【きょうのテーマ】コアラに会いに行く 九州で唯一、飼育している動物園 鹿児島市の平川動物公園

コアラを間近で見ると、とってもかわいかった
コアラを間近で見ると、とってもかわいかった
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コアラが食べるユーカリについて教えてくれる永榮さん
コアラが食べるユーカリについて教えてくれる永榮さん
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コアラのメスのおなかには、赤ちゃんを育てる袋の入り口があった=飼育員の永榮さんが右手の薬指でさしているところ
コアラのメスのおなかには、赤ちゃんを育てる袋の入り口があった=飼育員の永榮さんが右手の薬指でさしているところ
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 ●おなかぽっこり 大事に育てられ

 丸っこくて、かわいいコアラが飼育(しいく)されている九州唯一(ゆいいつ)の動物園を知っていますか? 鹿児島(かごしま)市の平川動物公園です。コアラは元々、オーストラリアにしかいない珍(めずら)しい動物です。こども記者3人が同園に行き、飼育員(しいくいん)さんも取材しました。

【紙面PDF】コアラに会いに行く 九州で唯一、飼育している動物園 鹿児島市の平川動物公園

 こども記者たちは今回、コアラが飼育されている部屋の中に特別に入れてもらった。入る前には、病原菌(びょうげんきん)などを持ち込(こ)まないようにくつの裏(うら)や服、手などをしっかりと消毒した。

 平川動物公園には現在(げんざい)、コアラ6匹がいる。「近くで見ると、毛の色は主に灰色(はいいろ)で、おなかには白いところもあり、お尻(しり)が黄色だったことにおどろいた」(野田(のだ)すず記者)。そして、横山直穂(よこやまなほ)記者は「どのコアラもおなかがぽこっとしている」と気付いた。その理由を飼育員の永榮大樹(えいえいたいき)さん(39)が教えてくれた。

 コアラが食べるユーカリという木の葉には毒素(どくそ)が含(ふく)まれている。それを消化するのには時間がかかるので、コアラの盲腸(もうちょう)は約2メートルもある。だから、おなかがふくらんで見えるそうだ。ユーカリの葉に鼻を近づけると、「独特(どくとく)の薬みたいな強いにおいがした」(森山由里(もりやまゆり)記者)。

 森山記者がおどろいたのは「コアラは水を飲まない」ということだ。「水分はユーカリの葉からとっているので、多くの水分を含む新芽の部分を好んで食べるそうだ」

 永榮さんは、こども記者にコアラの体重測定(そくてい)も見せてくれた。使った道具は、人間の赤ちゃん用の体重計の上に、コアラがしがみつくための木をのせたものだった。2歳(さい)のオス「コロン」は6・3キロだった。

 永榮さんは、コアラを抱(だ)っこするときに「手と腕(うで)を木のように立て、コアラをおどろかせないように工夫していた」(野田記者)。他にも、人間に慣(な)れてもらうためや、元気かどうか反応(はんのう)を見るために毎日、声をかけるなど、大事に育てられていることが分かった。

 永榮さんによると、コアラの赤ちゃんは1円玉くらいの体長約2センチ、体重0・5~1グラムで生まれてくる。「もっと大きいと思っていたから、ずいぶん小さいことにおどろいた」(森山記者)。そんな赤ちゃんを育てるために、お母さんコアラのおなかにある袋(ふくろ)の入り口も、永榮さんは指さしながら見せてくれた。

 ●「ユーカリの確保が大切」 コアラの飼育員 永榮さんにインタビュー

 こども記者たちはコアラの飼育員(しいくいん)、永榮大樹(えいえいたいき)さん(39)に質問(しつもん)をした。

 -なぜコアラを飼育するようになったのですか?

 永榮 三十数年前、コアラを日本でも見られるようにしたい、という運動が各地で起きて、中でも鹿児島(かごしま)市が積極的だったからです。33年前に日本で初めてコアラがやってきたのが平川動物公園と東京(とうきょう)の多摩(たま)動物公園、名古屋(なごや)市の東山(ひがしやま)動物園の三つでした。

 -育てていて何に一番気をつけていますか?

 永榮 えさになるユーカリの確保(かくほ)が一番大切です。コアラはユーカリしか食べないので、切らしてしまうと生きていけません。ユーカリを園の近くの山や畑に植えてもらい、私(わたし)たち飼育員が新鮮(しんせん)なユーカリを取りに行っています。

 -コアラは虫歯にならないんですか?

 永榮 ユーカリしか食べないので基本的(きほんてき)に虫歯にはなりません。ただ、おじいちゃんコアラ、おばあちゃんコアラは歯にすき間ができ、ユーカリがつまって取れなくなって、虫歯になったこともあります。

 -発情期(はつじょうき)はいつですか?

 永榮 春から秋にかけてです。一番赤ちゃんができやすいのは春ですね。

 -これまでに、どれくらい生まれていますか?

 永榮 平川動物公園では59匹が生まれています。33年前にオス2匹、翌年(よくねん)にメス4匹が来て、8代目までが生まれています。

 この後、こども記者たちはカバも見に行った。カバの体は2~3メートルもあって、オス1頭とメス1頭がいた。大きな口を開けて「グオー」とほえると、とても迫力(はくりょく)があった。

 カバがプールにいる間に、飼育員の細田真司(ほそだしんじ)さん(34)の案内でカバの寝室(しんしつ)に入れてもらった。コンクリート造(づく)りの大きな部屋で、えさの干(ほ)し草とペレットがあった。細田さんの説明の中で横山記者が一番おどろいたのは「カバは紫外線(しがいせん)に弱いので、人間の日焼け止めにあたる赤っぽい粘液(ねんえき)を自分の体から出す、ということ」だった。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼平川動物公園 鹿児島(かごしま)市のJR鹿児島中央駅から指宿枕崎(いぶすきまくらざき)線で最寄(もよ)りの五位野(ごいの)駅まで約25分。同駅から約1キロ。ホワイトタイガーなどもいて、晴れた日には園内から桜島(さくらじま)も見える。遊園地も併設(へいせつ)されている。同園=099(261)2326。

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=2017/01/21付 西日本新聞朝刊=

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