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ヒートショック どう防ぐ 風呂場で血圧危ない急変動 暖房機を活用 入浴時間や水分補給も注意

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ヤマダ電機テックランド博多本店(福岡市博多区)では、換気扇口に取り付けられるタイプの浴室暖房機が人気
ヤマダ電機テックランド博多本店(福岡市博多区)では、換気扇口に取り付けられるタイプの浴室暖房機が人気
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 入浴時の寒暖差で血圧が急激に変動し、心筋梗塞や意識障害を起こす「ヒートショック」。血圧が高い人や高齢者にとっては冬場の切実な問題だ。寒くなる前に、どのように対策をしたらいいのだろうか。

 厚生労働省研究班の2015年度の調査では、救急車で運ばれた患者数から推計する入浴中の事故死(溺水、疾病など含む)は、年間約1万9千人に上る。消費者庁の人口動態統計分析でも2015年の家庭の浴槽で溺死した人は4804人。そのうち約9割が65歳以上という。要因の一つがヒートショックだ。

 ヒートショックは洗い場の寒さで血圧が急激に上がるというイメージが強いが、福岡市消防局救急課の吉光武史市民啓発係長によると、実は「冷える」「温まる」の2段階で注意が必要という。

 まず、冬場に冷えた脱衣所や洗い場に行くことで、血管が収縮して血圧が上がる。ここで心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる。さらに、浴槽の湯船で体が温まることで収縮していた血管が一気に広がり、上がっていた血圧が急激に低下。意識を失い、浴槽で溺れてしまうケースがあるという=イラスト。

 では、どんな点に注意したらいいのか。吉光係長は、浴室や脱衣所を暖めて寒暖差をなくすことを強調。「シャワーで湯張りして湯気を立てることで、浴室を暖められる」とアドバイスする。他にも、(1)湯船の温度を41度以下に設定し、入浴は10分以内にする(2)水分不足になると血圧が下がるので、入浴前に水分をしっかり取る-ことなどが重要という。

 ヒートショックが起きてしまったときのために、入浴前に同居する家族に入浴することを伝える、ということも大切。もしもの時には発見が早いほど命が助かる確率が高いからだ。

       ◇

 家電やリフォームでの対策はどうだろう。

 リフォームコーナーがあるヤマダ電機テックランド博多本店(福岡市博多区)にも、ヒートショック対策で相談に訪れる客が寒くなってくると増えるという。

 同店では、数万円で対応できる家電から、70万円を超える風呂の全面改装まで、ニーズに合わせて紹介。リフォームだと、特殊な素材を床に使うなど、全体的に冷めにくい空間をつくることができる。

 中でも喜ばれるのは、浴室や脱衣所に専用暖房機を取り付ける「プチリフォーム」。特に浴室用は、天井や壁など今ある換気扇口に取り付けられるタイプが各メーカーから発売されており、7万~10万円台の商品が店頭に並んでいる。温風だけでなく遠赤外線で空気そのものを暖める日立の浴室乾燥暖房機(9万6984円)は売れ筋で、工賃を入れて15万円程度になるという。

 脱衣所用は、本体が5万円程度からあり、工賃を含め10万円を切るくらいから設置できる。ストーブなど従来の暖房機を使う人もいるが、「火災のリスクなどもあるため注意が必要」(福岡市消防局)という。暖房機は浴室、脱衣所の両方に設置してもよいが、脱衣所に付けて浴室のドアを開け、浴室も一緒に暖める方法もある。

 同店の古賀正嗣主任は「ヒートショック対策といえば『風呂のリフォーム』と考える人も多いが、リフォームよりは出費も工事の時間も少ない浴室や脱衣所の暖房機設置という選択肢もあるので、ぜひ見に来てほしい」。大がかりなリフォームの場合、最短でも1カ月はかかるため寒くなる前に検討が必要だという。


=2017/09/09付 西日本新聞朝刊=

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