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理解、進んだか 障害者差別解消法施行1年 九州では相談窓口開設や条例制定

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 障害者への不当な差別を禁じる「障害者差別解消法」が昨年4月に施行されて1年が過ぎた。九州では障害者の声が現状を変えるきっかけになった例がある一方、法律の浸透が不十分で、誰もが排除されない社会の実現は道半ばだ。

 同法は、差別を禁止するとともに、自治体などの公的機関には、健常者と同等の権利を保障する「合理的配慮」を義務付ける。民間事業者には合理的配慮提供の努力を求めている。

 「突然大きな声を出すことがあるが、図書館でゆっくり本を読めるスペースが欲しい」。宮崎県が開設した相談窓口には、障害がある子どもを持つ親からこんな声が寄せられ、県が図書館に働き掛けて申し出れば個室を利用できるようになった。2016年度の相談19件中9件で県が改善に向けて対応し、「民間企業の関心も高まっている」(担当者)という。

 長崎県では「車いす利用者が公園でふたのない側溝にはまってけがをした」との相談があり、管理する市がすぐにふたを設置。差別に関する相談は2件にとどまったが、障害福祉課は「障害者が直接、関係者と話し合うケースも増えているのではないか」とみる。

 ただ、「発達障害がある子どもが飲食店で入店拒否された」(大分県)、「盲導犬と一緒だと、賃貸住宅入居を拒否された」(熊本市)、「バスツアーに申し込んだら、車椅子利用者は介助者が必要と言われた」(鹿児島県)など、法の理解が進んだとは言い難い例もあった。各県・市とも「さらに周知を進めたい」と話す。

 一方、差別解消を進める条例がなかった福岡県や福岡市、北九州市では条例制定の動きが加速。福岡市は障害者団体や企業などでつくる条例検討会議を8回重ね、18年度中の施行を目指す。検討委員でもある「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」の向井公太副代表は「法施行で障害者が『おかしい』と声を上げやすくなった。当事者の声をきっかけに話し合う機会を大事にしながら、障害者への理解をじわじわと深めたい」としている。


=2017/05/18付 西日本新聞朝刊=

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