fokuoka livefood projectについて

アジアとの近さ生かし「食」に特化したグルメイベント開催を

 ホテル研修などで全国や海外の都市を巡る機会が多い私の目から見ても、福岡はいろいろな魅力が詰まった街。特に観光の核ともいうべきホテルが元気で、ホスピタリティー(おもてなしの心)にあふれていると思います。実際に、雑誌「BRUTUS(ブルータス)」の3月15日号でも、「魅力ある地方都市ランキング50」特集で福岡市が京都市や札幌市を抑えて1位を獲得していました。しかし地元の人たちはその魅力にいまいち気付いていない。PRしていても少しポイントがずれている気がしてもったいなく思います。
 だからこそ、今回福岡市が「食の都宣言」をしたことは大変意義深い。民間出身の福岡市長のかじ取りも楽しみですね。
 ただ、福岡がもっとPRすべきだと思うのが、姉妹都市の韓国・釜山をはじめとする「アジア」との「食」の結び付き。歴史や文化だけでなく、今まであるようでなかった「食」に特化したグルメイベントをアジア諸国と共催していくべきです。会場はぜひ、天神のど真ん中にある福岡市役所前の広場で。たくさんの人を呼び込めると思います。
 もう一つのアイデアは、韓国のレストランでずらりと並べられる「パンチャン」(おまけのおかず)のシステムを福岡に輸入すること。ホテルの朝食や夕食にパンチャンがずらりと並べば、お客さまにうれしい驚きをもたらすでしょう。東京や京都にはない、アジアに近い福岡だからこそ「福岡らしい」と感じてもらえる新たな食文化を展開していけると思います。それこそ真の意味での「アジアの食都」といえるのではないでしょうか。

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編集後記 座談会司会 中村昌子氏

「福岡ライブフード宣言」キックオフの座談会ということで、3月まだ寒さの残る頃、福岡市長はじめ、超多忙な皆さまにお集まりいただきお話を伺いました。お集まり頂いたのはいずれも食に関しては一家言お持ちお方ばかり。私自身は食べることが大好きというだけで、食に関しては、「マルシェ・ジャポン・プロジェクト ふくおかマルシェ」(昨秋から福岡市内で開催中の青空市場)の担当ということだけの超ビギナー。どのようなお話が伺えるか興味津々でこの日を迎えました。

福岡の食文化は‥といったとき、「もてなし好き」「安くて美味しい」などのキーワードが皆さんも浮かぶのではないでしょうか。私もそんなお気楽前向きモードのお話が盛りだくさんかと思っていましたが、まずご指摘頂いたのは「福岡には食『文化』があるのか」ということでした。外国での経験が豊富な新井さんの「食べるとき、そこに携わった皆の生活が含まれていることを考えて、対価を払っているか」というお話がありました。
それをきっかけに皆さんから食に携わる人たちがいかに価格競争を強いられているか、ということで話がひろがっていき‥いろいろと考えさせられる座談会となりました。文化というからには育てて守って価値を受け継いでいかなければ、ただのブームになってしまいます。
フランスやイタリアの食文化というものは、食材を提供する生産者、それを料理という新たな文化につくりあげる料理人に対して、何よりもきちんとお金という対価で評価してきたことで、一皿の向こう側にいる人たちの生活を守り、ひいては食文化を作り上げてきたのだなあと感じました。

では福岡ってどうなの?ということですが‥安くて美味しい名物料理がたくさんある福岡ですが、近年の不況の中、どんどん低価格化が進んでいるような気がします。座談会後のお話で出ていた「福岡には家族経営と一人経営のお店が多い」というのも私も感じています。高くても安くても価格には必ず理由があります。

人が一生に食べる食事は人生80年ならばなんと8万回を超えることになります。なんとなく食べるのではなく、自分の体をつくる食べもののこと、そしてそれをつくる人に感謝し、支える「食事」でありたいと思います。吉田市長が私見だけど、と前置きしてお話された「料理人のデータベースをつくったら、もっと料理する人に光が当たるんじゃないかな」というご意見、私も大変面白いと思いました。「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」旗振り役の小山薫堂さんが研修会で、「『料理の鉄人』(小山さんプロデュース!)で料理人という職業が注目されて、いろんな変化があった。今度はこのプロジェクトを通して農林水産業の皆さんに光をあててみたかった」という趣旨のことをお話しておられました。「ふくおかマルシェ」も、つくった人がお話しながら手渡しすることで食べる人たちにもっと考えてもらえたら、という目的をもって実施しています。顔が見えるって大事なことですよね。

福岡の街の料理人、農家の皆さん、漁業の皆さんの顔が見えることでもっと私たちの想像力は膨らむと思いませんか。真摯につくっているカッコいい姿を見れば、もっとその仕事、自分もやってみたい!と思う人も増えると思いませんか?そんな皆さんを私たちの食べる一皿で応援できるなら、もっと食べることが楽しい!と思えるでしょう。そんな一人一人の思いが集まって「食の都ふくおか」をつくっていければいいな、と感じました。

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ホスピタリティーの専門家。
大学卒業後、イタリアでの
ホテル勤務を経て、東洋
大学短期大学 観光産業
研究所や千代田
ビジネス専門学校で、
それぞれホテル学を
教えた。 福岡県内を
含む国内81の
ホテルで 指導に
当たる。

ホテル評論家、イタリア観光・栄養研究所主任研究員
鈴木 雅之氏 すずき・まさゆき