【きょうのテーマ】色の「もと」顔料を作る 鉄や“魔法の水”… 化学の力で

平版印刷にチャレンジ
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顔料を初めて見たこども記者たち
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鉄くぎが入った三角フラスコに塩酸を注ぐ
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試験管の中に、青色のつぶが付いていた。これが顔料になる
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 絵の具や色えんぴつの色ってどうやって作られるのだろう。色素を持つ野菜や花をしぼった液から…ではなくて、化学の力で生み出している。インキなどのもとになる顔料を作る実験や、印刷を体験した。

【紙面PDF】きょうのテーマ 色の「もと」顔料を作る 鉄や“魔法の水”… 化学の力で

 実験は3月10日、福岡市博多区の西日本新聞製作センターであった。大手印刷インキメーカー「DICグラフィックス」(東京)の社員、西野悠さん(27)たちを先生に小中学生24人が参加した。

 顔料を作る実験は(1)鉄くぎを塩酸で溶かす(2)鉄が溶け出した液に、過酸化水素水を入れて反応させる(3)「魔法の水」を加えると青色の顔料ができる-というもの。(2)では液体が黄色になり、(3)では一瞬で黒っぽくなったから驚いた(高倉記者)。

 「魔法の水」と西野さんが呼んでいたのは、昔から顔料を作るのに使われていたという「フェロシアン化カリウム」の水溶液。少し待つと、黒っぽい液体の中から青色のつぶが現れてきた。これを乾燥させ、粉にすると顔料ができるそうだ(篠原記者)。

 実験の後は、ほとんどデコボコがない版を使う「平版印刷」を体験した。平版印刷は、水が油をはじく性質を利用した印刷方法だ(井上記者)。初めに版の上に水を薄くのばして、その上からインキを付け、紙におし当てると、きれいに印刷できた。ただ水をつけすぎてはダメだと気づいた。平版印刷はインキの代わりに絵の具を使ってもできるだろうかと考えた。絵の具は水に混ざる性質なので、できないそうだ(垣内記者)。

 実験を通じて色について考えた。色がない世界はさみしいし、(信号や記号などがモノクロだと)便利ではない。色の大切さが分かった(西井記者)。

 ●日本庭園で「色に感動」 DICグラフィックスの西野さん

 DICグラフィックスに勤める西野悠さん=写真=は、小学生に化学や実験の楽しさを伝える仕事を担(にな)っている。

 大学生のとき、日本の古典文学を教えるブルガリア人の先生から「日本人は身近にある日本の良さを知らない」と言われ、はっとしたそうだ。それをきっかけに訪れた日本庭園で、植木の緑や池の水などが輝いているのを見て「色に感動させられた」と話す。色について独学で勉強し、今の会社に就職した。

 子どものころから青が好きだそうだ。「海や空の色で世界共通で、明るいから」と話していた。

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=2018/04/03付 西日本新聞朝刊=

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