【きょうのテーマ】シロウオの産卵場づくり 春告げる魚 増やそう 福岡市・室見川

干潮で水が少なくなった室見川でのシロウオの産卵場づくり。たくさんの人が協力した。こども記者たちも大人に教えてもらいながら石を並べる作業をがんばった
干潮で水が少なくなった室見川でのシロウオの産卵場づくり。たくさんの人が協力した。こども記者たちも大人に教えてもらいながら石を並べる作業をがんばった
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シロウオ
シロウオ
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福岡大学の伊豫岡先生(左)からシロウオについて教えてもらった
福岡大学の伊豫岡先生(左)からシロウオについて教えてもらった
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 ●ボランティア活動に こども記者が参加

 春を告げる魚といわれるシロウオを知っていますか? ほぼ透明で体長5センチくらいです。環境の悪化などで減っているため、産卵場をつくるボランティア活動が2月11日、福岡市の室見川でありました。こども記者5人が参加しました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=シロウオの産卵場づくり

 ■自分たちで環境改善

 今回のボランティア活動は、シロウオが産卵のために室見川を上ってくる前に実施したもの。福岡大学水工学研究室と、シロウオ漁をする室見川シロウオ組合などが協力して行った。

 参加者は、同大の学生や地元の住民、会社員のグループなど約100人。前日から時々ふっていた雪はやみ、青空も見えたが、風はとっても冷たかった。こども記者たちはジャンパーなどを着こみ、長靴をはき、ゴム手袋をした。

 全員がそろったところで、水工学研究室の伊豫岡(いよおか)宏樹先生(36)らがシロウオについて説明し、「自分たちの近所の川や環境は行政頼りにしないで、自分たちで改善しましょう」と呼びかけ、作業が始まった。

 ■干潮時に川底で作業

 現場は室見川の河口近くとあって、海の潮の満ち引きで川の水量が変わる。水が少なくなった干潮時に作業をした。遊歩道などがある川岸から川底までは2・5メートルくらい。少しこわかったが勇気を出して、脚立をはしごにして下りた。

 シロウオは川底の石の下に穴を掘って卵を産むそうだ。「室見川の底には砂があった。その中にたくさんの石が埋もれていた」(堀本祐良(ゆら)記者)。こども記者たちは大人に教えてもらいながら石を掘り返し、「水が流れるように石と石の間をあけて置いた」(北忠明記者)。「できるだけ砂も平らにしなければならなかった」(中西蓮記者)。

 干潮時とはいえ、川の所々の水は深く、長靴の中がぬれたり、転びそうになったりした。

 ■ごみが多くて心配に

 横山直穂記者は「水の流れができるように石を考えて置くことが難しかったが、途中から慣れてきた」。その一方で、川底にあったごみの多さが気になった。

 魚が大好きな来島知希記者は、主にごみ拾いをした。コーヒーやビールの空き缶、お菓子の袋、さらには病院の診察券まであり、「ちゃんと環境のことを考えてほしいな」と思った。

 作業が終わると、温かい豚汁やおでん、炊き込みごはんを食べた。「みんな、疲れを忘れて、ホッとしていた」(北記者)

 シロウオ組合の斉藤一男組合長(79)は「シロウオは環境が良くないと、なかなか増えません。だから、みなさんの活動がありがたいです」と喜んでいた。

 ●シロウオはシラウオと違う 伊豫岡先生たちに聞く

 シロウオは、全国各地で取れ、福岡では生きたまま食べる「おどり食い」や卵とじなどが春の味覚として有名だ。こども記者たちはシロウオについて、福岡大学水工学研究室の伊豫岡宏樹先生(36)と同大4年の富松勇太さん(22)に教えてもらった。

 2人によると、シロウオは川で生まれ、海の浅い所で育ち、また産卵のために川に戻ってきて、1年間の一生を終える魚だという。名前が似ているシラウオとは別の魚だそうだ。シロウオはハゼ科で体長約5センチ、シラウオはシラウオ科で体長約10センチ。よく見ると顔も違う。

 シロウオはなぜ室見川に集まるのだろう。中西蓮記者が質問すると、伊豫岡先生は「室見川は、博多湾に流れこむ大きい川で一番西の方にあって、水質が比較的きれいだから」と教えてくれた。

 シロウオが産卵しやすいように、川底で砂に埋もれている石を人間が掘り起こす作業は、畑に種をまく前に土を耕すようなもの、と説明してもらった。

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=2017/03/08付 西日本新聞朝刊=

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