さまざまな冬越し 変化しない環境が好き

【タテジマカミキリ】木の枝(えだ)の裏側(うらがわ)に頭を下に向けてとまっているところ。長い触覚(しょっかく)2本が下に伸(の)びているのが分かる。冬越しの準備(じゅんび)に入ると、体の3分の1くらいが入るように幹(みき)を削(けず)って、そこに体をはめこむようにして動かなくなる
【タテジマカミキリ】木の枝(えだ)の裏側(うらがわ)に頭を下に向けてとまっているところ。長い触覚(しょっかく)2本が下に伸(の)びているのが分かる。冬越しの準備(じゅんび)に入ると、体の3分の1くらいが入るように幹(みき)を削(けず)って、そこに体をはめこむようにして動かなくなる
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【チビアシナガバチ】枯(か)れ枝(えだ)にできた空洞(くうどう)に、身を寄(よ)せ合って休んでいる。すべて女王バチ。春が来ると、それぞれ分かれて飛び立ち、巣作りを始める
【チビアシナガバチ】枯(か)れ枝(えだ)にできた空洞(くうどう)に、身を寄(よ)せ合って休んでいる。すべて女王バチ。春が来ると、それぞれ分かれて飛び立ち、巣作りを始める
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【ツマグロキチョウ】暖かい季節にあれだけ目立ったチョウだが、冬にその姿を見つけるのは非常(ひじょう)に難(むずか)しい。草やぶの中にいるのを偶然(ぐうぜん)発見した
【ツマグロキチョウ】暖かい季節にあれだけ目立ったチョウだが、冬にその姿を見つけるのは非常(ひじょう)に難(むずか)しい。草やぶの中にいるのを偶然(ぐうぜん)発見した
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【モンキアゲハ】雪の中のサナギ。この場所は日中でも山陰(やまかげ)で、日が当たらない
【モンキアゲハ】雪の中のサナギ。この場所は日中でも山陰(やまかげ)で、日が当たらない
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 寒い冬でも、昆虫(こんちゅう)たちは卵(たまご)、幼虫(ようちゅう)、さなぎ、成虫といったさまざまなかたちで、どこかの場所で過(す)ごしています。

 今回、昨年の冬に続いて、別の昆虫たちの冬越(ふゆご)しスタイルを紹介(しょうかい)します。昆虫たちは、秋になってそろそろ冬支度(ふゆじたく)をしなければならないころになると、まずその場所を探(さが)さなければなりません。

 変温動物である昆虫は、そのときどきの気温の変化に合わせて体温を調節できないので、一日のうちで日が当たったり当たらなかったりと気温が大きく変化しない場所を選びます。たとえば、日が当たらない木の皮の下や穴(あな)の中、枯(か)れ草や落ち葉の中、石の下などです。

 そして、そんな場所で次に暖(あたた)かい春がくるまで、じっと静かに休んでいます。真冬であっても、特に暖かい日があったりすると、浮(う)かれ出てきたように、日なたで日光浴をしているチョウの姿(すがた)を見ることがあります。ですが、昆虫たちにとっては、暖かかったり寒かったりというように、あまり変化しない環境(かんきょう)が好ましいのです。

 しかし、この頃(ごろ)のように地球の温暖化(おんだんか)が進みつつある中では、昆虫たちの世界にもかなりの影響が出てきているのではないかと思います。暖かいからと、うっかり活動を始めたりすると、花が咲(さ)いてなくて蜜(みつ)も取れないし、必要な食事が取れないとなれば、体力を消耗(しょうもう)して死んでしまうことになるでしょう。


=2016/03/15付 西日本新聞朝刊=

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