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ギンヤンマ 幼虫の獲物の捕まえ方

幼虫がメダカを捕まえた瞬間。口元に折り畳まれたマジックハンド状(じょう)の牙(きば)が瞬時にくり出されて獲物をキャッチする。この後すぐに、獲物は口元に引きよせられて食べられてしまう
幼虫がメダカを捕まえた瞬間。口元に折り畳まれたマジックハンド状(じょう)の牙(きば)が瞬時にくり出されて獲物をキャッチする。この後すぐに、獲物は口元に引きよせられて食べられてしまう
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メダカを食べている幼虫。トンボ類の幼虫は別名ヤゴとも呼(よ)ばれる
メダカを食べている幼虫。トンボ類の幼虫は別名ヤゴとも呼(よ)ばれる
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池の上を飛行する雄。自在(じざい)に飛び回り、数秒間空中に静止することもある
池の上を飛行する雄。自在(じざい)に飛び回り、数秒間空中に静止することもある
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 暖(あたた)かい季節に池や沼地(ぬまち)のあるところに出かけると、多い少ないの差はあるものの必ずトンボが飛んでいます。また、水辺に関係なく野原でもよく見かけるトンボですが、その実態(じったい)は紛(まぎ)れもない水生昆虫(こんちゅう)で、水がないところでは生きていけません。

 トンボは、他の昆虫と同様に、その一生の大部分を幼虫(ようちゅう)で過(す)ごしています。そして、その幼虫が水の中で生活しているのです。山奥(やまおく)の渓流(けいりゅう)から河口(かこう)まで流れる川から池や沼などの止水に至(いた)るまで、多くの種類がいるトンボの中で、ギンヤンマは堂々とした大きなからだと美しい色で特別な趣(おもむき)があります。ギンヤンマが水辺を飛び回るのは、雄(おす)が雌(めす)を探(さが)したり、他の雄がなわばりに入ってくるのを追い払(はら)ったり、獲物(えもの)を探したりするときです。そうして疲(つか)れたら、近くの枝(えだ)にとまって休みます。

 空中を忙(いそが)しく飛び回る成虫に比(くら)べて、水の中で暮(く)らしている幼虫は水底にいて、ふだんはただじっとしているだけのようですが、獲物を捕(つか)まえる瞬間(しゅんかん)だけは成虫の動きに比べて決して引けを取りません。獲物は主に周りを泳ぎ回っているメダカのような小魚です。獲物を待ち構(かま)えている幼虫は、獲物を見つけるとその動きを観察し、相手が近づいてくるようならじっとその場で待ち、そうでないなら少しずつ自分の方から近づいていきます。

 興味深(きょうみぶか)いのは獲物の捕(と)らえ方です。そのまま獲物に飛びかかるのではなく、獲物を捕まえる口元がちょうどマジックハンドのようになっていて、その折(お)り畳(たた)まれているマジックハンドが突然(とつぜん)、目にもとまらぬ速さで突(つ)き出されて、獲物を挟(はさ)み捕ってしまうのです。


=2016/02/16付 西日本新聞朝刊=

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