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■監督の声 井上文男総監督 「新戦力が加わり、各選手のレベルも確実にアップ。チームの士気は上がっている。宮崎に独占されている日間首位を早い段階で奪い、勢いに乗りたい。序盤で日間首位を取れば、累計でも優勝争いが演じられるのではと思っている」 [ 2001/10/27 運動面掲載 ]
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■ 監督イチ押し 第50回九州一周駅伝=福岡 アジス・ドリウッチ(安川電機)
▽新戦力 〜打倒宮崎の切り札的存在〜打倒宮崎に燃える福岡に、褐色の弾丸ランナーが加わった。今春、安川電機に入ったアジス・ドリウッチ(23)。「どんなに苦しくても、記録を出して勝つ瞬間は何ともいえない」。モロッコから来日して5年目。五千メートルの自己ベストが13分38秒台と国内でも上位レベルのスピードが魅力だ。 九州一周駅伝は4回目。第一工業大の学生時代に鹿児島チームで4年前から出場し、計7回出走。2回の区間賞を誇るが、昨年は故障で出場できなかった。 昨年8月、母国でのナショナルチーム合宿。練習中に左足太ももから腰にかけて激痛が走った。「痛くて足が前に出なかった」 疲労に加え、トップ選手のスピードに「無理に合わせた」のが原因だった。軽いジョギングが精いっぱいの状態が続き九州一周駅伝も「走りたいけど、無理はできない」。応援だけに終わり、本格復帰までに半年かかった。それだけに「昨年の分も頑張りたい」と今年の意気込みは違う。 高校時代、全アフリカジュニア選手権の五千メートルで2位に入るなど国内でも将来を期待された。しかし、第一工業大の誘いに応じた。反対もあったが「最先端のテクノロジーを誇り、勤勉な日本という国を見てみたかった」。 来日当初は言葉の壁にぶつかった。長距離走のレベルもモロッコに比べて格段に低い。一緒に来日した選手はあっさりと帰国した。ドリウッチも「正直、帰りたかった」という。しかし、地球を半周して来た意地もあった。「困難を前に逃げ出したくなかった」 日本に慣れるまでに約1年かかったが、後輩にモロッコ出身のランナーも加わった。その中の1人、アブドゥラ・バイ(同大2年)は昨年の同駅伝で大活躍。大きな刺激となっている。大学卒業後、「もっと日本の技術を学びたい」と安川電機入りし、福岡のゼッケンを胸にしての初大会。「全区間で区間賞と区間新を狙う」。福岡のニューパワーはどん欲に前をにらむ。(小田健太) ◇ ▽井上文男総監督 五千メートルの持ちタイムは出場選手の中でトップレベル。前半に、15キロ以下の距離が短い所で3回ほど使いたい。このところ日間首位を取ってないので、切り札になってほしい。性格も明るいし、チームのムードを盛り上げてくれる。 |
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■ 九州一周駅伝 県チームの顔触れ ※(1)出場回数(2)1万メートル自己ベスト(3)出身校(4)抱負。敬称略 【総監督】 井上 文男(50)=安川電機 (1)27回目(3)東洋大(4)日間首位を一日でも多く取り優勝につなげる 【監督】 綾部 健二(33)=九電工 (1)8回目(3)浮羽高(4)日間首位をはずみに宮崎を倒したい 桑迫 守(33)=九電工 (1)8回目(3)大矢野高(4)「勝つこと」への意識を高め、全力を尽くす 中村 文人(51)=西鉄 (1)8回目(3)西彼杵高(4)打倒宮崎。選手、スタッフ一丸で走り抜く 西野 昭博(38)=黒崎播磨 (1)8回目(3)鹿島実高(4)一日でも多く首位を取り、宮崎に勝つ 森下 広一(34)=トヨタ自動車九州 (1)12回目(3)八頭高(4)若手の成長を期待する 【主将】原口 順司(34)=安川電機 (1)14回目(2)28分23秒(3)川内実高(4)主将としてチームを引っ張る 【選手】 アジス・ドリウッチ(23)=安川電機 (1)4回目(2)28分47秒(3)第一工大(4)ラストスパートに注目してほしい 有隅 剛志(28)=西鉄 (1)4回目(2)28分56秒(3)法政大(4)今年こそ宮崎に勝つ 石島 隆(25)=九電工 (1)2回目(2)28分49秒(3)九州学院(4)宮崎に負けないよう、頑張る 石本 孝幸(31)=トヨタ自動車九州 (1)14回目(2)28分24秒(3)鶴崎工高(4)己の力を出し、チームに貢献する 大津 誠(21)=トヨタ自動車九州 (1)3回目(2)28分50秒(3)大牟田高(4)チームに貢献できるよう頑張る 小畑 昌之(21)=安川電機 (1)3回目(2)29分10秒(3)中津工業高(4)チームの雰囲気を盛り上げたい 鬼塚 智徳(21)=九電工 (1)2回目(2)28分27秒(3)浮羽高(4)思い切って積極的なレースをしたい 片渕 博文(30)=九電工 (1)5回目(2)28分51秒(3)中央大(4)すべて区間賞を狙う 角田 達彦(21)=九電工 (1)2回目(2)29分18秒(3)大牟田高(4)思いきり自分をアピールしたい 坂本 友和(25)=安川電機 (1)3回目(2)28分52秒(3)西海学園高(4)最後まであきらめず区間賞を狙う 酒見 晃(31)=九電工 (1)13回目(2)28分40秒(3)福大大濠高(4)粘りの走りで区間賞を取る 椎葉 弘幸(23)=西鉄 (1)初出場(2)29分46秒(3)山梨学院大(4)チームに貢献する走りを目指す 下森 直(23)=安川電機 (1)3回目(2)28分55秒(3)第一工大(4)まず一つ区間賞を取る 田島 英治(31)=九電工 (1)7回目(2)28分23秒(3)龍谷高(4)安定した走りをする 田尻 裕一(30)=黒崎播磨 (1)9回目(2)27分59秒(3)専大玉名高(4)ベテランらしく安定して走る 綱崎 真二(28)=九電工 (1)5回目(2)28分55秒(3)中央大(4)昨年の失敗を取り返す走りをする 浜口 勇気(20)=トヨタ自動車九州 (1)初出場(2)29分10秒(3)大牟田高(4)一つでも多くの区間賞を取りたい 福永 晃大(21)=トヨタ自動車九州 (1)2回目(2)29分24秒(3)熊本工高(4)最後まで気を抜かず頑張る 前田正二郎(31)=九電工 (1)14回目(2)28分39秒(3)西海学園高(4)ベストを尽くす 松永 伸彦(25)=安川電機 (1)4回目(2)29分7秒(3)創価大(4)チームに貢献する走りをしたい 柳橋 友治(30)=西鉄 (1)3回目(2)29分40秒(3)日章学園高(4)最後まであきらめずに走りきる 山内 康輔(25)=九電工 (1)7回目(2)28分53秒(3)熊本市立商高(4)区間賞を取る 吉橋 慧(19)=九電工 (1)初出場(2)29分30秒(3)大牟田高(4)チームに貢献したい |
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■ 九州一周駅伝 県チーム・新たな挑戦へ<下>後継者 〜さらに大きな夢〜 ◇ 競争意識高め ◇ 北九州市であった県チーム合宿・最終日の20日。すでに選手24人、補欠6人が内定していたが、14キロのタイムトライアルの結果、トップでゴールした浜口勇気(20)=トヨタ自動車九州、快走した吉橋慧(19)=九電工=ら補欠3人が新選手に選ばれた。 大会を前にした合宿は例年、調整に主眼を置いているが、監督らはタイムトライアルを「選考レース」と位置づけ。選手の競争意識を高めながら、メンバーを最終点検する狙いがあった。両足かかとを故障していた浜口らは、土壇場のレースで結果を出し、選手枠に食い込んだ。 浜口が所属するトヨタ自動車九州からは、過去最多の4人が選出された。県内の実業団では九電工、安川電機に次ぐ多さで「新たな原動力」として期待されている。 ◇ きずなを深め ◇ そのトヨタ自動車九州陸上部を率いるのは、元旭化成選手でバルセロナ五輪・マラソン銀メダリストの森下広一監督(34)。現役を引退した3年前に監督に就任。長期的な視野で後継者を育てようと、高校生を中心に選手を集め、チームづくりを始めた。 部員10人のうち、旭化成から移籍した選手を除き、9人は入部3年目までの若手。県チームに選ばれた4人も、コーチ兼務の石本孝幸(31)以外は、21歳以下。中堅、ベテランが目立つほかの実業団とは違い、フレッシュな戦力を送り込んだ。 森下監督が指導に心がけているのは「コミュニケーション」。1日1回は全選手に声を掛け、体の調子、取り組む課題、悩みなどに耳を傾け、自身の体験談を伝える。旭化成時代、森下監督もそうして、宗兄弟ら先輩から指導を受け「家族、それ以上の関係」を築きながら、記録を伸ばしていったという。◇ 10キロの実力差 ◇ 浜口らの新加入は、ほかの新人選手にも刺激を与えている。山梨学院大在学中、正月の箱根駅伝でアンカーを務めたこともある椎葉弘幸(23)=西鉄=は「結果がすべて。自分が経験したことを本番で生かすだけだ」と、ライバル心を隠さない。 しかし、「打倒宮崎」に燃える選手らへ、森下監督が注ぐ目線は厳しい。前回大会で、宮崎、福岡両県チームの累計タイム差は約40分。距離にして10キロ以上の実力差があるだけに「相手(宮崎)も日々努力しており、そこを目標にしているだけでは追いつけない」という。 森下監督は選手時代、宮崎県チームから通算9回、九州一周駅伝に出場。九州路をひた走り、試練を乗り越え、世界のひのき舞台へと躍り出た。「選手にはもっと大きな目標を持ってほしい。その努力の過程で必ず宮崎の背中が近づき、追い越していけるはずだ」 メダリストのまなざしの向こうで、県チームは新たな一歩を踏み出そうとしている。 (敬称略) |
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■ 九州一周駅伝 県チーム・新たな挑戦へ<中>外国人選手 〜意識改革へ「新風」〜 ◇ 自信のぞかせ ◇ 第50回目の記念大会となる今年、県チームには初の外国選手となるアジス・ドリウッチ(23)=安川電機=が加入。新戦力として注目を集める。 世界的な中距離選手を輩出する北アフリカ・モロッコ出身。8月に中国で開かれたユニバーシアード北京大会の陸上3000メートル障害では4位に入賞。シドニー五輪のモロッコ代表候補にも選ばれている。 九州一周駅伝には、鹿児島県の第一工大に在学中、同県チームから通算3回出場。3年生のときに2度の区間賞を獲得している。 「日本に来て初めて駅伝を経験したが、選手個人の能力とチーム全体の戦略が求められる頭脳的な競技。ラストスパートには自信がある。活躍して祖国モロッコをアピールしたい」 打倒宮崎を目標に、アジスは大会への抱負を熱く語る。 ◇ 良きライバル ◇ 大学時代の一年先輩にあたり、鹿児島県チームで2度、九州路を走った下森直(23)=安川電機=は、社会人になった今も「良き相談相手」「ライバル」として、アジスと走りを磨き合う。 アフリカ出身の選手は卓越した身体能力が注目されがちだが、出会った当時、下森が驚いたのが「アスリート(競技者)としての意識の高さ」だった。「練習の前後には、走る時間と同じくらい入念にストレッチをして体をほぐす。とにかく自己管理が徹底している」と、舌を巻く。 マラソン選手を目指す下森は、アジスの入社に刺激され、県チーム入りを決めた。「得意種目は違うけれど、常に世界を意識できる」と、考えてのことだ。 ◇ 躍進へのカギ ◇ 県チームは、旭化成を中心に組織されたライバル・宮崎と違い、複数実業団からの選手で混成されている。メンバーの結束を強めるため、毎年本番前に合宿が開かれるが、主将の原口順司(34)=安川電機=は「直接話を聞いたり、じっと練習風景を観察したり、どの選手もアジスは気になる存在のようだ」という。 井上文男総監督(50)=安川電機=も「体に対するいたわり方や練習方法など、アジスに学ぶべきところは多い」と、若手選手らへのプラス波及、カンフル効果に期待を寄せる。 ひとりの外国選手の加入が、戦力補強にとどまるか、それともチーム全体の意識改革につながっていくのか。躍進へのカギを握っている。 (敬称略) |
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■ 九州一周駅伝 県チーム・新たな挑戦へ<上>手ごたえ 〜秘めた思いを胸に〜 ◇ 悔しさバネに ◇ 大牟田市で8日開かれた陸上の県選手権。九州一周駅伝の代表選考を兼ねたこの大会で、トップから7秒遅れの2位でゴールした角田達彦(21)=九電工=は、大声で悔しさをあらわにした。 駅伝の伝統校、地元大牟田高校出身。入社1年目から駅伝メンバーに選ばれたが、自分のペースがつかめず、不本意な成績に甘んじた。 その後もアキレスけんの故障などで、2年連続して駅伝出場を断念。この日のレースでは、復調ぶりを印象づけたが、ゴール手前約700メートルで失速。本人には納得がいかなかった。 「高校時代のライバルは進学して大学駅伝で脚光を浴びている。この4年間を無駄にしないためにも、大会初日を最高の調子で迎えたい」 選考会での悔しさをバネに、九州路で3年ぶりの復活を目指す。 ◇ 自覚も芽生え ◇ 角田を抜き去りゴールテープを切った山内康輔(25)=九電工=もまた、秘めた思いを胸に今年の駅伝に臨む。 九州産交陸上部(熊本市)の休部に伴い、昨年4月に移籍。福岡県選手として初のレースとなった前回は、初日の1区に抜てきされたが、向かい風やコースの高低にも悩まされ、5位でタスキをつないだ。 井上文男総監督(50)=安川電機=は「移籍で注目され、プレッシャーになったのかもしれない」。あれから1年。もう「移籍組」ではない。山内は、選考会トップの実績に手ごたえをつかみながら「たとえどんな相手だろうと、走れといわれたら全力を出し切る」と、主軸の自覚も芽生える。 ◇ 底上げが課題 ◇ 宮崎に20連覇を許した昨年の大会を踏まえ、井上総監督は「10日間の長丁場に対応できるチーム力の底上げ」を、課題に挙げてきた。 山内の成長、角田の復調などはその成果だが、新顔では石本孝幸(31)=トヨタ自動車九州=が注目を集める。昨年まで旭化成に所属、宮崎県選手として13年連続出場した実力派で、今年から選手兼コーチとして移籍してきた。 井上総監督は「昨年までの同僚が相手なら、宮崎の選手も平常心では臨めないはずだ」と、心理面での揺さぶりを含め「切り札」として起用したい考え。石本も「宮崎との対決は楽しみ。若手には、自分の走りから強豪との戦い方を学んでほしい」という。 「昨年と比べて戦力は確実に上がった。あとは選手個々の思いがレースで実を結べば、これまでと違う結果が見えるはずだ」。井上総監督は語気を強めた。 (敬称略) ◇ ◇ 晩秋の九州路(72区間、1069・5キロ)を走り抜く西日本各県対抗九州一周駅伝競走大会が11月2日から始まる。21世紀の幕開け、50回の記念大会となる今年は、どんなドラマが展開されるのか。外国人選手らも新加入し、パワーアップした県チームを紹介する。 |
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■ 九州一周駅伝 外国人ら新戦力加入 県チーム24選手決まる 11月2日から10日間、晩秋の九州路を駆け抜ける「第50回西日本各県対抗九州一周駅伝競走大会」(九州陸上競技協会、西日本新聞社など主催)の県チーム選手24人が8日、決まった。 大牟田市で同日あった県選手権(10マイル)の上位24人が選ばれた。初出場となる1人と、他県チームでの出場経験がある3人が新たに加わり、大会20連覇中の宮崎県チームなどに挑む。 新加入選手のうち、モロッコ出身のアジス・ドリウッチ選手(安川電機)はチーム初の外国人選手で、学生時代は鹿児島県チームから参加していた。元旭化成の石本孝幸選手(トヨタ自動車九州)も宮崎県チームから出場しており、新風が吹き込まれそうだ。 井上文男総監督(安川電機)は「補欠の6人を含めて実力のある選手がそろった。毎年、宮崎県チームに苦杯を喫しているが、総合力はそう劣らない。じっくりと戦略を練り大会本番に挑みたい」と抱負を語った。 補欠を含めた選手30人は15日から6日間、北九州市若松区で最終調整の合宿を行う。 × × ●九州一周駅伝 県選手団名簿(敬称略) 【総監督】井上文男(安川電機) 【監督】綾部健二(九電工)中村文人(西鉄)森下広一(トヨタ自動車九州)西野昭博(黒崎播磨)酒井淳(三菱化学) 【選手】山内康輔、角田達彦、鬼塚智徳、石島隆、綱崎真二、田島英治、国武良真、酒見晃、片淵博文、前田正二郎(九電工)下森直、アジス・ドリウッチ、小畑昌之、原口順司、斉宮広信、坂本友和、松永伸彦(安川電機)有隅剛志、椎葉弘幸、柳橋友治(西鉄)福永晃大、石本孝幸(トヨタ自動車九州)田尻裕一、板橋雅幸(黒崎播磨) 【補欠】竹内健二、浜口勇気、原水幸一、大津誠(トヨタ自動車九州)吉冨武宏(三菱化学)吉橋慧(九電工) [ 2001/10/09 福岡版掲載 ]
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