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【おしごと拝見】丸永製菓(福岡県久留米市) 看板商品「あいすまんじゅう」

「あいすまんじゅう」の形ができていく
「あいすまんじゅう」の形ができていく
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袋づめの手前まできた「あいすまんじゅう」。商品の状態は人の目でチェックされる
袋づめの手前まできた「あいすまんじゅう」。商品の状態は人の目でチェックされる
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工場長の玉井さん(右から2人目)の説明を受けながら、できたての「あいすまんじゅう」を試食した
工場長の玉井さん(右から2人目)の説明を受けながら、できたての「あいすまんじゅう」を試食した
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作業服のほこりなどを取りのぞくため、掃除機のような機械もあった
作業服のほこりなどを取りのぞくため、掃除機のような機械もあった
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カップアイス「しろくま」の盛りつけ作業
カップアイス「しろくま」の盛りつけ作業
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 ●工夫を重ねて 溶けにくく でも なめらか

【紙面PDF】おしごと拝見 丸永製菓(福岡県久留米市) 看板商品「あいすまんじゅう」

 この夏、みんなはどれくらいアイスクリームを食べたかな? たくさん食べたくなる暑い夏ほど大忙(いそが)しだったのが、アイスクリーム工場だ。福岡(ふくおか)県久留米(くるめ)市の製造(せいぞう)会社「丸永製菓(まるながせいか)」におじゃまし、工場をのぞいた。

 丸永製菓(まるながせいか)の看板(かんばん)商品は、あんこをバニラアイスで包んだ和風のアイスクリーム「あいすまんじゅう」だ。1962年に売り出され今でも人気。ずんぐりした形が特徴(とくちょう)の棒(ぼう)アイスで「福岡(ふくおか)県の県花である、梅の花の形なんです」と販売促進(はんばいそくしん)部長の永渕寛司(ながふちかんじ)さん(42)が教えてくれた。

 そのおいしさの秘密(ひみつ)を探(さぐ)ろうと、特別に工場の中に入れてもらった。工場長の玉井浩之(たまいひろゆき)さん(56)が案内してくれた。中は少しひんやりとしていたが、多くの人や機械が働いているためか、思ったよりも寒くなかった。甘(あま)い香(かお)りがほんのり漂(ただよ)っていた。

 あいすまんじゅうを作る工程(こうてい)は、原料のクリームチーズや砂糖(さとう)などを大きなタンクでまぜてアイスミックスという液体(えきたい)を作る▽食感をなめらかにするため、アイスミックスの水と脂肪(しぼう)分をまぜて均一(きんいつ)にする(乳化(にゅうか))▽高温で殺菌(さっきん)▽冷やして半日以上寝(ね)かせる(熟成(じゅくせい))‐と続く。固まる前のアイスミックスを味見させてもらった。生クリームみたいで、アイスクリームの味だけどアイスクリームじゃない、ふしぎな感じがした。

 見応(みごた)えがあったのは、このアイスミックスをあいすまんじゅうの形にする工程だ。白いクリーム状(じょう)のアイスミックスが梅の花の型枠(かたわく)に次々と注がれる。あずきあんが入り、固まらないうちに棒がさし込(こ)まれていった。

 ここで私(わたし)たちが注目したのが、完成したときにあいすまんじゅうの形がくずれないようにする工夫だ。アイスミックスよりも凍(こお)りやすいアイスの原液で、あいすまんじゅうの外側を薄(うす)くコーティングしていた。この一手間で食べるときに溶(と)けにくく、でもなめらかな食感を生み出せるそうだ。「試行錯誤(しこうさくご)を重ね、2年前からこの工夫を始めました」と永渕さん。長い間売っている商品も、工場ではおいしさを追求して改良と工夫を重ねていた。あいすまんじゅうは多いときで1日約20万個作られるという。

 できたての「あいすまんじゅう」を試食させてもらった。外側はかたいが、中のアイスとあんこはとろとろ。いつにも増(ま)しておいしく感じた。

(家永偲道(いえながしどう)特派員(とくはいん)、佐藤博武(さとうひろむ)特派員)

 ●衛生管理を徹底 手洗いなど念入りに

 おいしいアイスクリームを安心して食べてもらえるよう、工場の衛生(えいせい)管理は徹底(てってい)していた。

 「髪(かみ)の毛は1日に何本抜(ぬ)けるでしょう?」。工場長の玉井(たまい)浩之(ひろゆき)さんに質問(しつもん)された。答えは約50本だそうで「工場に入るときは帽子(ぼうし)でしっかり髪を覆(おお)います」(玉井さん)。私(わたし)たちも工場に入れてもらう前、働く人と同じように、帽子のほか白衣やマスクを身に着けた。

 いざ工場へ。入り口のドアを開けると突然(とつぜん)「ビービー」と音が鳴った。ドアが開いている間は鳴り続けるそうで「開けっ放しにすると虫などが入るでしょ。きちんと閉めるよう注意喚起(かんき)です」と玉井さんは説明する。

 中に入ると最初に小さい掃除機(そうじき)のような機械があった。これで30秒間、体に当てて動かし、ついているほこりを吸(す)いとる。次の通路では風が上からふき出し、体に残ったほこりを落とす。通路の壁(かべ)の両側には粘着(ねんちゃく)テープがはられ、落ちたほこりをキャッチする仕組みになっていた。この通路を出ると、まゆげにテープのようなものを付けて抜け落ちそうな毛を取りのぞき、最後は手を洗(あら)う。60秒を計りながら、ブラシを使って爪(つめ)の汚(よご)れを落とすなどすみずみまで洗った。最後に手を消毒すると、ようやく製造現場(せいぞうげんば)へのドアが開いた。

(田上桜菜(たのうえさな)特派員(とくはいん)、横山直穂(よこやまなほ)特派員)

 ▼丸永製菓(まるながせいか) 本社は福岡(ふくおか)県久留米(くるめ)市東櫛原町(ひがしくしはらまち )。1933年創業(そうぎょう)。もともとは和菓子(わがし)店だったが、一般(いっぱん)家庭に冷蔵庫(れいぞうこ)が広まり始めた60年にアイスクリーム作りを開始。「あいすまんじゅう」=写真=など多くの商品を作っている。

【紙面PDF】おしごと拝見 丸永製菓(福岡県久留米市) 看板商品「あいすまんじゅう」


=2017/09/02付 西日本新聞朝刊=

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