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クロスズメバチ 秋、巣の幼虫は食料になる

巣の入り口で外をにらんで警戒する。相手を敵と判断すると一斉に飛びかかっていって、毒針で刺して攻撃する
巣の入り口で外をにらんで警戒する。相手を敵と判断すると一斉に飛びかかっていって、毒針で刺して攻撃する
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山の斜面の、地上より深さ約20センチのところにある巣。実際は巣全体が段ボール紙のようなもので覆われていて、内部を外からは見ることができない。一部をカットして撮影した
山の斜面の、地上より深さ約20センチのところにある巣。実際は巣全体が段ボール紙のようなもので覆われていて、内部を外からは見ることができない。一部をカットして撮影した
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巣に戻ってきたところ。花の蜜でも吸ってきたのか、腹部が大きくふくらんでいるのが分かる
巣に戻ってきたところ。花の蜜でも吸ってきたのか、腹部が大きくふくらんでいるのが分かる
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捕まえたコオロギを解体しているところ。肉を集めてくわえて持ち帰る。量が多いときには何度でも往復して運ぶ
捕まえたコオロギを解体しているところ。肉を集めてくわえて持ち帰る。量が多いときには何度でも往復して運ぶ
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 スズメバチといえば、数多い昆虫(こんちゅう)の中でも一番恐(おそ)れられているハチですが、クロスズメバチはスズメバチの仲間ではあっても、体の大きさも小さく(ミツバチの約2倍)、性格(せいかく)もおとなしいので、それほど怖(こわ)いハチではありません。

 それでも、うっかり捕(つか)まえたり巣の入り口を荒(あ)らしたりすると、当然怒(おこ)って襲(おそ)ってきて、刺(さ)すことに変わりはありません。巣は主にこの写真のように地中に作られています。

 花の蜜(みつ)を吸(す)うこともありますが、どちらかといえば肉食性(にくしょくせい)で、他の昆虫を襲って、その場で解体(かいたい)して肉を持ち帰り、幼虫(ようちゅう)たちの餌(えさ)にしています。野原で弁当(べんとう)などを食べていると、このハチが飛んできて、ハムやソーセージをかじっているのを見たことがある人もいるでしょう。

 クロスズメバチは古くから人間の生活と関わりを持っています。

 長野(ながの)県を中心とした地方の人々は今でもこのハチのことを「ヘボ」あるいは「スガレ」などという愛称(あいしょう)で呼(よ)び、巣を探(さが)しては幼虫を捕(と)って、食料としているのです。巣が最も大きくなる季節の秋になると、大の大人たちがその巣を探し求めて一喜一憂(いっきいちゆう)するといいます。

 獲物(えもの)を探しているハチの前に、肉片(にくへん)に柔(やわ)らかい綿(わた)のようなものをくくり付けておくと、それを見つけたハチが肉に付いているじゃまな綿を外そうとするものの、取れないと分かると、そのままくわえて飛んでいきます。

 空中を飛んでいくその白い綿の目印を追いかけていって巣を見つけ出そうというのですが、林を抜(ぬ)け、谷を越(こ)えていきます。ですから、簡単(かんたん)に見つかることもあれば、なかなか見つからないこともあります。そういった作業が人々を夢中(むちゅう)にさせる原因(げんいん)ともなっているのです。


=2017/06/20付 西日本新聞朝刊=

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