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子どもホスピス開設支援を 福岡 市民団体構想、資金の壁

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 重い病気や障害のある子どもと家族を支える「子どもホスピス」の開設が全国で相次いでいる。大阪市で2012年に開設され、来年は東京などでオープン予定。九州では福岡市の市民団体が設立を目指して10年から活動に乗り出している。ただ建設費確保はこれからの段階。団体は支援を呼びかけている。

 子どもホスピスは1982年に英国で始まり、欧米を中心に広がった。日本で「ホスピス」というと、患者をみとる場というイメージが強いが、本来は、ラテン語の「もてなす」を語源とする「旅人に休息を与える場」を指す。みとりや死別後の家族へのグリーフケア(悲嘆のケア)にも取り組むが、実際は人工呼吸器や栄養チューブなどが必要な子どもの短期利用が多い。自宅でケアする家族に休息が必要だったり、冠婚葬祭などでケアできなかったりするときの支援施設という位置づけだ。

 相次ぐ開設の背景には医療の進歩で、重い病の子どもたちが命をつなげるようになっていることと、「どんな病でも同世代と同じような経験をすることは大切だ」という理念が広がっていることもある。

 全国で先駆けの動きと見られるのが2012年9月、大阪市立総合医療センターが、米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(同市)の運営会社の寄付を受けて、緩和ケア病棟の1室を小児用に改装した例(ユニバーサル・ワンダー・ルーム)。続いて淀川キリスト教病院(同市)が同年11月、小児がん患者が緩和ケアを受ける6床と、家族の休息などに対応するための6床の計12床を開設した。国立成育医療研究センター(東京)は16年4月、個室5室、3人部屋2室の計11床を備える2階建て施設「もみじの家」を開く予定だ。

 規模や形態はさまざまだが、家族向けの宿泊設備や入院する子どもたちが遊べるプレイルームを備えるようにするケースが目立つ。

 九州では、福岡市の開業医や九州大の教員らが市民団体「福岡子どもホスピスプロジェクト」を10年に結成。「第2のわが家」として病院でも、入所型の障害児施設でもない6~8床の施設を福岡市中心部に設置する構想を描く。メンバーがボランティアで、子どもたちに目を配り、施設内に置く診療所と看護ステーションで、容体急変でも対応できるようにしたい、という。

 だが実現には資金調達の壁が立ちはだかる。団体は敷地代と建設費で初期費用は約3億円が必要と試算。14年7月にNPO法人となり、チャリティーイベントなどを実施しているが、これまでに確保したのは約100万円という。

 先行例をみれば、行政や民間企業、財団などの支援で建設された施設もあることから、福岡子どもホスピスプロジェクトも支援を期待。理事長の濱田裕子・九州大大学院准教授(小児看護学)は「支援が得られるよう、子どもホスピスの理念をアピールしていきたい」と話している。


=2015/12/26付 西日本新聞朝刊=

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