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「水引」ポップにデザイン 福岡市の長浦さん「生活に取り入れて」

水引で作ったバッハを手にする長浦ちえさん
水引で作ったバッハを手にする長浦ちえさん
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黒柳徹子さんの髪を水引で表現した作品。「遊び感覚で作ってみた」と長浦さん
黒柳徹子さんの髪を水引で表現した作品。「遊び感覚で作ってみた」と長浦さん
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水引で表現した福岡市・天神の商業施設イムズビル
水引で表現した福岡市・天神の商業施設イムズビル
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伝統的な「あわじ結び」を一工夫して異なる結びと組み合わせると、新しいモチーフが完成
伝統的な「あわじ結び」を一工夫して異なる結びと組み合わせると、新しいモチーフが完成
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 冠婚葬祭時の贈答品の包み紙などを飾る帯ひもとして、古くから日本人に親しまれている「水引」。全国でも数少ない水引専門のデザイナー長浦ちえさん(36)=福岡市=は、若い世代にはなじみが薄くなりつつある水引を「もっと暮らしの中に溶け込ませたい」と、ユニークなポスターやアクセサリーなどを制作している。

 水引は、和紙を固めて作るひも。一般的にご祝儀袋や正月飾りなどに使われるが、色の組み合わせや結び方で多彩にアレンジできる。長浦さんは、福岡市・天神の商業施設イムズで展開中のキャンペーンポスターでは金色の水引でイムズビルを表現し、自身の母校・福岡女学院創立130周年イベントのチラシでは水引の切れ端などを利用してバッハの肖像画を浮かび上がらせている。

 長浦さんは23歳のとき、「たまたま求人誌で『水引デザイン』の文字が目に留まって」水引と出合い、デザイナーとして企画会社に就職した。その後、フランスに渡り、フリーの水引デザイナーとして活動。パリの有名ホテルなどに作品が展示されたこともある。「フランス人の多くがリボンではなく、紙で思いを結ぶ水引に、細やかな日本人の精神性が表れていると感動していた」といい、自身も水引の美しさを再認識した。

 長浦さんは水引の魅力を「思いを結びに託すこと」と語る。配色、結び方など、細かいところまで気を配り、結んだ縁が広く長くつながってほしいとの思いを込めて作られる。そんな水引には「目に見えない何かが宿っている」という。

 日本に戻り、2013年には「結びつける人」という意味を込めたブランド「TIER(タイヤー)」を立ち上げた。冠婚葬祭だけでなく日常生活にも水引を取り入れ、もっと身近に感じてほしいと、CDジャケットを手掛けたり、手軽に水引がアレンジできる本を出版したりと、活動の幅は広い。アクセサリー、動物や花など現代的な結び方を次々と生みだし、伝統的な結び方とポップなイラストを組み合わせて新たな魅力も発信する。

 長浦さんは「現代的な水引を提案しつつ、長い時間をかけて受け継がれてきた水引の歴史も大切にしていきたい。『水引』の奥ゆかしさや美しさを、これからも多彩に表現していきたい」と話している。

=2016/02/19付 西日本新聞朝刊=

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