オニグモ 網を張っては壊す

作り始めて約30分で完成した巣。造形的(ぞうけいてき)に美しい形をした巣だが、その目的は獲物を捕らえるためのわな。獲物がかかるたびに無残な形に壊れてしまう
作り始めて約30分で完成した巣。造形的(ぞうけいてき)に美しい形をした巣だが、その目的は獲物を捕らえるためのわな。獲物がかかるたびに無残な形に壊れてしまう
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夜が明け始めると巣をたたみ、じっと隠れてまた夕暮(ゆうぐ)れがくるのを待っている
夜が明け始めると巣をたたみ、じっと隠れてまた夕暮(ゆうぐ)れがくるのを待っている
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 日本全国にすんでいる網(あみ)を張(は)るクモ。明るい昼間は活動しないで、木の幹(みき)や葉の間に隠(かく)れてじっと休んでいます。

 夕方、薄暗(うすぐら)くなると、動きだして網を張りはじめます。まず、足場を決めると、尾端(びたん)にある出糸突起(しゅっしとっき)から糸をどんどん出します。その糸が風に流れていってどこかに絡(から)み付くと、その糸を伝って何度か往復(おうふく)して丈夫(じょうぶ)な太い糸にした後、真ん中から今度はぶら下がって行って下の枝(えだ)にたどり着きます。

 そのようにして巣の中心を決めると、糸やまわりの枝葉を伝って歩きながら中心に向かって伸(の)びるたて糸を張ります。それが終わると、今度は外側から中心に向かって渦巻(うずま)き状(じょう)によこ糸を張っていきます。このよこ糸には、ねばねばした液体(えきたい)が付けられていて、引っかかった獲物(えもの)の体に絡み付いて逃(に)げられないようになっています。

 巣が出来上がると、クモは中心にいて獲物が飛んで来てかかるのをじっと待ち続けます。そうして、獲物が捕(と)れても捕れなくても、夜が明け始めるとせっかく張った巣を壊(こわ)して食べてしまい、また夕方になるまで近くに隠れて休みます。

 ところで、この巣の撮影(さつえい)では大変な苦労をしました。夜なので、当然ライトが必要です。ところが、ライトをつけると、すぐにガやその他の虫が飛んできて巣に引っかかり獲物が暴(あば)れるのと、クモが獲物に飛びかかっていくのとで、せっかく出来上がった巣がメチャメチャに壊れてしまうのです。

 この写真は、虫などが飛んでこないように、網室の中で巣を作らせて撮影したものです。


=2016/06/21付 西日本新聞朝刊=

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