劇団四季「リトルマーメイド」 本番前のウオーミングアップ 一緒に体験

リハーサル室で俳優たちと一緒にバレエの練習。本番に向けて心身を整える
リハーサル室で俳優たちと一緒にバレエの練習。本番に向けて心身を整える
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発声練習ではプロの表現力に圧倒された
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腹筋、背筋を使って声が出せるように呼吸法を学ぶ
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舞台への思いを語る小野崎さん
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重さ5キロのクラゲのパペットを動かすのは大変だ
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 ●圧倒的な表現力 舞台を支えるプロ意識にも触れた

 劇団四季のミュージカル「リトルマーメイド」が、福岡市博多区のキャナルシティ劇場で上演されています。こども記者・特派員の3人がウオーミングアップに参加、俳優と一緒に体を動かし、声を出して本番前の熱気あふれる雰囲気を味わいました。また、海中の場面で活躍するパペットの動かし方や、舞台のまとめ役である舞台監督の仕事も取材しました。

 開演2時間半前。リハーサル室でのウオーミングアップには「リトルマーメイド」に出演する俳優24人のほぼ全員が参加する。バレエが30分、発声と呼吸法が20分だ。

 バレエでは練習用のバーにつかまり、片足のひざを素早く、美しく伸ばす練習をした。「1回、2回、早く3回。後ろ、横、前」というかけ声に合わせて足を動かすが、追いつけない。俳優のしなやかな動きに積み重ねた努力の大きさを感じ、集中して取り組む姿に本番前の緊張感が伝わった。

 ミュージカル作品に出演する俳優には、長時間歌い踊れる体力と精神力が必要。ウオーミングアップは舞台への気持ちを高め「けがをしない。失敗しない」という心構えをつくる効果もあると感じた。

 ■日本語を大事に

 次に開口と発声を体験した。俳優の若奈まりえさん、松本菜緒さん、海沼千明さんが一対一で指導してくれた。

 口を大きく開いて「あいうえお、いうえおあ、うえおあい」と声を出す。こちらもついていくのが精いっぱいだ。おなかに力を入れ腹式呼吸で発声するが息が持たない。劇団四季の舞台では、正確で美しい日本語の発音を大事にしている。観客が聞き取りやすい歌やせりふの発声ができるように、床に体を横たえ、正しい呼吸法を学んだ。

 俳優たちが床と子どもの背中の間に手を入れて呼吸をチェックし「肩や胸に力を入れないで」「リラックスしておなかに空気をためるよう意識して」などとアドバイスした。「腹式呼吸が完璧にできるまで5年はかかるよ」という言葉に発声の奥深さを感じた。

 練習の最後に全員で「キャッツ」の名曲「メモリー」を歌った。歌詞の一つ一つの言葉が、目の前にくっきりと浮かび上がるような表現力に圧倒された。

 ■「裏方」まとめる

 質の高い舞台を実現するには「裏方」の力も不可欠だ。俳優と約30人いるスタッフをまとめるのが舞台監督の小野崎統子さんだ。2003年に劇団四季に入団し「マンマ・ミーア!」や「サウンド・オブ・ミュージック」などの作品に関わってきた。

 舞台監督は照明、音響、舞台装置などステージに関するすべてに責任を持つ。仕事で一番大事にしているのは「いい舞台にしようと、俳優とスタッフ全員が同じ方向で仕事ができるようにまとめること」だ。「すれ違いがあっても相手の話をよく聞き、解消できるように心がけている」そうだ。

 やりがいを聞くと「舞台の上で俳優が輝いているのを見るとき」と答えた。公演の成功を願う「おまじない」としてサメの尾びれをデザインしたペンダントを着けて現場に立つ。「リトルマーメイド」に込められたメッセージを聞くと小野崎さんは「夢はかなう。かなえる」とほほ笑んだ。

 子どもたちは俳優とスタッフのプロ意識に触れ、自分の夢に向かって進むパワーをもらった。

 ●こつは「楽しんで動かす」 パペットも生き生き

 「リトルマーメイド」には海の生き物をかたどった40種のパペットが登場する。特に「アンダー・ザ・シー」の場面では20種が多彩な動きで観客を魅了する。パペットを操作する俳優の平田愛咲さん、劉昌明さん、権頭雄太朗さんに舞台で実演してもらった。

 イソギンチャクを担当する平田さんは本物同様の動きを再現するために「水の抵抗を意識した動きを心がけている」と話した。パペットをうまく操作するには1カ月から半年の練習が必要だ。手にまめができてつぶれることもあるそうだ。

 俳優は担当する生物を水族館に見に行き、水中の様子を観察し、演技に取り入れている。劉さんが動かすエイは1匹で登場することも。「エイが泳ぐことで陸の世界から海の世界に場面を転換できる役割もある」と効果を語る。

 重さ5キロのクラゲを高く掲げて見せ場を作る権頭さんは「コントロールが難しく、練習は大変だが、客席の歓声を聞くと頑張ろうと思う」とやりがいを語った。「私たちが楽しんで動かせば、パペットもより生き生きしてくる」という俳優たちの気持ちが、パペットに命を吹き込んでいた。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼劇団四季「リトルマーメイド」 11月4日まで、福岡市博多区のキャナルシティ劇場で上演。6月分までのチケットを販売(はんばい)中。7月1日以降のチケットは22日から販売。S席1万800円など。劇団四季予約センター(午前10時~午後6時)=(0120)489444。問い合わせは劇団四季福岡オフィス=092(292)1160。

=2018/04/05付 西日本新聞朝刊=

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