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「生まれたとき絵本」作ろう 親子で命見つめ直して

作った絵本の内容を説明する参加者たち
作った絵本の内容を説明する参加者たち
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 子どもが生まれたときのことを親子で話しながら絵本を作るワークショップが昨年12月、東京都内で開かれた。自分の誕生が親から肯定されていることを子どもに感じてもらうことで、命や体の大切さに気付いてもらおうと、主に中高生を対象に性教育講座を行うNPO法人「ピルコン」が主催。参加者は親子の絆を見つめ直した。

 「『わたしの生まれたとき絵本』をつくろう」と題したワークショップには5~7歳の親子4組が参加した。「どうして結婚したの?」「妊娠が分かったとき、どんな気持ちだった?」「僕、私が生まれたとき、どんなことがあった?」。子どもたちは、用意された質問を親に聞き、親はそれに答えながら、スケッチブックにそのときの様子や気持ちを一緒に絵に描いたり、ステッカーを貼ったりして1冊の絵本を作り上げていった。

 夫(41)と長女(7)と参加した女性は、妊娠前に流産したことに触れながら「もう妊娠できないかもしれないと思っていたからびっくりしたし、すごくうれしかったんだよ」と伝えた。長女は真剣な表情で両親の話を聞いていた。

 ピルコンは関東を中心に中高生を対象にした性教育の講座を学校で行っている。その中で、性の知識があっても、家庭に居場所がなかったり、親子で性に関する会話が普段からなかったりすると、望まない妊娠などのトラブルが起きても言い出せない子がいるという。そこで、思春期に入る前に親子で性について会話をするきっかけを作ろうと、初めて企画した。

 理事長の染矢明日香さん(29)は大学3年のとき、予期せぬ妊娠をし、悩んだ末に中絶することを選んだ。正しい性知識を持つことの大切さを身をもって学んだ一方で、性教育をきちんと受ける機会が少ないことから、2007年にピルコンを立ち上げた。

 活動を支えてきたのは、中絶した後、落ち込む染矢さんに「自分のした選択に対して、どれだけ前向きになれたかで、その選択の価値は変わるよ」と励ましてくれた母親の言葉だった。

 染矢さんは「子どもの存在を肯定し、家庭での居場所をつくることは、家族だからこそできる。まずは親子で性に関する温かい会話ができる場をもっと作りたい」と話していた。


=2015/02/17付 西日本新聞朝刊=

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