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日田彦山線 復旧いつ? 被害多数、JRは見通し示さず 住民「買い物など不便」 大分

大肥川の氾濫によって壊れた日田彦山線の踏切と線路にたまった流木。1カ月以上が過ぎても状況は変わっていない
大肥川の氾濫によって壊れた日田彦山線の踏切と線路にたまった流木。1カ月以上が過ぎても状況は変わっていない
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JR大鶴駅近くを走るJR九州の代行バス
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 九州豪雨により被災し添田(福岡県添田町)-夜明(日田市)間の29・2キロで運行を見合わせているJR九州の日田彦山線。16日から代行バスの運行が添田-日田間に拡充された。鉄橋が流失した久大線は来夏にも復旧の見通しだが、沿線で多数の被害があった日田彦山線の復旧見通しは示されていない。通勤・通学や通院、買い物に利用していた日田市大鶴、夜明地区の住民は早期復旧を願っている。

 JR九州によると、日田彦山線はレールの基礎流失や線路への土砂流入、踏切設備の破損など63カ所が被害を受けた。久大線に比べて被害箇所が多い上、それぞれの規模が大きいという。広報担当者は「単に復旧するだけでなく、次に同じような被害が出ないような対策も含めて復旧方法を考える必要があり、相当な時間がかかる」と説明する。

 日田彦山線は、地域にとって欠かせない路線だ。JR大鶴駅近くに住む吉田万亀子さん(77)は1、2週間に1度は列車で市中心部に出かけて買い物をしていた。「車の運転ができないから鉄道がないと不便。病院に行く人もおり、この地域で困るお年寄りは多いよ」。一方、大鶴地区の女性(55)は「復旧してほしいが、利用客が少ない中で地域にとっての重要性をどれだけ理解してもらえるだろうか」と不安も口にする。

   ◇    ◇

 JR九州が7月末に公開した路線別利用状況(1キロ当たりの1日平均利用人数)によると、日田彦山線の全区間では1987年度2057人だったが、2016年度は1302人に落ち込んだ。このうち、今回被害が大きかった区間を含む田川後藤寺(福岡県田川市)-夜明間だけを見ると16年度約300人と、1987年度の約3割に減った。

 全国では災害が引き金になって廃止された鉄道や、廃止の危機に陥った鉄道もある。宮崎県を走っていた第三セクター「高千穂鉄道」は、2005年の台風被害で鉄橋が流れるなどし、26億4千万円を超えるとされた復旧費用と人口減少で利用客増も見込めないため08年に全線が廃止された。

 一方、4年前の台風で橋脚が流されるなど沿線20カ所以上で被害があった滋賀県甲賀市の第三セクター「信楽高原鉄道」。復旧費用が膨大で廃線の可能性も取りざたされたが、地域住民や通学で利用する高校生が募金や署名で存続に向けた活動を展開。国などの財政支援もあり、被災から1年2カ月後に運行再開した。同鉄道の友田啓視企画課長は「『地域にとって必要だ』という地元の熱意も後押しになった」と話す。

 JR九州は日田彦山線の今後について「復旧を目指し、方法やその費用を検討していきたい」とする。ただ青柳俊彦社長は復旧時期について「年単位か、それ以上になる」と述べるにとどめている。

2017/08/19付 西日本新聞朝刊

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