ハキリバチ 葉を切り取って巣作り材料に

切り取った葉をかかえて飛ぶキバラハキリバチ
切り取った葉をかかえて飛ぶキバラハキリバチ
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葉を集めてコップ状にした中に花粉と蜜を入れ、その上に卵を一つ産み付ける
葉を集めてコップ状にした中に花粉と蜜を入れ、その上に卵を一つ産み付ける
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葉で作った幼虫室を分解(ぶんかい)したもの。一番右が完成したもので、中に幼虫室が2個ある。部屋の壁には大きい葉を使い、底とふたの部分にはそれに合わせて丸い小さい葉を使っている
葉で作った幼虫室を分解(ぶんかい)したもの。一番右が完成したもので、中に幼虫室が2個ある。部屋の壁には大きい葉を使い、底とふたの部分にはそれに合わせて丸い小さい葉を使っている
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花の上で花粉と蜜を集めているバラハキリバチ。花粉は腹部(ふくぶ)にあるブラシのような硬(かた)い毛を花にこすりつけて歩き回って集める
花の上で花粉と蜜を集めているバラハキリバチ。花粉は腹部(ふくぶ)にあるブラシのような硬(かた)い毛を花にこすりつけて歩き回って集める
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 野山を歩いているとき、道ばたの木や草の葉がきれいに丸く切り取られているのを見ることがあります。また、花壇(かだん)に植えられているバラの葉などが、同じように丸く切り取られているのを見ることがあります。

 これらは虫の食い跡(あと)には違(ちが)いないのですが、虫たちが食べた跡ではなく、多くの場合、ハキリバチが巣作りの材料として切り取っていった跡なのです。ハキリバチといっても、その種類は多く、日本には25種類いて、そのほとんどの種類が切り取ってきた葉を材料にして巣を作っています。

 巣を作る場所は、多くの種類が古い竹筒(たけづつ)や木にできた穴(あな)の中です。地面に開いた穴の中に巣を作るものもいます。ハチは好みの穴を見つけると、その中に切り取ってきた葉を運び入れ、巣作りを始めます。

 巣は幼虫(ようちゅう)を育てるためのものですが、穴の中の壁(かべ)をすっかり葉で覆(おお)って、決まった大きさの筒状(つつじょう)の部屋を作っていきます。そのために一番奥(おく)の壁は丸い小さい葉、周りの壁は大きい葉、そして最後のふたになる壁は奥のものと同じ小さい葉、というふうに場所によって必要な大きさの葉をその都度切り取ってきます。

 ハチは同じ場所に戻(もど)って繰(く)り返(かえ)し葉を切り取ってきます。葉の切り跡がきれいな円形であったり、細長い楕円(だえん)形であったりしているのは、そのためなのです。ハチは出来上がった巣の中に花粉と蜜(みつ)を混(ま)ぜて入れ、そこに卵(たまご)を産んで最後のふたをします。

 園芸でバラなどを植えている人にとっては、とんでもない害虫みたいに思われるハキリバチですが、ミツバチと同じように花から花へ飛び回り、花粉を媒介(ばいかい)してくれる大切な役割(やくわり)もしてくれているのです。


=2017/09/19付 西日本新聞朝刊=

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