【おしごと拝見】こだわりのベビー服作り 赤ちゃんの城(福岡県久留米市)

真っ白なベビー服が縫い合わされていた
真っ白なベビー服が縫い合わされていた
写真を見る
完成したベビー服。小さくてかわいかった
完成したベビー服。小さくてかわいかった
写真を見る
赤ちゃんの体つきを知るために置いてある人形。全長50センチ、重さ3キロと、実物に近い大きさだ
赤ちゃんの体つきを知るために置いてある人形。全長50センチ、重さ3キロと、実物に近い大きさだ
写真を見る
堤志保美さん
堤志保美さん
写真を見る
ベビー服できるまで(上)
ベビー服できるまで(上)
写真を見る
ベビー服ができるまで(下)
ベビー服ができるまで(下)
写真を見る

 ●肌にやさしく 品質管理を徹底

 小さくて、ふわっと柔(やわ)らかい。赤ちゃんが着る洋服って、なんだか優(やさ)しい気分にさせてくれますね。そんなベビー服を、丁寧(ていねい)に国内で作っている会社が福岡(ふくおか)県久留米(くるめ)市にあります。「赤ちゃんの城(しろ)」です。工場などを見学して、会社の魅力(みりょく)を探(さぐ)りました。

【紙面PDF】おしごと拝見 こだわりのベビー服作り 赤ちゃんの城

 「赤ちゃんの城(しろ)」ではベビー服のほか、赤ちゃん用のふとんなども作っている。商品企画(きかく)室長の木村義晴(きむらよしはる)さん(62)に社内を案内してもらった。

 工場に入ると、ダダダとミシンの音が聞こえてきた。働く人たちはもくもくと手を動かしている。生地(きじ)の裁断(さいだん)、縫(ぬ)い合わせ、ボタン付けなど、担当(たんとう)する仕事が決められていた。いま日本で売られている服は外国製(がいこくせい)のものが多いが、木村さんは「品質(ひんしつ)管理に目が届(とど)くよう、国内の自社工場で作っています」と説明する。

 特に気をつかっていることは、折れたミシン針(ばり)の管理。破片(はへん)が商品にまじっては大変だ。針にはすべて番号をふり、折れた場合は状況(じょうきょう)などを記録。破片も全て探(さが)し出して保管(ほかん)していた。

 「肌着(はだぎ)に使う生地を触(さわ)ってみて」と木村さんにうながされ、手にとってみた。とても柔らかい。「赤ちゃんは肌が敏感(びんかん)。肌にやさしい天然の綿(めん)で作ることが大事」と木村さんは言う。

 メーカー名や洗濯表示(せんたくひょうじ)のタグも、赤ちゃんの肌には刺激(しげき)になる。だから肌着の場合は外側に、洋服の場合はおむつに当たる位置に付けて、赤ちゃんの肌に直接(ちょくせつ)当たらないよう工夫(くふう)していた。木村さんは「言葉を話せない赤ちゃんは『いや』と言えず、不快(ふかい)なときは泣きます。泣かせないように、できるだけのことをしてあげたい」と話していた。

 社内には、洗濯機(せんたくき)や物ほし台もあった。洗濯して生地の縮(ちぢ)みが大きくないかをチェックするためだ。生地の染料(せんりょう)に有害物質(ぶっしつ)が含(ふく)まれていないかを検査(けんさ)する機械も備(そな)えられていた。

 最後に木村さんに仕事のやりがいを聞くと、うれしそうに答えてくれた。「うちの商品を着た赤ちゃんが、かわいいとほめられること」
(中野由莉(なかのゆり)記者、古川結菜(ふるかわゆうな)記者)

 ●丁寧に美しく ベビードレス担当・堤さん

 「赤ちゃんの城(しろ)」で15年間働く堤志保美(つつみしほみ)さん(50)は、赤ちゃんがお祝いの日に着るベビードレスを作っている。すぐれた技能(ぎのう)と経験(けいけん)を持つ「ものづくりマイスター」(厚生労働省認定(こうせいろうどうしょうにんてい))でもある堤さんに話を聞いた。

 堤さんが作業するミシンの横には、レースが付いた真っ白でふわふわのドレスがたくさんつるされていた。堤さんの仕事は、裁断(さいだん)された生地(きじ)を1枚(まい)ずつ縫(ぬ)い合わせ、ドレスを完成させること。丁寧(ていねい)に美しく縫う技術(ぎじゅつ)が求められる。

 高級素材(そざい)として知られるシルクを扱(あつか)う場合も多いから、自分の手で生地を傷(いた)めないよう、手荒(てあ)れ予防(よぼう)は欠かせない。夜寝(ね)る前には必ずハンドクリームをぬるそうだ。でも会社ではぬらないようにしている。「クリームの香料(こうりょう)がドレスに移(うつ)ってはいけないから」。細かい気配りに驚(おどろ)いた。

 ベビー服作りには、どんな性格(せいかく)の人が向いているのだろう。堤さんは「縫うことが好きなことはもちろん、やっぱり子どもが好きな人ですね」と話していた。
(小宮衣織(こみやいおり)記者、塙小桜(ばんこはる)記者)

 ◆ベビー服ができるまで

(1)パソコンの画面上でデザインを考える。
(2)立体的な服を平面の設計図(せっけいず)(型紙)としてコンピューターで描(か)き起こす=写真(上)。
(3)生地(きじ)に有害物質(ぶっしつ)などが含(ふく)まれていないかを検査(けんさ)する。
(4)生地を台の上でまっすぐに広げる。しわなどを取り、一度にたくさん裁断(さいだん)しやすいよう必要な枚数(まいすう)を重ねる。
(5)(2)のコンピューターから送られたデータをもとに、生地をロボットで裁断する=写真(下)。
(6)裁断された各パーツを縫(ぬ)い合わせて、衣類の形に仕上げていく。
(7)商品に針(はり)などが混入(こんにゅう)していないか検査する。
(8)手で一つ一つ包装(ほうそう)する。

【紙面PDF】おしごと拝見 こだわりのベビー服作り 赤ちゃんの城


=2017/04/01付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]