安南国(ベトナム)発 最古の書簡 九州国博が発見、16日から公開 1591年の日付 日本に外交求める

安南国副都堂福義侯阮書簡(ベトナム・黎朝、1591年、九州国立博物館所蔵)
安南国副都堂福義侯阮書簡(ベトナム・黎朝、1591年、九州国立博物館所蔵)
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 九州国立博物館(福岡県太宰府市)は15日、安南国(現在のベトナム)から日本に送られた最古の書簡が見つかったと発表した。1591年の日付が記され、日本に外交を求める内容。両国は江戸時代初期に朱印船で交易したが、豊臣政権時代の外交書簡の発見は初めて。16日に開幕する特別展「大ベトナム展」(西日本新聞社など主催)で初公開する。

 新発見の書簡は『安南国副都堂(ふくとどう)福義侯(ふくぎこう)阮(げん)書簡』(九博所蔵)。九博が昨年、京都市内の古書店から購入した。縦33・3センチ、横34・9センチ。「光興14(1591)年閏(うるう)3月21日」付となっている。

 差出人はベトナム中部を実効支配していた阮氏の関係者で、高い地位にあった人物らしい。宛名は「日本国国王」。過去に日本から来たという使者に触れながら、日本との「交信」を求める内容という。

 九博は(1)書簡に記された閏月が、当時のベトナムの暦と符合する(2)「花押」とみられる印章など、文書形式が他の安南国の書簡と似ている-として実物と判断した。

 安南国からの書簡は約20通が史料などで確認されている。うち、江戸時代の外交文書集『外蕃(がいばん)通書』に書写されている徳川家康宛ての『安南国元帥瑞国公上書』(1601年)が最古とされていたが、実物は残っていない。「大ベトナム展」では、新発見書簡を含め、九博が現存を確認することができた9通すべてを展示する。

 九博の藤田励夫・保存修復室長は「日本と通商したいという安南国の強い意思を感じる。両国が400年以上前から交流を重ねていたことを示す貴重な史料だ」と話す。


=2013/04/15付 西日本新聞夕刊=

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