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劇団「あんみつ姫」の舞台裏 観客と一体、笑い満載ショー 福岡市・天神親不孝通り

出演者とともに山笠風のセットで記念撮影する観客の西岡秀起さん(上段左)。笑顔で手を振っていた
出演者とともに山笠風のセットで記念撮影する観客の西岡秀起さん(上段左)。笑顔で手を振っていた
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宝塚歌劇団も顔負けの派手な羽根を背負って踊る出演者たちに、観客も手拍子で盛り上がる
宝塚歌劇団も顔負けの派手な羽根を背負って踊る出演者たちに、観客も手拍子で盛り上がる
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 福岡市・天神の「親不孝通り」で根強い人気を誇るエンターテインメント劇団「あんみつ姫」が今年で33周年を迎えた。女装した男性たちが、華やかなショーと笑いを届けるパブとして開業以降、人気は衰えを知らず、今も月に3千人近くが訪れる。にもかかわらず、記者は一度も足を運んだことがなかった。何が多くの人々を魅了するのか。劇団の“舞台裏”をのぞいた。

 平日の午後5時前。劇場の扉を開けると、出演者をはじめ音響や照明担当など約20人が真剣な表情で、公演の打ち合わせに臨んでいた。舞台出演者は男性5人と女性4人の計9人。男性のうち3人は女装で盛り上げる「女役」だ。

 「お客さんは待ってくれないの! 100%のものが出せないのは困る」。女役で、座長のとまとさん(52)の檄(げき)が飛ぶ。公演は約1時間だが、派手な衣装によるダイナミックなダンスあり、「おバカなネタ」によるコントあり、際どい「下ネタ」ありと見応え十分という。それだけに事前の仕込みには余念がない。

 あんみつ姫と言えば、ゲイによるショーのイメージが強いが、21歳で座長に就いたとまとさんによると、20年近く前から「面白いことをやるのに男も女も関係ない」と思い始め、純粋にショーとしての面白さを追求する今の形に変化してきた。性的少数者(LGBT)に対する偏見が少しずつ薄らいできたことも背景にあるという。

     ▽   ▽

 午後8時の開店からほどなく次々と客が集まる。職場の同僚で申し合わせて来たのかサラリーマン風の人が目立つ。「いらっしゃーい」。出演者が笑顔でテーブルにやって来る。就職の内定祝いで友人と来店したという男性を見つけ、軽妙な毒舌で場を和ませる。

 いよいよショーが始まりミニスカート姿のとまとさんが登場。「いつもより多めに見せてま~す。ハイボールに合うわよ~」と裾をつまみ上げると会場は笑いの渦に。博多祇園山笠を題材にしたコントでは、観客を舞台に上げる演出も。白羽の矢が立ったのは、初来店という愛媛県松山市の会社員西岡秀起さん(42)。水法被を着て、山笠風のセットで記念撮影した。「出張で訪れた福岡で、良い思い出ができました」と西岡さん。

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 1時間のショーもあっという間にフィナーレ。宝塚歌劇団も顔負けの羽根を背負ってのダンスが会場を盛り上げる。ポンポンを手渡された観客も体を揺らしながら手を振った。夫と旅行で訪れたという千葉県浦安市の及川はるみさん(49)は「出演者と観客の一体感がすごい」と興奮冷めやらぬ様子。人気の秘密は、出演者との距離の近さにあるのでは…。そんなことを考えていると、劇団を運営するアンミックスエンタテインメントの石川鉄也代表(49)が「実はAKB48はあんみつ姫をモデルにしたらしいですよ」と耳打ちする。

 劇場の出口で、出演者たちとハイタッチをしてお別れ。思い切り笑って、歌って、元気をもらえる-。みんなを引きつけるのは、つまりそういうこと、なんでしょうね。

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 上演は休演日の月曜を除く金、土、日曜日と祝日が各3回、その他が2回。1ドリンク付きで料金(税込)は、平日と日曜が4500円、金曜と土曜が5千円。

この記事は2017年07月26日付で、内容は当時のものです。

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