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きゃりーも来る みんな「福岡」なワケ

音楽やファッションで原宿「カワイイ」文化を世界に発信するきゃりーぱみゅぱみゅさん
音楽やファッションで原宿「カワイイ」文化を世界に発信するきゃりーぱみゅぱみゅさん
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 「福岡に九州初進出」だけならニュースにならない。ここ数年、ファッションやグルメのショップが、東京の次に福岡へ進出してくる動きが目立つ。「きゃりー」までも、だ。

 28日に歌手きゃりーぱみゅぱみゅさんの所属事務所「アソビシステム」(東京、中川悠介社長)が本社を置く東京以外に初めて、福岡市に拠点を構える。中川社長は福岡を選んだ理由を「アジアのハブで(中国や韓国に近い)地の利がある。クリエーティブで魅力的だ」と説明。「福岡は音楽とファッション、商業施設が近くにあり、いろんなカルチャーが生まれてきやすい」とした。そんな福岡の魅力、福岡シフトの動きをちょっとだけ振り返る。※「きゃりー」福岡進出

■ファッション

 若者が集まる福岡市・天神の「天神西通り」。約450メートルの通りには新しいビルが建ち並ぶ。米高級カジュアルブランド「アバクロンビー&フィッチ」(開店:2010年)は東京に次ぐ国内2店舗目、米低価格カジュアルブランド「フォーエバー21」(同12年)は首都圏以外では初出店だった。無印良品(同14年)も東京・有楽町店に次ぐ規模としてオープンしている。
 米国のファッションブランド「マイケル・コース」は11月14日にオープン。国内では、東京以外で初めて路面店とした。

■グルメも

 世界に2店舗(イタリア本店と東京)しかなかったイアリア・ナポリの名店「アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ」(1870年創業)は10月に福岡・天神の大名にオープン。「世界一の朝食」と称されるレストラン「bills(ビルズ)」も16年7月に開業することを発表したばかり。

 福岡の百貨店や商業施設内にある店舗も、福岡シフトの傾向が強く「東京にある店は、大阪や名古屋になくても、福岡にはある」(ファンションビル関係者)とされる。

■「ゲームのFUKUOKA」は世界の常識

 2000年ごろには、福岡のゲーム産業を、世界が注目していた。100万本以上の売り上げを誇る人気ソフトを開発するゲーム会社がいくつも本社を置く。その中の一つ、「サイバーコネクトツー」(福岡市博多区)の松山洋社長は「通勤に長い時間を費やす東京や大阪といった大都会より、福岡の方が休憩時間も多くとれます。在京の会社と打ち合わせで上京するときも、福岡は空港まで近いという地理的な利点もある。店も多く、必要な機材は大都会並みにすぐ手に入る」とし、福岡の拠点を動かさない。

■芸能人も「福岡ローカル」殺到

 東日本大震災後には、福岡への移住者も増えたとされ、テレビ番組の中で「福岡移住希望」を公言する芸能人も多い。芸人、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは4月から福岡ローカルの冠番組を持った。同じく芸人で「福岡大好き」を公言していた松本人志さんのローカル特番も14日に放送されている。おすぎさんやピーコさんも福岡ローカルのレギュラーを多数抱える。

■そんなに福岡に集まって大丈夫?

 中国人旅行者らの「爆買い」ツアーなど世界から、人が集まる福岡。福岡県内はホテル稼働率が九州で唯一、全国平均を上回って予約が取りにくい状態が続いている。安心してください。今、博多駅周辺はホテル開発ラッシュだ。17年にかけて100〜200室規模のホテルオープンが相次ぐ。

 「天神にくつろげる場所が少ない」なんて声もあるようだが、こちらも安心。書店とカフェが一体化した「ブック&カフェ」の出店も増えている。

 人、モノ、金が集まれば必要になる事務所も集まってきている。13年以降、多くの弁護士を擁し、M&Aや事業再生、海外進出、危機管理など企業の課題解決をサポートする東京の大規模法律事務所「ローファーム」も福岡に相次いで進出している。

 最近では、天神ど真ん中のバス通り、福岡三越の国体通り側、渡辺通4丁目交差点−警固交差点の約900メートルほどの両サイドに、ウエディング場や美容室、アクセサリー店が次々にオープンし、東京(表参道)、京都と並ぶウエディング激戦区。さながら「天神バージンロード」になっている。

■なぜ福岡、専門家が分析

 経営コンサルタントのハリーアンドカンパニー(東京)の伊奈真弓副社長は、東京出身ながら福岡にひかれて移り住んで5年。最大の魅力を「伸びしろの大きさ」と言う。「都市としてまだまだ発展できる潜在力の大きさに、『ビジネスチャンスがある』とみられているのではないか」と読む。

 だが一方で、地縁・血縁を大事にする土地柄とあって、「いちげんさんは大変苦労する」とも。成功するのが難しいためか、「マーケティングに最適な都市でもある」と分析した。

 「アジアに近いからだ」。九州のシンクタンク、九州経済調査協会の八尋和郎・事業開発部長は明快だ。アジアの旅行者にとって、「FUKUOKAは安・近・短の海外旅行先」と指摘。韓国や中国からのインバウンド(訪日外国人旅客)による需要も見込める、というのが、各社の福岡進出の背景にある、としている。

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