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キリギリス  草やぶから「チョンギーッ」

顔立ちはバッタそのものだが、食べ物は草だけではなく、他のバッタやトカゲを捕(つか)まえて食べることもある
顔立ちはバッタそのものだが、食べ物は草だけではなく、他のバッタやトカゲを捕(つか)まえて食べることもある
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草やぶの中で鳴いているところ。ススキやカヤが茂(しげ)る場所に多くすんでいる
草やぶの中で鳴いているところ。ススキやカヤが茂(しげ)る場所に多くすんでいる
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小さい幼虫(ようちゅう)が脱皮(だっぴ)しているところ。春に生まれて成虫になるまでに6~7回、脱皮する
小さい幼虫(ようちゅう)が脱皮(だっぴ)しているところ。春に生まれて成虫になるまでに6~7回、脱皮する
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 夏に日差しの中の野道を歩いていると、周りの林の方からにぎやかに聞こえてくるセミの声に混(ま)じって、かたわらの草やぶの中から時々、「チョンギーッ」という鳴き声が聞こえてきます。その「チョンギーッ」という鳴き声の主がキリギリスなのです。

 すぐかたわらから聞こえてくるので、どんな姿(すがた)をして鳴いているのかと思って近づくと、いち早く警戒(けいかい)して鳴きやんでしまいます。しかも、草と同じ色の体で草やぶの中に隠(かく)れたように潜(ひそ)んでいるので、その姿を見つけるのは簡単(かんたん)ではありません。

 キリギリスは近づいてくる相手から、さらに気付かれないように、少しずつ体を動かして隠れてしまいます。草やぶの中にその姿を見つけることができたら、その場でじっと動かないで待ってみましょう。すると、やがて鳴き始めるので、その様子を観察することができます。

 キリギリスはスズムシなど他の鳴く虫と同じように、羽をすり合わせて音を出しているのですが、鳴いている場所の高低差などでできる、聞く角度によって大きく聞こえたり小さく聞こえたりします。鳴いているのはオスです。近くにいるメスに向かって、来てくれるように合図を送っているのです。

 私(わたし)は、いつでもキリギリスの鳴き声を聞くと、ずっと昔、東京(とうきょう)の下町に住んでいた子どものころ、夏になると、キリギリス売りのおじさんが虫かごをたくさん積んだリヤカーを引いて、「鳴く虫いかがー」とかなんとか言いながら歩いていたのを思い出します。


=2016/09/20付 西日本新聞朝刊=

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