【ワクワク 種子島】<中>民話・方言編 島の言葉は いつまでも

いろりを囲んで、種子島の民話を語り聞かせてもらった
いろりを囲んで、種子島の民話を語り聞かせてもらった
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 ●「おじゃりもうした」=おいでくださいました 
 今回も16日に続き、こども記者4人が春休みに訪れた鹿児島県・種子島の報告です。種子島では多くの民話が残っており、子どもたちに方言を使って語り聞かせの活動をしているグループがあります。現地の子どもたちとの交流も求めて、活動に参加させてもらいました。

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 ▼丁寧な「もうす」

 「こども記者の皆さん、ようこそ種子島におじゃりもうした(おいでくださいました)」

 民話を語る活動をする「ぢろの会」のメンバーが方言で迎えてくれた。場所は、島の歴史を紹介する「鉄砲館」(西之表市)内のいろり付きの民家を再現したコーナーだ。「ぢろ」とはいろりのこと。いろりを囲み、親が子に昔話を語り聞かせた時代をイメージして、会の名前をつけたそうだ。

 活動を始めたのは、9年前。種子島の方言や民話を次世代に残していくため、60~80代の7人が月に1回、活動を続けている。代表の下村タミ子さん(86)は「種子島には『もうす』をつけて丁寧さを表すきれいな方言があるのに、私より下の世代の人たちは使えません」と教えてくれた。

 ▼種子島らしい物語

 こども記者も一緒に「今日はめっかりもうさん(こんにちは)」と方言であいさつして、活動が始まった。愉快な話から悲しい話まで三つの民話について、語り聞かせと解説をしてもらった。

 特に、種子島らしさを感じたのは「スズメどんの鬼征伐」だ。鬼に子を殺されたスズメが敵を討とうと、仲間たちと鬼の家で待ち伏せて仕返しをする。「マテん実(ドングリの一種、マテバシイの実)」がいろりではじけ、臼が上から落ちてきて、鬼をやっつける。

 話の筋は「さるかに合戦」と似ているが、「さるかに合戦」に出てくるクリはあまり種子島には無いそうで、代わりに「マテん実」が登場していた。

 ▼懐かしんでほしい

 この日、地元の子どもの参加は9人。みんな真剣な顔をして、話に聞き入っていた。小学校入学前から参加している和田花梨さん(11)は「昔のことを聞くのは楽しいし、勉強になる」。川崎萌々華さん(10)は「会に参加するうちに方言が分かるようになってきた」と話した。

 和田弓弦(ゆづり)さん(8)は「おじいちゃんになったら、僕も『ぢろの会』で民話を語り聞かせたい」と、目標を話していた。

 下村さんは「種子島には大学や専門学校が無いので、高校を卒業したら、多くの若者が島を離れる。そんなときに、民話を思い出して島を懐かしんでほしい」と、子どもたちの将来を思いやっていた。

 アトキンソン記者は「私の地元でもこのような活動があれば、福岡や博多弁のすばらしさを学べるのでは」と感想をつづった。

 ●交流、ありがとうござりもうした

 種子島の子どもたちはどんな暮らしを送っているのだろう? こども記者は、一緒に方言と民話を学んだ小学生に話を聞いた。

 自然がたくさんの種子島。時津記者は「夏休みはどんなことをして遊ぶのか?」と質問した。地元の子どもたちから、海水浴に行ったり、山でカブトムシを捕ったり、という答えが返ってきた。

 逆に、こども記者が「夏休みは動物園に行く」と教えると、種子島の子どもたちは、ちょっとびっくりした表情。種子島には動物園や映画館が無いので、船や飛行機に乗って鹿児島市などに行かなければならないそうだ。

 種子島の方言を教えてもらった代わりに、博多弁も教えようと、豊田記者と山口記者はクイズを出した。

 修繕するという意味の「なおす」や穴を開けるという意味の「ほがす」は、種子島でも使われているため、地元の子どもたちも正解を連発。しかし、「しゃあしい(うるさい)」の意味は分からなかったようで、「悲しいという意味ですか?」と、なかなか正解してもらえなかった。

 クイズが終わっても、ゲームをしたり、方言を教え合ったりするなどして交流を深めた。種子島の皆さん、ありがとうござりもうした(ありがとうございました)!!

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=2016/04/20付 西日本新聞朝刊=

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