タイコウチ 泳ぐ姿が太鼓をたたくよう

捕まえたメダカを食べているところ。尾端(びたん)から伸びて水上に突き出ている長い尻尾(しっぽ)のようなものが呼吸(こきゅう)管で、この管を通して呼吸する
捕まえたメダカを食べているところ。尾端(びたん)から伸びて水上に突き出ている長い尻尾(しっぽ)のようなものが呼吸(こきゅう)管で、この管を通して呼吸する
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岸辺のぬれたコケの中に産卵(さんらん)しているメス
岸辺のぬれたコケの中に産卵(さんらん)しているメス
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水中で脱皮(だっぴ)したばかりの幼虫(ようちゅう)
水中で脱皮(だっぴ)したばかりの幼虫(ようちゅう)
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卵(たまご)から生まれ出た幼虫。卵には糸状(いとじょう)の飾(かざ)りのようなものが付いている
卵(たまご)から生まれ出た幼虫。卵には糸状(いとじょう)の飾(かざ)りのようなものが付いている
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 春が来て池の中の水温が少しずつ上がってくると、そこで生活している水生昆虫(こんちゅう)たちが冬眠(とうみん)からさめて活動を始めます。タイコウチも寒い冬のあいだは岸辺に近い石の下などに潜(もぐ)り込(こ)んで休んでいます。

 タイコウチが好んですむ池は水草が茂(しげ)っているような浅い池で、ため池のような深い池にはすんでいません。

 その理由は、深い池だと呼吸(こきゅう)をするためにわざわざ水面まで上がらなければならないからです。また、タイコウチが好む小魚やオタマジャクシのような獲物(えもの)が多くいるのも、水草がたくさんある浅い池に限(かぎ)られているからです。

 タイコウチは水底を歩いたり泳いだりしていますが、泳ぐときに前足を交互(こうご)に動かしている姿(すがた)が、ちょうど太鼓(たいこ)をたたいているように見えることから、この名前が付けられたといわれています。

 肉食性(にくしょくせい)で、ふつうは水底や、そこに生えている草などにとまってじっと動かずに待ち構(かま)えています。そして、目の前を獲物が通りかかると、ちょうどカマキリが獲物を捕(と)るときのように、前足を驚(おどろ)くような速さで繰(く)り出して捕(つか)まえ、針(はり)のような口を突(つ)き刺(さ)して食べてしまいます。

 私(わたし)がこどもの頃(ころ)には田んぼがあるようなところには、必ず水たまりのような小さな池があって、そんな水場には魚やエビやカニなどがいる中に、このタイコウチのような水生昆虫が何種類もいました。こどもたちはそんな生き物たちを捕まえて遊んだものです。

 現代(げんだい)ではそんな水たまりのある環境(かんきょう)がほとんど見られなくなってしまい、残念なことに大多数の水生昆虫が絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)になってしまいました。


=2017/04/18付 西日本新聞朝刊=

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