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夜の昆虫 安全な場所で寝たり、働いたり

若(わか)いススキの穂先(ほさき)にとまって寝ているナミアゲハ。体に何かがぶつかるような刺激(しげき)を受けると、びっくりして飛び立つものの、暗闇(くらやみ)をまともに飛ぶことはできず、近くの草などにすぐとまる
若(わか)いススキの穂先(ほさき)にとまって寝ているナミアゲハ。体に何かがぶつかるような刺激(しげき)を受けると、びっくりして飛び立つものの、暗闇(くらやみ)をまともに飛ぶことはできず、近くの草などにすぐとまる
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夏の日暮れ直後。日が暮れたことを忘れて樹液(じゅえき)をすっているオオスズメバチの目の前にセスジスズメが飛んできて、長い口をのばして樹液をすい始めた。びっくりしたハチが顔を上げて、いかくしているところ
夏の日暮れ直後。日が暮れたことを忘れて樹液(じゅえき)をすっているオオスズメバチの目の前にセスジスズメが飛んできて、長い口をのばして樹液をすい始めた。びっくりしたハチが顔を上げて、いかくしているところ
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羽をすり合わせ大きな音を出して鳴いているクツワムシ。一晩中、鳴いては休み、鳴いては休みを繰(く)り返している
羽をすり合わせ大きな音を出して鳴いているクツワムシ。一晩中、鳴いては休み、鳴いては休みを繰(く)り返している
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キキョウの花の中で寝ているヒゲナガハナバチ。メスはいつも地中の巣の中で寝ているが、オスはこのような場所で仲間同士集まって寝ることが多い
キキョウの花の中で寝ているヒゲナガハナバチ。メスはいつも地中の巣の中で寝ているが、オスはこのような場所で仲間同士集まって寝ることが多い
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 昼間目にする昆虫(こんちゅう)たちは、日が暮(く)れると当然のように休みます。どんなところで寝(ね)ているのかと思って探(さが)してみても、その姿(すがた)はなかなか簡単(かんたん)には見つけることができません。

 昼間活動しているその辺りに適当(てきとう)にとまって寝ているのではありません。風が吹(ふ)いても吹き飛ばされないように、タヌキなどの野生動物が走り回って踏(ふ)んだりはじき飛ばされたりしないようにします。また早起きして餌(えさ)探しをする鳥に見つからないように、昆虫といえども、それぞれに安全な場所を考えて寝場所にしているのです。

 ところで、昆虫の中にも昼間だけではなく、夜になってから活動するものがたくさんいます。代表的なのが電灯などの明かりによく飛んでくるガですが、そんなガの中にも昼間に活動して、夜になると休んでしまう種類もかなりいます。

 明るい昼間に活動する種類、暗い夜になってから活動する種類と、それぞれの昆虫は本来決まっているのですが、どうも最近はそのあたりがあやふやになってきている気がします。

 たとえば、夏の大都会の公園では、セミが一晩中(ひとばんじゅう)鳴いていたりします。これは夜になっても周囲が明るいので、寝るのを忘(わす)れて鳴き続けているのかもしれません。

 また、私(わたし)の家の庭にクロオオアリの巣がいくつもあり、春になると一斉(いっせい)に巣口を開けて活動を始め、暖(あたた)かい季節のあいだ地上をあちこち歩き回って餌探しをしている姿を見ていたのですが、数年前からそんな姿があまり見られなくなってしまいました。庭の環境(かんきょう)が悪くなってアリたちがいなくなったものと思っていたところ、なんと夜になって涼(すず)しい時間に巣から出てきて働いていたのです。

 これなどは明るさには関係なく、地球全体の温暖化(おんだんか)が影響(えいきょう)しているのではないかと思われます。暑い日中をさけて気温が低くなった夜に活動しようと、昼光性(ちゅうこうせい)から夜行性にその習性を変えていたのです。


=2016/12/20付 西日本新聞朝刊=

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