役に薬師丸ひろ子、謎の敵役・宅見零児に香川照之。川原亜矢子や中澤裕子、柄本明、中村嘉葎雄、伊武雅刀らが脇を固める。監督は、映画「非・バランス」「ごめん」などで高い評価を受けた冨樫森。