<22完>乳がん体験千差万別 関東からも情報発信

出雲大社で九州の皆さまとのご縁に感謝してきました
出雲大社で九州の皆さまとのご縁に感謝してきました
写真を見る

 人間に寿命があるように人工物には耐用年数があります。5月の手術で私の左胸に入れてもらった人工乳房も同じ。「劣化や破損のリスクがあり、耐用年数は10年程度」だそうです。私の場合、まずは56歳ごろに新しい人工乳房との入れ替え手術が必要になります。

 まあ、そのころには新しい乳房再建の方法ができているかな。今は私のように人工乳房を使う方法と患者自身のおなかや背中の組織(皮膚、脂肪など)を移植する方法が主流ですが、最近は太ももや腹部から採取した幹細胞を使って再建する研究も進んでいるようですから。年を取るのは嫌ですが、医療の進化には大いに期待しようと思います。

 さて、4月に始まったコラムも今回が最終回。この年末に私自身も関東に引っ越すことになりました。夫の転勤についてくる形で2度目の福岡暮らしが始まったのは昨春のこと。古巣である西日本新聞の契約ライターとして働き始めて4カ月後に乳がんを告知されました。まるで乳がんの治療のために、もっと言えばこのコラムを書くために福岡に来たようで、何か因縁めいたものを感じます。

 乳がんといってもごく初期だったので「私なんかの話でいいのかしら」と不安に感じることもありましたが、一方でこうも考えました。映画やドラマではとかく深刻な病として描かれがちな乳がんですが、その症状や治療は実に千差万別。私の体験をシェアすることもまた意味のあることではないかと。このコラムで乳がんや乳房再建に少しでも関心を持ってもらえたならうれしいです。

 私の出身は富山ですが、私の新しい左胸の“故郷”は福岡。活動拠点が関東に移っても、九州の皆さんのために乳がん情報を発信していきたいと思っています。

 (四十物恵妙=西日本新聞契約ライター)

 =おわり


=2017/12/25付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]