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物語の世界で遊ぼう 「おいでよ!絵本ミュージアム」 「イルヨイルイル モノモノノケ展」

仲間の大切さを描いた人気絵本「ふたりはともだち」の展示
仲間の大切さを描いた人気絵本「ふたりはともだち」の展示
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「イルヨイルイル モノモノノケ展」 人を楽しませる絵本作りの秘けつを語る「ツペラ ツペラ」(左=亀山達矢さん、右=中川敦子さん)
「イルヨイルイル モノモノノケ展」 人を楽しませる絵本作りの秘けつを語る「ツペラ ツペラ」(左=亀山達矢さん、右=中川敦子さん)
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 読書の楽しさを伝える「おいでよ!絵本ミュージアム2017」(福岡(ふくおか)アジア美術館(びじゅつかん))と人気絵本作家「tupera tupera」(ツペラツペラ)の最新作を紹介(しょうかい)する「イルヨイルイル モノモノノケ展(てん)」(三菱(みつびし)地所アルティアム)が福岡市で開かれています。本が大好きなこども特派員(とくはいん)11人が2チームに分かれて、ユニークな展示(てんじ)や創作(そうさく)の舞台裏(ぶたいうら)を探(さぐ)りました。

【紙面PDF】物語の世界で遊ぼう 「おいでよ!絵本ミュージアム」

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 ●「おいでよ!絵本ミュージアム」 感じて、作って、学んで 誰でもいっしょに楽しめる

 2007年から始まった「絵本ミュージアム」。第1回展から企画運営(きかくうんえい)に携(たずさ)わるNPO法人「子ども文化コミュニティ」の高宮由美子(たかみやゆみこ)プロデューサーが出迎(でむか)えてくれた。入り口のトンネルを抜(ぬ)けると、たちもとみちこさんの絵本「ピクニック」の世界が広がる。

 ■「わくわく」を生む

 吉田瑞希(よしだみずき)特派員は最新のデジタル技術( ぎ じゅつ)を使った「ゆびでいっしょによむえほん」に注目した。モニターに映(うつ)る動物の絵を指でなぞると文字が出てたり、音が鳴る。「文字の面白さを気付かせてくれる」と感心した。

 高宮さんは「感じる、作る、学ぶを組み合わせた構成(こうせい)が“わくわく”を生む」と言う。ワークショップ(参加費500円)では「ピクニック」用のバスケット作りが楽しめる。体験した西村律希(にしむらりつき)特派員は「色紙を使った個性(こせい)あふれる作品ができた」。

 ■絵本は宇宙のよう

 倉掛愛奈(くらかけまな)特派員のおすすめは「がまくんとかえるくん」が登場するアーノルド・ローベルさんの絵本「ふたりはともだち」のコーナーだ。「2匹の友情(ゆうじょう)や優(やさ)しさが伝わるとてもいい本」と一読を勧(すす)める。高宮さんは「今年のテーマは“いっしょに”。一人ではできないことも仲間とならできることを知って」と語る。

 高宮さんは「絵本って宇宙(うちゅう)に似(に)ていると思わない?」と語りかけた。入江環(いりえたまき)特派員は「宇宙は広くいろんなことを想像(そうぞう)できる。絵本の世界も広くたくさんのことを想像できる」と共感した。

 ■一緒に楽しむ工夫

 7人の心に強く残ったのが目の不自由な人のために作られた絵本のコーナーだ。エリック・カールさんの絵本「はらぺこあおむし」に指を走らせた志垣(しがき)大和( やまと )特派員は「手触(てざわ)りの違(ちが)う布(ぬの)を使い、地面はざらざらふさふさに、果物は少し堅(かた)い感触(かんしょく)を出し、指先で物語を感じる工夫がある」と驚(おどろ)いた。見えづらさを体験するために光を抑(おさ)えた照明の下で、明神悠花(みょうじんはるか)特派員は「目が不自由な人の気持ちを少しだけ感じることができた。誰(だれ)でも絵本が楽しめる。これが“いっしょに”の本当の意味」と気付いた。

 大神里奈(おおがみりな)特派員も「お母さんに絵本を読んでもらった記憶(きおく)がよみがえった」という。「懐(なつ)かしい本は幸せの記憶。思い出すと力をくれる」と高宮さん。大神特派員は「この展覧会(てんらんかい)が幸せの記憶を生みだす場所であり続けて」と願った。

 ▼NTT西日本スペシャル おいでよ!絵本ミュージアム2017 20日まで、福岡(ふくおか)市博多(はかた)区下川端町(しもかわばたまち)の福岡アジア美術館(びじゅつかん)。入場料一般(いっぱん)1000円、高大生700円、小中生500円。未就学児(みしゅうがくじ)は無料。同美術館=092(263)1100。会期中無休。

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 ●「イルヨイルイル モノモノノケ展」 アイデアの種の育て方が大事 絵本作家「tupera tupera」に聞く

 「パンダ銭湯(せんとう)」などの人気作で知られる絵本作家・亀山達矢(かめやまたつや)さんと中川敦子(なかがわあつこ)さん夫婦(ふうふ)の創作(そうさく)ユニット「tupera tupera」(ツペラツペラ)。写真家・阿部高之(あべたかゆき)さんと組んだ最新の写真絵本「モノモノノケ」の世界を紹介(しょうかい)する「イルヨイルイル モノモノノケ展」が話題を呼(よ)んでいます。

 会場では亀山さんと中川さんがデザインした32体の「モノノケ」の原画や立体作品を展示(てんじ)。こども特派員(とくはいん)4人が2人にインタビュー。ユニークな作風そのままの、笑いにあふれた取材になりました。

 -ユニット名の意味を教えてください。(板木優季(いたきゆうき)特派員)

 亀山「おかしなことがいっぱい考えられるようになる、僕(ぼく)たちのおまじない」

 -何冊(なんさつ)の絵本を出版(しゅっぱん)しましたか? 2人の役割分担(やくわりぶんたん)は?(同)

 亀山「15年くらい前から絵本を作って30冊(さつ)くらい。貼(は)り絵(え)が中心だからはさみで紙を切って原画を作る。僕はアイデアを出すのが好き。敦子さんは色の組み合わせやどこに何を置くかを決める構成(こうせい)が得意。文章は一緒(いっしょ)に考えている」

 -絵本作りで大事にしていることは?(芝原凛(しばはらりん)特派員)

 亀山「はさみで指を切らない。笑わないでよ。大事だから」

 中川「人からいろいろ言われても、自分たちが思うことを曲げず、あきらめず形にすること」

 -1冊仕上げるのにかかる時間は?(本多真麻(ほんだまあさ)特派員)

 亀山「本によって違(ちが)う。絵だけなら2、3日で仕上がることもあるし、1カ月以上かかることも」

 -「モノモノノケ」で素材(そざい)にしている靴(くつ)などはどこから持ってきたのですか?(芝原特派員)

 亀山「使っているものとかを集めた。『チャチャチャ』というモノノケは息子のおもちゃを勝手に使った。すごく怒(おこ)られたね」

 -この仕事でうれしいこと、大変なことは?(本多特派員)

 亀山「だいたいのことはうれしい。大変なことは(『パンダ銭湯』を広げて)…見てよ」

 中川「パンダを何匹(なんびき)も描かなきゃいけない。タイルを何枚(なんまい)も描かなきゃいけない。アイデアを形にするのは本当に大変。だから楽しくやることを心がけている」

 亀山「アイデアの種はどこにでも落ちている。見つけた種をどう育てるのかが大事」

 -「モノモノノケ」で感じてほしいことは?(中西蓮(なかにしれん)特派員)

 中川「身の回りに『いる』モノが何を感じているのか。知らないうちに、何かやっているんじゃないか。モノノケとは『モノの気配』。それを想像(そうぞう)して作った。読んだ人が絵本作りは面白そうとまねして作ってくれるとうれしい」

 -仕事場にはどんな「モノノケ」がいますか?(同)

 亀山「こういうモノノケとか」(中川さんの肩(かた)をたたく)

 中川「確(たし)かに朝起きたときの姿(すがた)は…いい質問(しつもん)だね」

 亀山「『ウヌチャボレ』というモノノケは僕が長年使ってきた湯飲み。使ってるものがぼろぼろになったら顔を描いてみて。愛着がわくよ。君たちいいこと聞いたね」

 中川「押(お)しつけてるし…」

 ▼イルヨイルイル モノモノノケ展 27日まで、福岡(ふくおか)市中央(ちゅうおう)区天神(てんじん)のイムズ8階、三菱(みつびし)地所アルティアム。入場料は一般400円、学生300円、高校生以下無料。アルティアム=092(733)2050。会期中無休。

【紙面PDF】物語の世界で遊ぼう 「おいでよ!絵本ミュージアム」


=2017/08/09付 西日本新聞朝刊=

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