キチョウ 晩秋にも暖かい日にひらひら

湿(しめ)った土の上にとまって吸水している集団。吸い続けながら、ときどき尾端(びたん)から水滴(すいてき)を排出(はいしゅつ)している
湿(しめ)った土の上にとまって吸水している集団。吸い続けながら、ときどき尾端(びたん)から水滴(すいてき)を排出(はいしゅつ)している
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花の蜜を吸っているところ
花の蜜を吸っているところ
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羽化。サナギから抜(ぬ)け出た直後、羽が次第に伸(の)びつつある
羽化。サナギから抜(ぬ)け出た直後、羽が次第に伸(の)びつつある
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 九州地方では朝夕がすっかり冷(ひ)え込(こ)むような晩秋(ばんしゅう)になっても、晴れた暖(あたた)かい日中に飛んでいる姿(すがた)をよく見かけます。

 特に道ばたに植物のハギが生えている場所の周辺に、ひらひらとオスとメスが絡(から)み合って飛び回っているのが目につきます。

 それというのも、キチョウの幼虫(ようちゅう)が食べる植物がハギなどのマメ科植物の葉っぱだからです。

 少し前の季節の、ハギに花が盛(さか)りのころには、蜜(みつ)を求めて花から花へにぎやかに飛び回っているキチョウがいます。

 その一方で、地上に降(お)りて大勢(おおぜい)の仲間とともに土に口先を当てて、そこにある水分を盛んに吸(す)い取っているキチョウの姿を見ることがあります。

 この吸水(きゅうすい)行動は他の種類のチョウにもよく見られる行動ですが、その理由はまだよく分かっていないといわれています。

 暑い日に体を冷やすため、あるいは水の中に含(ふく)まれる栄養分を取っているのではないかと考えられています。

 しかし、いずれも推測(すいそく)にすぎず、はっきり分かるのは、これからの研究によることになりそうです。

 ▼くりばやし・さとし 1939(昭和14)年、中国・瀋陽(しんよう)で生まれ、3歳(さい)の時に父の郷里(きょうり)・長崎(ながさき)県田平町(たびらちょう)(現・平戸(ひらど)市田平町)に転居(てんきょ)。父の死に伴(ともな)い、50年に一家で東京(とうきょう)へ。1969年、プロの生物生態(せいたい)写真家となり、77年に田平町に戻(もど)った。国内外で高い評価(ひょうか)を得ている。


=2016/11/15付 西日本新聞朝刊=

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