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【きょうのテーマ】和白干潟で生き物観察 上手に共生 貝やカニ、“海のミミズ”も 渡り鳥の越冬地に

岩のうらにいる生き物もさがした。その後、岩は元通りにしないといけない
岩のうらにいる生き物もさがした。その後、岩は元通りにしないといけない
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海のミミズともいえる「ゴカイ」の仲間
海のミミズともいえる「ゴカイ」の仲間
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見つけた生き物たちについて、藤井さん(右)が解説してくれた
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テッポウエビを見つけた
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色あざやかなアカテガニ。夜行性なのに発見できた
色あざやかなアカテガニ。夜行性なのに発見できた
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 150万もの人が生活する福岡(ふくおか)市の一角に、見たこともないような生き物がくらす場所がある。和白干潟(わじろひがた)(福岡市東(ひがし)区)だ。都会の中にある“ワンダーランド”ともいえる干潟をたずね、珍(めずら)しい生き物たちと出合った。

【紙面PDF】きょうのテーマ 和白干潟で生き物観察

 和白干潟(わじろひがた)は博多湾(はかたわん)の東に広がり、広さは約80ヘクタール。私(わたし)たちが行った場所からは、アイランドシティ(人工島)の背(せ)が高いビルが見えた。こんな都会の近くに珍(めずら)しい生き物がいるとは、初めは信じられなかった。

 一緒(いっしょ)に活動したのは干潟の環境(かんきょう)を考える市民グループ「ウエットランドフォーラム」の人たち。代表の松本悟(まつもとさとる)さん(63)に案内してもらい、アイランドシティとその対岸を結ぶ「あいたか橋」へ向かった。橋の上から干潟を見わたすと、あちこちに小さな穴(あな)が開いていた。「穴の一つ一つが生き物の巣穴だよ」と松本さんが説明してくれた。干潟に穴を掘(ほ)ってくらすトビハゼを見つけると、みんなが「どこ、どこ?」と望遠鏡をのぞいた。

 いよいよ長ぐつを履(は)いて干潟へ。貝殻(がら)がゴロゴロ散らばっている。歩いていると足が地面に埋(う)まり、カニなどの巣穴から海水がじわっと出てきた。

 印象に残ったのがゴカイという生き物。細長くニョロニョロしていてちょっと気持ち悪い…。松本さんの仲間で、環境調査(ちょうさ)をする一般財団法人(いっぱんざいだんほうじん)・九州環境管理協会で働く藤井暁彦(ふじいあきひこ)さん(48)が「ゴカイは“海のミミズ”のようなもの」と教えてくれた。干潟に穴を掘るゴカイは、泥(どろ)を耕(たがや)し、汚染(おせん)の原因(げんいん)となるプランクトンの死骸(しがい)などを食べるので、干潟をきれいにする役割(やくわり)があるそうだ。

 テッポウエビというエビも見つけた。片方(かたほう)のハサミが大きく、ハサミをパチンと鳴らして私たちを威嚇(いかく)していた。「磯(いそ)で耳をすましていると、パチンパチンと音が聞こえるでしょ」と松本さん。テッポウエビの巣穴には魚のハゼが隠(かく)れていることがある。目が良くないテッポウエビに代わって、ハゼが尾(お)びれをふって危険(きけん)を知らせるという。上手に共生しているのだと分かった。

 この日は植物も含(ふく)め43種類の生き物を見つけた。干潟には貝やカニなどがたくさん生息しているため、それをえさとする渡(わた)り鳥にとって、越冬(えっとう)や休息の地となっている。和白干潟では世界的に貴重(きちょう)なクロツラヘラサギなど、これまでにたくさんの野鳥が観測(かんそく)されている。多様な生物が一緒に生きる干潟は、人間の世界と同じかもしれない。

 ●「子ども調査隊・ガタレンジャー」 観察続ける

 今回私(わたし)たちと一緒(いっしょ)に和白干潟(わじろひがた)で活動した人たちの中には小中高生もいる。その名も「子ども調査隊(ちょうさたい)・ガタレンジャー」だ。ガタレンジャーは干潟の良さを子どもたちにも知ってもらおうと、「ウエットランドフォーラム」(代表・松本悟(まつもとさとる)さん)が昨年立ち上げた。メンバーは福岡(ふくおか)市やその近くに住む15人。今年は5月から計4回、干潟の珍(めずら)しい生き物の観察会を開いている。

 昨年から活動を続ける福岡市東(ひがし)区の小学5年、吉松隼(よしまつじゅん)君(10)は「干潟は川や海から流れてくる汚(よご)れを生き物たちがきれいにしてくれるという大切な役割があることを知りました」と話し、「干潟の良さをみんなも知ってほしい」という。

 ガタレンジャーはメンバーを募集(ぼしゅう)中。次の活動は11月26日、テーマは「渡(わた)り鳥ウオッチング」の予定。

【紙面PDF】きょうのテーマ 和白干潟で生き物観察


=2017/10/18付 西日本新聞朝刊=

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