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[ 2001/11/13朝刊紙面から]

■第50回高松宮賜杯九州一周駅伝・最終日=宮崎V21 強さ実証 福岡、「王者」に肉薄 「絶対的エース」誕生がカギ

高松宮賜杯・第50回西日本各県対抗九州一周駅伝競走大会は11日、九州路を駆け抜ける10日間、1069・5キロのタスキリレーに幕を下ろした。21連覇、5年連続となる完全優勝(10日間日間首位独占)で21世紀最初の大会を締めくくった。奮闘した福岡は累計2位。昨年の大会で、長崎との累計順位争いをした山口は、今大会も長崎と最終日まで競り合い累計3位、長崎もわずか1分10秒差で累計4位だった。さらに熊本、大分、鹿児島、佐賀。特別参加した韓国が9位に入り、沖縄と続いた。最優秀選手の納戸賞は、4つの区間賞(うち区間新1)を獲得した宮崎・瀬戸口賢一郎(旭化成)が初受賞した。
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●福岡、「王者」に肉薄 「絶対的エース」誕生がカギ
韓国チームを迎えての第50回九州一周駅伝大会は、気温が比較的低いなど気象条件に恵まれたこともあり、全県が昨年より記録を伸ばした。宮崎が5年連続完全優勝で21連覇を果たしたが、他の上位県は果敢に宮崎に挑戦、日間トップにあと一歩まで迫る近年にない競り合いも見せ、記念大会を盛り上げた。
 宮崎の強さの根拠は、やはり練習量の豊富さだろう。かつて本大会で力走した貞永信義氏(山口)は「宮崎の多くの選手は走るたびにすごみを増す」と評した。リラックスして躍動した永田宏一郎や、上り坂で強靭(きょうじん)な走力を発揮した瀬戸口賢一郎らが走り込みの成果を如実に示した。
 福岡、山口、長崎も奮闘した。とくに3日目に終盤まで山口が首位快走、日間トップ奪取寸前だったし、5日目は福岡がアンカー勝負を展開した。強者がそろった延岡入りの7日目や最終日の争いも圧巻だった。
 「九州一周駅伝は3日目までに勢いに乗せるのが常道」(宗茂宮崎総監督)という。福岡はその点、2日目の首位狙いを落とし懸念されたが、後半にかけ調子を上げた。原口順司、酒見晃、片渕博文、田尻裕一らベテランが安定した走りをしたことが、宮崎との累計差を昨年と同程度に抑えた大きな理由だろう。

福岡に望まれるのは、若手の一層の成長と、絶対的エースの誕生。それらが第29回大会以来の優勝を目指す条件といっていい。
 山口は昨年欠場した切り札高岡寿成の登場に加え、昨年鳴りを潜めたスピードランナーたちが覇気あるレースを展開して沸かせた。  初日、43年ぶりの日間2位と気を吐いた長崎は、最終日まで山口と累計3位を競い惜敗したが、昨年の3位がフロックではないことを証明した。
 熊本と大分の5位争いも目を引いた。このライバル関係は当分続くのではないか。鹿児島、佐賀、沖縄は苦戦を強いられたが、耐え忍び走り抜いた態度は立派。
 特別参加の韓国を含め全県とも途中棄権がなかった。各選手の懸命な調整のあかしだろう。
 韓国は高校生が目立ち長丁場や起伏の多い九州路走破を心配する声もあった。だがレースを重ねるごとに長い距離を走るこつをつかんで乗り越えた。監督や選手は「高水準の日本選手の走りに触れ、いい勉強ができた」と喜んだ。今大会を契機に日韓陸上交流が始まれば素晴らしい。友好促進にも役立つからだ。
 (井上明敏)
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●ヒョン区間3位の快走
〇…韓国のエースヒョン在英(全北道庁)がアンカーとして初日同様区間3位の快走を見せた。4位以下が繰り上げスタートとなった最終7区(14・7キロ)で、すぐに山口の森宗寛司(カネボウ)がすぐ後ろについた。何度かけん制するうちに「振り切れる」と自信がもてた。6区まで19秒差で日間8位だった佐賀に、逆に2分19秒差を付けた“有終ラン”に「何よりチームが全区間完走できてほっとしました」と笑みを浮かべた。
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●バイ2区で区間賞
〇…鹿児島のA・バイ(第一工大)が最終日も快走。前走で6人抜きを披露したが、この日も2区(16・7キロ)で48分22秒と連続の区間賞。宮崎の若手エース永田宏一郎(旭化成)を、2秒抑えての区間1位に、本人は「体調は万全でなかった」と潜在能力の高さをあらためてアピールした形だ。
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●総監督ひとこと
 ▽宮崎・宗茂総監督 日間首位を続け、自分たちの走る日に負けたくないという選手の強い気持ちが、10日間出ていた。完全優勝は無理だと思っていた。
 ▽福岡・井上文男総監督 2、5、7、10日目と日間首位を目指したが、勝てなかった。だが若手は確実に伸びており、手ごたえを感じることができた。
 ▽山口・伊藤国光総監督 最後はヒヤリとしたけど累計3位を取り戻しホッとした。日間で宮崎、累計で長崎の両方に勝つよう、さらなる強化を図る。
 ▽長崎・久田敏幸総監督 全員が力を出し尽くした。累計3位の山口とは日間で7勝3敗。そう差はない。来年は2位を視野に入れた3位に入りたい。
 ▽熊本・光永功総監督 チームの核になるランナーがいない中、選手一丸で健闘したといえる。各選手の意識改革をさらに図り、来年は4位を目指す。
 ▽大分・円本宗秋総監督 熊本との差を大きく縮め、善戦できたと思う。課題は自分の力を常に出せないこと。体力面とともに精神面も強化したい。
 ▽鹿児島・神之門均総監督 もう1度出直しだ。実業団チームが減って苦しいが、市民ランナーの成長を期待したい。柱になる選手が出てきてほしい。
 ▽佐賀・吉浦明総監督 中堅は頑張ったが、ベテランや若手は力を出し切れなかった。強豪実業団との合同練習など、練習方法を改善してまた挑む。
 ▽沖縄・新里定嗣総監督 30分を予定した躍進タイムが22秒では苦しい。所属の垣根を越えた合同練習を重ね、来年は躍進1位と最下位脱出を目指す。
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●納戸賞に宮崎・瀬戸口
 ◇納戸賞
 瀬戸口賢一郎(宮崎)
 ◇区間新
 【福岡】有隅剛志、田島英治【宮崎】岡本佳久、井手慶、永田宏一郎、瀬戸口賢一郎【山口】高岡寿成2【長崎】森勇気
 ◇区間賞
 【宮崎】42(瀬戸口賢一郎4、山本佑樹4、佐保希3、佐藤信之3、堀川佳成3、小島忠幸3、佐藤智之3、永田宏一郎3、元田幸祐3、川嶋伸次2、秋吉慎一2、岡本佳久2、森下由輝、真内明、小島宗幸、井手慶、唐須泰宏、渡辺共則、松田賢二)
 【福岡】18(田尻裕一2、片渕博文2、アジス・ドリウッチ2、角田達彦2、前田正二郎、酒見晃、有隅剛志、大津誠、坂本友和、下森直、小畑昌之、鬼塚智徳、福永晃大、椎葉弘幸)
 【山口】7(高岡寿成2、瀬戸智弘2、山本章、市之瀬進、中村悠希)
 【長崎】3(阿部祐樹、野口智裕、福岡耕一郎)
 【鹿児島】2(A・バイ2)
 ◇敢闘賞
 【長崎】阿部祐樹、野口智裕
 【佐賀】野田聖、大島伸
 【熊本】下川修武、東勝博
 【鹿児島】福岡祐作、川畑成人
 【宮崎】永田宏一郎、山本佑樹
 【大分】清水昭、宮崎時男
 【福岡】下森直、石島隆
 【山口】瀬戸智弘、森宗寛司
 【沖縄】谷久保達弥、天久久志
 【韓国】鄭ギ善、厳南植
 ◇連続出場者
 ▽15年連続 【長崎】定方次男監督
 ▽10年連続 【長崎】四辻浩二監督【佐賀】岸川隆監督兼選手
 ▽5年連続 【長崎】福岡耕一郎、森勇気【佐賀】小西政徳監督【熊本】山口和弘監督、村里綾【鹿児島】桑迫千尋監督、田中行夫監督、川畑裕二【宮崎】堀川佳成、唐須泰宏、榎木和貴、渡辺哲浩【大分】野田浩監督、佐藤和幸、坂元義治、木原圭介【福岡】西野昭博監督【山口】樋口俊志【沖縄】藤岡正樹

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