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【コーヒー日和 福岡の街角で】(13)カフェ応援し地域貢献

店を直接訪れ、「カフェトライブ」に載せる情報を取材する久原茂保さん
店を直接訪れ、「カフェトライブ」に載せる情報を取材する久原茂保さん
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 外光をふんだんに取り入れた明るい店内は、女性客ばかりだった。待ち合わせ場所に指定された「カフェ・ド・アッシュ」(福岡市中央区今泉)。入るのに少しだけ勇気がいった。

 「そういう声が多いから男の僕が紹介することで、男性が入店するハードルを下げたかった」。福岡市内を中心にカフェの情報をまとめたインターネットサイト「カフェトライブ」を運営する久原茂保さん(40)は、笑みを浮かべた。

 サイトを開設したのは、若者が集う同区大名、今泉両地区に店が増え出した2001年。「まだカフェが珍しく、関心は高まっていたけど、情報をまとめたメディアがなかったから」と会社勤めの傍ら、趣味で始めた。

 昼休みや休日に気になる店を訪れた。取材した店は約300軒。オーナーの多くが同世代だった。「お互い家庭があったり、子どもが小さかったり、共通点も多くて、応援したい気持ちが強くなっていきました」

 サイトでは大名、春吉など、地域に分け、メニューなどの基本情報や、各店のこだわりを紹介している。

 「カフェ未経験の方にも伝わるように、専門用語は使わないようにしています」

 閲覧者数が延べ500万人を超える中、昨年5月、勤めていた会社を退職。無料だった情報掲載を有料にして、サイト運営を本業にした。

 苦悩もあった。「カフェの情報サイトで、妻と子ども4人を食わしていけるのか」。脳裏に浮かんだのは、カフェの利用層が若者だけでなく、子育て世代や高齢者まで拡大している現状だった。

 「いま幅広い世代が、自然に集まれる場が少なくて、カフェが受け皿になりつつあるなら、存在を知らせる意義とニーズはあると思った」

 昨秋、ある団地近くにオープンした店を取材した。乳児を連れたママ友グループに、隣席の老夫婦が「かわいいね。どこの棟に住んどるとね?」と話し掛け、打ち解け合っていく場面に出くわした。「人と人のつながりが生まれやすい場なのかもしれない」と、地域のカフェの存在意義を高めたいという思いを一層強くしている。

 「みんなで協力して、カフェやコーヒーの楽しさを福岡から発信していきましょう」。九州一円から集まったカフェオーナーや店員など約80人を前にして、あいさつをすると拍手が起こった。

 1月に福岡市内の飲食店を借り切って開いた同業種交流会「カフェ業界人の集い」。参加者は経営のノウハウやコーヒーの味に関する情報を交換し合った。主催して今年で8回目。会場の端から年々増える参加者の様子を見つめ、満足そうにうなずいた。

 「福岡の特徴は、横のつながりの強さなんです。みんなで勉強して、みんなで伸びていこうという考え方が強い。そんな場にしてもらえてうれしいです」

 福岡を盛り上げるためのさまざまな種をまく。4月中旬から1カ月限定で早朝、複数のカフェに「モーニング」メニューをつくってもらう企画を提案。カフェ好きの一般人が一堂に会するイベントも検討中だ。

 「もっと街に点在している店や人をつなげていきたい。福岡独自のコーヒーやカフェの文化が芽を出し、花を咲かせるまで」。夢を現実に-。カフェ巡りの旅は、きょうも続く。

=2013/03/20付 西日本新聞朝刊=

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