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俳優 永瀬 正敏さん(38)   

「役者の証明」って…困りましたね


 「ちょんまげ姿」のこの人なんて想像つきます? 「クール」から「破天荒」まで幅広い演技力で日本映画を代表する俳優となった永瀬正敏さん。最新作「隠し剣 鬼の爪」でも幕末という時代にほんろうされる侍役で、静かなる迫力を醸しています。撮影現場外で演じた「捕物劇」の真相も直撃!

―役者になったきっかけはなんですか?

永瀬:最初は役者なんか目指してなかったんですよ。ただ青春時代のモヤモヤみたいなのがあって、教師というか大人にできないことをやろうとずっと思っていて。あるとき新聞に「ションベン・ライダー」のオーディション募集の記事を見つけて応募したら合格。それが初めての芝居になりました。

―現代劇の印象が強く、今回侍姿が新鮮です。

永瀬:「海は見ていた」や「五条霊戦記」はあったんですが、時代劇独特の所作よりもキャラクターを買われて出演した感じでした。だから本格的な侍役は初めて。いつも撮影にはゼロから臨んでいるつもりなんですが、今回はマイナスから始めたようなもの。本当にまわりに助けられました。

―方言での演技も珍しい。

永瀬:方言の先生から「庄内弁ではなく山形弁になってます」って注意されて…違いが分からない。しばらくなまりがついて自分でおかしかった。
―殺陣の表現が重い。実戦の雰囲気ですね。

永瀬:最初に殺陣の先生にいわれたんです。「何百戦無敗なんて剣豪もいるが、それは負けそうな相手から逃げたからだ」って。立ち会ったときにヤアッと気合をかけて、相手がひるめば切り込み、受けて立たれたら逃げる。それだけ剣の戦いは怖いものだったんですね。そう考えて演じてましたが、ケガはしましたね。下手なんですよね(笑)。

―山田洋次監督とのかかわりは長いんですよね。

永瀬:13年前の「息子」からです。「たそがれ清兵衛」は見ていたんですが、次回作が僕に来るとは夢にも思わなかった。「僕で大丈夫ですか」と監督に聞き返してしまいました。

―「清兵衛」に続き田中泯さんが存在感を。「写真家永瀬」としてはいい被写体だったのでは。

永瀬:ステキすぎる。撮影終了後に写真撮らせてもらったんですが、曇り空だったのが撮り始めるとパアーッと日が差しだして。夢中でシャッター切ってフィルム交換してるとまた曇ってきて。「この人なんなんだろう」って驚きました。

―福岡でロケされ、9月の「アジアフォーカス」でも上映された「ジーナ・K」にも出演。

永瀬:藤江儀全監督には「五条霊戦記」など助監督時代からお世話になっていたので。博多に来れるといいなあって思ってたんですが、僕の出演シーンは東京でしたね。風景に味があるから、博多で写真撮れるといいなって思ってるんですよ。モデルさんとか地元の人を公募してね。


―「隠し剣」で幻の捕物劇があったとか。

永瀬:昨年末に近くの公園で、夜、役作りで木刀を振っていたら、だんだん警官が集まってくるんですよ。(アブナイ人と思われた?)そう。僕の顔を見て気付いてはくれたんですけど、「あのー。役者さんということは知っているんですが、みんな集まっちゃったんで、なにか証明するものを見せていただけませんか」って…ものすごく困りましたね。身分証明書や名刺があるわけじゃないし。まだ製作発表前だったから「映画会社とか山田監督の名前出すと迷惑がかかる」といろいろ隠してたら、ますますアヤシクなって。30も過ぎて恥ずかしかったですね。間抜けですよ。 (O)

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 ●プロフィル
 ながせ・まさとし 1966年7月15日、宮崎県都城市生まれ。83年「ションベン・ライダー」で映画デビュー。山田洋次監督との初仕事は91年「息子」で、今回の「隠し剣 鬼の爪」は8年ぶり5回目の出演。米アカデミー賞にノミネートされるなど高い評価を得た「たそがれ清兵衛」に続き、藤沢周平作品を同監督がメガホンを取った話題作。東北の小藩で、幕末という激動の時代を背景に、侍・宗蔵(永瀬)と農家の娘・きえ(松たか子)のこまやかな愛を描く。藩から謀反をたくらんだ親友を斬る密命を受け、友情としがらみの中で揺れる心を見事に表現している。趣味の写真はプロ級。永瀬公式ホームページ=http://www.rocket-punch.co.jp


04.10.27掲載
 






 
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