ショーの主役 より間近に 新しくなったマリンワールド海の中道(下)「ステージ」班

半年ぶりのショーを終えたイルカの手触りを楽しむ
半年ぶりのショーを終えたイルカの手触りを楽しむ
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「ペンギンの丘」ではかわいい姿を間近にできる
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ステージが観客席に近くなり魅力を増したアシカのショー
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 ●躍動するアシカ、イルカ 愛くるしいペンギン

 再(さい)オープンした水族館「マリンワールド海の中道」(福岡(ふくおか)市東(ひがし)区西戸崎(さいとざき))ではアシカやペンギンが活躍(かつやく)するショーの内容も一新。愛らしいペンギンの姿(すがた)を楽しめるスポットも誕生(たんじょう)し、来場者を笑顔にしてくれます。新たな舞台(ぶたい)の主役となった動物たちの魅力(みりょく)を「ステージ班(はん)」のこども記者7人が取材しました。

【紙面PDF】新しくなったマリンワールド海の中道(下)「ステージ」班

 ■開放感あふれる姿

 松下陸寿夢(まつしたりずむ)記者は「どんな施設(しせつ)になるのか楽しみだった」とわくわくしながら再(さい)オープンを待っていたという。そんな子どもたちの期待に応(こた)えた新スポットが「ペンギンの丘(おか)」だ。

 屋外にあるイルカ、アザラシ、アシカの生態(せいたい)を観察する「かいじゅうアイランド」の一角を整備(せいび)して芝生(しばふ)を植え、20羽のケープペンギンを放し飼(が)いに。プールもあるので陸上と水中での様子が楽しめる。

 ペンギンの飼育員(しいくいん)、野間重和(のましげかず)さん(43)は「開放感あふれる場所で、ありのままの姿を見せたかった」と話す。ペンギンは夜、隣接(りんせつ)した小屋で眠(ねむ)る。「ペンギンは清潔(せいけつ)好き。朝起きて羽を洗(あら)うためにプールに入るときが見もの。活動的な姿を楽しむなら午前中の見学がおすすめ」(野間さん)。立川花菜(たちかわはな)記者は「ペンギンがよちよち歩いてやってきて、とてもかわいい」と笑顔になった。

 ■どんたくショーも

 人気のアシカとイルカのステージが楽しめる「ショープール」も全面的に改修(かいしゅう)された。こども記者はアシカのステージが観覧席(かんらんせき)のすぐそばに新設(しんせつ)されたことに注目。演出(えんしゅつ)や構成(こうせい)も「福岡(ふくおか)」を前面に出した内容(ないよう)に一新されていた。

 「好いとう福岡」という飼育員のかけ声で始まったショーでは、2頭のアシカが「博多(はかた)どんたく」をイメージした大きなしゃもじを鼻先に立たせると満員の観客から拍手(はくしゅ)がわいた。硲美波(はざまみなみ)記者は「アシカとの距離(きょり)が近くなりショーの迫力(はくりょく)が増(ま)した」と驚(おどろ)いた。アシカの飼育員、安田祐太(やすだゆうた)さん(23)は「しゃもじが倒(たお)れないように、ヒゲを立たせて傾(かたむ)きを感じてバランスを取っている。アシカの細かい表情(ひょうじょう)を間近で見てほしい」と話した。

 ショープールの向こうに広がる博多湾(わん)をながめながら稲川(いながわ)ひまり記者は「新しくなったステージは海につながっているようだ」と感じた。稲川記者はアシカの笑っているような表情にひかれて、詩を書いてみた。

 ■「また会えた」喜び

 舞台(ぶたい)を終えたイルカに触(さわ)った大神里奈(おおがみりな)記者は、一見つるつるしたイルカの体が「滑(すべ)らないのにキュッとした肌触(はだざわ)りだった。不思議な感じがした」と喜んだ。

 イルカの飼育員、宮園智子(みやぞのともこ)さん(28)は3月から新しいショーの練習に取り組んだという。宮園さんは「期待に応えるショーを完成できるのか不安だった」と振(ふ)り返り「ショーを披露(ひろう)して、イルカたちはお客さまに『また会えた』とすごく喜んでいた。私(わたし)も同じ気持ちです」と笑顔を見せた。

 川端飛鳥(かわばたあすか)記者は「ショーでイルカを『がんばれ』と応援(おうえん)する気持ちが強まった。水族館はそこで働く人々と生き物が信頼(しんらい)し合える、たくさんの愛情(あいじょう)にあふれたすてきな場所だ」と感じた。

 ●「行きたくなるよ水族館」 稲川ひまり

水族館に行ったなら

エイもアシカもスナメリも

みんなニコニコしているね

だから私(わたし)もニッコニコ

やさしく元気になれる場所

水族館に行ってみよう

 ●「動物はトレーナーの鏡」 イルカ飼育員・宮園さんに聞く

 こども記者は同館でイルカのトレーニングや健康管理を担当(たんとう)して7年目の飼育員(しいくいん)、宮園智子(みやぞのともこ)さん=写真=に話を聞いた。

 宮園さんは「8歳(さい)の時にマリンワールドでイルカのショーを見て飼育員になりたいと思った」という。夢(ゆめ)をかなえて同館に入社。イルカのえさやりの準備(じゅんび)やプールの清掃(せいそう)など「日課作業」を重ねて、イルカに触(さわ)ることを許(ゆる)されたという。「最初は演技(えんぎ)にOKを出すホイッスルがうまく吹(ふ)けず、イルカたちに『今、笛鳴った?』という顔をされ、思い通りに動いてくれなかった」と振(ふ)り返(かえ)る。「動物はトレーナーの鏡。人間があいまいだからうまくいかないと思い直し、イルカと向き合った」。イルカへのサインは30以上あると聞いた松下陸寿夢(まつしたりずむ)記者は「笛一つで人間と動物の気持ちがつながっている」と感心した。

 飼育員の仕事で宮園さんが一番大事にしているのは「動物の健康を守ること」だ。「イルカも人間同様、特に季節の変わり目に体調を崩(くず)しやすい。熱が出れば目がとろんとして元気が無くなり、プールの底に沈(しず)みがちになることもある」。検温(けんおん)や採血(さいけつ)をして病名を突(つ)き止め、獣医師(じゅういし)から薬をもらい看病(かんびょう)する。宮園さんは「元気になってショーに復帰(ふっき)してくれたときは本当にうれしい」と笑った。

 宮園さんの話を聞いた硲美波(はざまみなみ)記者は「飼育員の仕事はショーだけでなく動物の体調管理など苦労もあって大変だ」。西岡樹希(にしおかりき)記者は「病気のイルカを一生懸命(いっしょうけんめい)助けようという話が心に残った」。

 ▼マリンワールド海の中道 福岡(ふくおか)市東(ひがし)区西戸崎(さいとざき)。入館料は高校生以上2300円、中学生1200円、小学生1000円、4歳(さい)以上600円。休館は2月の第1月曜とその翌日(よくじつ)のみ。問い合わせは同館=092(603)0400。

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=2017/05/06付 西日本新聞朝刊=

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