【こども記者だより】「ズッコケ三人組」 作者の那須正幹さんを取材した 佐々木寛太特派員

パソコンを見せてもらう佐々木特派員(中央)と弟の直土君。那須さんは気さくに話してくれた
パソコンを見せてもらう佐々木特派員(中央)と弟の直土君。那須さんは気さくに話してくれた
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 ●「遊びは勉強、友達は先生」 説教はしないと決めている。本のきらいな子でも楽しんでもらえればいい

 ▼福岡市・平尾中1年 佐々木寛太特派員

 個性豊かな小学6年生の男の子3人組が活やくする物語「ズッコケ三人組」。ぼくはその面白さにはまり3月31日、作者の那須正幹さん(75)が住む山口県防府市の自宅を訪ねた。那須さんと奥さんが優しい笑顔で迎えてくれた。

【紙面PDF】こども記者だより=「ズッコケ三人組」 作者の那須正幹さんを取材した

 那須さんは広島で生まれ、3歳で被爆した。子どもの頃はよく外で遊び、昆虫採集が好きだった。「本は読まんかったけど、手塚治虫のマンガが好きで、弟子入りしたいと手紙を出したら返事が来て、本当に感激した」そうだ。那須さんも、ぼくが出したファンレターに返事をくれた。

 那須さんは、父親の書道塾を手伝っていた26歳の時、姉に誘われて児童文学の研究会に入った。「面白いものを書く作家になりたいと思ってねえ」。那須さんが書いた「ずっこけ三銃士」が1976年、雑誌に連載されたのが、ズッコケ三人組シリーズの始まりだ。

 登場人物は、ほとんど自分の知り合いをモデルにしているそうだ。3人組の一人「ハカセ」は子ども時代の那須さんがモデル。理想の教師も描いたという。シリーズ50巻にはそれぞれテーマがある。怪盗、ダイエット、海底大陸などだ。

 どのようにして原稿を書くのだろう。「どんなテーマでも、関係する本を何十冊(さつ)も読み、取材に行く。主役3人のイメージはかたまっているから、あとは勝手に3人が動いてくれるのを筆で追いかける感じ」。2カ月くらいで1冊を書き上げる。「説教はしないと決めている。本のきらいな子でも夢中になって、楽しんでもらえればいい」

 子どもたちへメッセージももらった。

 「変に大人ぶる“小さな大人”にならず、たくさんの友達と外で遊んだらいい。秘密基地をつくるとか、子ども時代にしかできないことがある。めいっぱい遊んでおくと、いつか役に立つ。ぼくがいつも色紙に書くのは『遊びは勉強、友達は先生』だ」

 確かに、今を生きるぼくたち子どもは塾や習い事などで時間に追われているのかもしれない。ズッコケ三人組を読むと、冒したり探偵になったりしてワクワクできる。だからこそ、長い間、幅広い年代の読者に愛されてきたのだろう。

 ●こども記者7人がオススメの本紹介

 佐々木特派員以外にも、こども記者には本好きの子がいます。7人が「おすすめの本」を紹介してくれました。図書館で借りるなどして、読んでみましょう。

 ▼アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険=トーベン・クールマン作 小ネズミが失敗しても、あきらめずロケットで月に行くお話。小さな一歩が大きなことにつながると分かった。 (浅田暁彦記者)

 ▼少年ラケット=掛丸翔作 記憶喪失の少年が卓球で強くなっていくお話。卓球のコーチから借りて、好きになった。 (荒木奎樹記者)

 ▼ネオ里見八犬伝 サトミちゃんちの8男子シリーズ=こぐれ京著 恋の話が大好きな女の子におすすめ。読み始めると止まらなくなる。 (上田恵子記者)

 ▼あさひやま動物記(1)オオカミの森とホッキョクグマ@旭山動物園=小菅正夫著 たくさんの動物と飼育員の話がのっていて、動物の個性が読者をわくわくさせる。 (喜内美羽記者)

 ▼文豪ストレイドッグス=朝霧カフカ原作、春河35作画 文豪が異能力を使ってなぞを解いたり、戦ったりする。読むと、文豪とその作品に興味を持てる。 (宜野座由豊記者)

 ▼カゲロウデイズ=じん(自然の敵P)原作、佐藤まひろ作画 繰り返す夏の日の中で共に戦っていく少年少女の物語。夢中になれる。 (五島優芽記者)

 ▼秘密のスイーツ=はやしまりこ作、いくえみ綾絵 この本を読んで、食べ物の大切さや戦争のことが分かった。 (矢野衣真記者)

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=2018/05/10付 西日本新聞朝刊=

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