ジョロウグモ 木漏れ日で、巣は金色に輝く

完成して間もないころの巣。この後、前後にも簡単な巣を張り、3重の巣となる。あちこちに張りめぐらされた糸と重なり合って、はっきりした構造が分からない状態になってしまう
完成して間もないころの巣。この後、前後にも簡単な巣を張り、3重の巣となる。あちこちに張りめぐらされた糸と重なり合って、はっきりした構造が分からない状態になってしまう
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上がオスで、下の大きい方がメス。クモはほとんどの種類が、オスとメスの大小の差が極端。オスは自分の巣を張らず、メスの巣に居候して暮らしている
上がオスで、下の大きい方がメス。クモはほとんどの種類が、オスとメスの大小の差が極端。オスは自分の巣を張らず、メスの巣に居候して暮らしている
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松の木の幹に産み付けられた卵のかたまり。たくさんの糸がかけられて、保護されている
松の木の幹に産み付けられた卵のかたまり。たくさんの糸がかけられて、保護されている
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卵から生まれ出て仲間同士でかたまっている子グモ。刺激を受けると、そのかたまりが一瞬ふくらんだかのように一斉に散らばり、やがてまた、かたまりになる
卵から生まれ出て仲間同士でかたまっている子グモ。刺激を受けると、そのかたまりが一瞬ふくらんだかのように一斉に散らばり、やがてまた、かたまりになる
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 ちょうど今ごろの秋に山の道ばたや明るい林の中に入ると、クモの巣が必ず目に入ります。そのクモの巣のほとんどがジョロウグモが張った巣と思って間違いありません。早朝や午後の斜光線の木漏れ日を受けて、薄暗い林の中に金色に輝いて見えるクモの巣は、美しい情景といってもよいくらいです。

 ジョロウグモの巣は、基本的なクモの丸い巣の形をしているのですが、かかった獲物が暴れたりして壊れても作り替えることをあまりしません。糸をあちこちに張り回して修理するだけなので、大きくなった巣は本来の丸い形が分からなくなり、めちゃくちゃな形になってしまっているのがよくあります。

 田舎では民家の軒下などにもよく巣を張るので、人からは嫌われ者の害虫なのですが、家に飛び込んでくる虫を入り口でたくさん退治して役に立っている面が少なくありません。

 気温が下がって他の虫たちがほとんど活動しなくなった初冬の12月ごろまで巣を張って活動しています。私の庭では12月の大みそかの晩に卵を産んでいるのを観察したことがあります。

 卵は巣の近くの木の幹に数百個まとめて産み付けられ、翌年の春5月ごろにふ化します。

 卵から生まれ出たばかりの子グモは、しばらくの間、仲間とかたまっていますが、その場所に何かが当たったりして刺激を受けると、一斉に散らばり、落ち着くと、また団子状態にかたまります。

 そうしながら、しばらくすると、やがてみんな別れて行ってしまうのです。この子グモが集まっている状態を、昔から「クモのまどい」と呼んでいます。


=2017/10/17付 西日本新聞朝刊=

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