【熊本県】
目指せ4位! 九州一周駅伝県選手団<上>新布陣 カギにぎる新人の活躍―連載
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秋の九州路を郷土のたすきをつないで走る高松宮賜杯第四十八回九州一周駅伝競走大会(西日本新聞社など主催)が二十九日、長崎市をスタートする。昨年は、4位を目指しながらも、5位に甘んじた本県チーム。今年は、山梨学院大学時代にエースとして箱根駅伝で活躍したソロモン・ワチーラ・カリウキ選手(九州産交)が初参加、ベテラン勢も安定してきた。来年三月の九州産交陸上部の休部など、将来の不安定要因を抱えながらも、4位奪還を目指す「柿(かき)色だすき」、駅伝郷土勢を紹介する。
■爆 発
ゴムのようなバネ、二十キロを走っても、涼しい顔のままのスタミナ。十月十六日、阿蘇町内牧で行われた強化合宿の三十キロ走で、集団の先頭を走っていたワチーラ選手は、集団からひとり飛び出した。
同選手は昨年の日本学生陸上競技大会一万メートルで、2位(28分34秒61)に入った。「今年は調子がいい。一周駅伝では走る区間全部で区間賞を取りたい」と意気込む。
ワチーラ選手だけではない。阿蘇町で行われた最終選考会で2位になったのも新人の原田祐治選手(NEC九州)。原田選手は、これに先立つ一次選考会でも6位を記録した。
初参加の選手について工藤雅美監督は「経験不足で緊張することもあるが、一度波に乗り始めたら爆発するのも彼ら。大いに期待している」と目を細める。
■三 層
今年の県チームは、出場十三回の豊岡知博選手(九州柳河精機)を主将に、五回以上のベテラン九人、中堅七人、新人八人で構成。新人を多く起用した三層構造だ。所属は九州産交七人、本田技研熊本六人、九州柳河精機五人、NEC九州四人など。「チームワークは九州一。短距離では区間賞も狙える。長距離を走る選手が確実に自分の力を出し切れば、4位を狙えると思う」と兼本哲也総監督は自信をのぞかせる。
ベテラン、中堅も健在だ。三十三歳の豊岡選手は今年、県チームの中で若手をしり目に唯一、五千メートルで13分台のタイムを記録。中堅の村里綾選手(本田技研熊本)は二回の選考会とも一ケタ台の順位をキープし、勢いに乗っている。
■返 上
過去九回の九州一周駅伝大会は1位宮崎、2位福岡、3位山口の順位が固定し、4―6位をおおむね熊本、鹿児島、長崎の三県チームが競い合う構図が続いてきた。
昨年、本県チームは選手たちの調子のムラが激しく、安定した力を出し切れず5位に甘んじた。
そして今年―。チーム全体が「不調の時もあきらめない走り」をどれだけ実現できるか、そしてライバルの長崎・鹿児島県チームに比べ格段に多い新人がどれだけ、「自分の走りを出せるか」が、本県チームの4位奪還のかぎとなる。
「九州一周駅伝に出たくて練習してきた。挑戦三年目でその夢がかなった。どきどきしますが、力いっぱい走って、5位を返上したい」。二十歳の新人、北村弘樹選手(九州柳河精機)も、こう意気込んでいる。
19991026朝刊掲載
【熊本県】
目指せ4位! 九州一周駅伝県選手団<中>かく戦う 初日に攻勢 転機で決意―連載
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■重 点
本県チームの監督になって五年。工藤雅実監督には、ひとつの駅伝哲学がある。九州一周駅伝必勝のための三つの鉄則。それは(1)1、2区で流れをつくるスピードある選手が何人いるか(2)20キロなど長距離を走れる選手が何人いるか(3)期間中四回出場できる選手が何人いるか、だ。
5位に甘んじた昨年の県チームは、出だしでつまずいた。「初日6位」という意気上がらぬ成績に、若い選手たちの意欲がそがれてしまったきらいもある。
今年は、徹底的な初日重点作戦で臨む。工藤監督は「今年はまず初日にかける。初日に県チームのベストメンバーを送り込む」と戦略を語る。
十日間(72区間)の選手起用にもぎりぎりまで知恵を絞る。長距離にはマラソンやハーフマラソン経験者を起用し、極力ブレを抑える。一方、新人には一回目に短くアップダウンの少ない区間を走らせ、その走りを見て、次の区間を決める。
■確 信
今年の県チームには、例年にない、走りへの意地や危機感も醸成されている。来年三月には、長年、本県チームを引っ張ってきた九州産交陸上部の休部が控えているからだ。
その産交陸上部の“最後の監督”で、駅伝にも参加する西本一也監督は、万感の思いで今大会に臨む。八一年「県内で一番強いチームで陸上がしたい」と入部して数々の実績を上げ、「世界に羽ばたく選手を育てたい」と監督に就任したばかりの陸上部が来春、無期限の休部に入り、後輩たちも散りじりになる。
「夢半ばというより夢が始まる前に崩れてしまった。一周駅伝では去っていく選手を思いきり走らせてやりたい。九州に産交陸上部があったことを証明する意味でも、負けられない」と話す。
伝統の陸上部休部は、この駅伝を支える他の県内実業団チームの意識改革も促している。
「現在の経済環境では、どこの実業団チームにも休部は起こり得る。走り続けるためには、自分をアピールできるタイムを持っていなければならない」という意識だ。
そんな意識の反映か、NEC九州陸上部は、新たに持久力を高めるクロスカントリーを練習に取り入れ、記録向上に力を注ぐ。今大会に出場する四人は、二回の代表選考会で二度とも12位以内につけ、安定した走りを見せはじめた。
■決 意
心の底に響く決意表明だった。今月十五日から二泊三日の日程で、阿蘇町内牧で行われた強化合宿の最後の夜。兼本哲也総監督は全選手を前に正座し、こう語った。
「今年は九州産交の選手が本県のメンバーとして走る最後の年です。去っていく選手は今年が最後という自覚を持ち、送る選手は彼らへのはなむけの気持ちで走ってほしい。その気持ちが重なれば、必ずいい結果がでると確信している」
号砲は二十九日午前十時。本県チームの選手たちは、その思いを胸に、走る。
19991027朝刊掲載
【熊本県】
目指せ4位! 九州一周駅伝県選手団<下>意気込み 目標達成に 燃やす闘志―連載
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九州一周駅伝に出場する県選手団二十四人は、最終調整を終え、二十九日のスタートを待つばかりとなった。「4位奪回」を合言葉に、72区間、1069・5キロを郷土の「柿(かき)色だすき」をつないで走る県選手たちに、意気込みを語ってもらった。(選手名の下の数字は出場回数)
豊岡知博選手(13)(九州柳河精機) 昨年は区間4位が最高だったので、今年は3位を狙う。
佐藤達也選手(8) (本田技研緑陽会) 三年ぶりの試合。ブレーキにならない走りをめざす。
西守則次選手(8) (本田技研熊本) 普段はライバルの九州産交の選手と思い出を作りたい。
坂本勝選手 (8) (NEC九州) 与えられた区間を確実につなぎたい。若者の活躍に期待する。
古木秀明選手(7) (本田技研熊本) 経験を生かし、長距離で期待にこたえたい。
隅川孝洋選手(7) (九州柳河精機) 九州産交が有終の美を飾れるよう手助けしたい。
中川文雄選手(5) (同) ブレーキにならないよう、一回一回を集中して走る。
緒方寿和選手(5) (熊本教走クラブ) 若者にどんどん伸びてもらい一緒にがんばりたい。
山内康輔選手(5) (九州産交) 地元のゼッケンをつけるのは今年が最後。完全燃焼する。
宮本竜治選手(4) (本田技研熊本) 区間賞を取れるよう、体調を整え積極的に走りたい。
橋本保徳選手(4) (九州産交) 九州産交として走る最後の試合。思い出に残る走りをしたい。
高原竜太郎選手(4)(NEC九州) 区間2―3位が目標。宮崎チームの後輩に勝ちたい。
村里綾 選手(3) (本田技研熊本) 同級生が走るので、出身地の長崎チームには負けたくない。
白坂敏美選手(3) (九州産交) 力んで故障が続いているので、リラックスして走るつもり。
木原圭介選手(3) (同) 追う側でも追われる側でも、ペースを崩さず満足いく走りをしたい。
小林幸太選手(2) (NEC九州) 任された区間は、前を追い抜く積極的な走りを目指す。
丸尾純慈選手(1) (本田技研熊本) 攻めの走りでチームに貢献したい。沿道の声援が楽しみ。
松本剛選手 (1) (同) 初参加で不安も多いが、ブレーキにならないよう、区間上位をねらう。
ソロモン・ワチーラ・カリウキ選手(1)(九州産交) 調子がよく、区間全部で区間賞を狙う。
佐藤英昭選手(1) (九州柳河精機) 全力を出し切り、今後の励みになるような走りにしたい。
原田祐治選手(1) (NEC九州) 初参加として、九州一周駅伝大会の雰囲気を楽しみたい。
北村弘樹選手(1) (九州柳河精機) 3回目の挑戦でやっと出場。悔いのない走りを目指す。
帆代直史選手(1) (九州産交) ひざの故障で参加試合が少ない。大会で記録を出したい。
大原桂一選手(1) (同) 繰り上げ出場で驚いている。無心で前だけ見て走る。
(熊本総局・松前陽子が担当しました)
19991028朝刊掲載
【熊本県】
熊本市で九州一周駅伝結団式 4位奪還目指し決意 きょうから最終調整
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二十九日に長崎市の平和祈念像前をスタートする第四十八回九州一周駅伝競走大会(西日本新聞社など主催)に出場する県チームの結団式が二十一日、熊本市の水前寺競技場で行われた。選手らは二十二日から益城町で一泊二日の合宿に入り、最後の調整を行う。
結団式には、県代表選手二十三人や長谷川孝造熊本陸上競技協会会長、兼本哲也総監督らが参加。長年、同駅伝の主力メンバーを輩出してきた九州産交陸上部が来年三月で休部になることから、長谷川会長は「九州産交選手六人のほとんどが、今回が最後の熊本代表。思い出に残る走りをしてほしい」とあいさつ。
選手を代表して、豊岡知博主将が「日ごろ鍛えた肉体と精神力を発揮して、走り抜くことを誓います」と宣誓。最後に選手全員でこぶしを突き上げて、気勢を上げた。
昨年は県チームは5位だったが、兼本総監督は「今年の目標は4位奪還。ラストランとなる九州産交選手らのはなむけとなるよう、一丸となって頑張りたい」と語った。
19991013朝刊掲載
【長崎県】
| 九州一周駅伝29日にスタート 県チーム28人健闘誓う |
第四十八回九州一周駅伝競走大会(西日本新聞社など主催)は二十九日、長崎市の平和祈念像前をスタート。十日間にわたって72区間1069・5キロで健脚を競う。
県チームは監督、選手計二十八人。三菱重工長崎は、児玉泰介監督(41)が十三人を率い、コマツ電子金属からは定方次男監督兼選手(35)を含む六人でチームの大半を占める。
最年長は三十五歳の定方監督兼選手。若手とベテランの歯車はかみあっており、昨年の四位からさらに躍進を目指す。
19991023朝刊掲載
Copyright 1999 The Nishinippon Shimbun.
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