つながる場を求めて「女子会」 ひきこもり経験者グループが全国巡回 福岡市で12月19日

ひきこもりUX会議が「女子会」の運営方法などをまとめた冊子(右)
ひきこもりUX会議が「女子会」の運営方法などをまとめた冊子(右)
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 ひきこもりなど「生きづらさ」を抱える女性が集まる交流会「ひきこもりUX女子会」が12月19日、初めて福岡市で開かれる。主催は不登校やひきこもり経験者でつくる一般社団法人「ひきこもりUX会議」(横浜市)。異性に苦手意識がある人も参加しやすく、社会とつながる一歩を踏み出す力になっているという。

 UX会議は2014年に発足。16年6月に始めた「女子会」は関東や関西を中心に、今年7月までに計22回開かれ、700人以上が参加した。女子会の輪を広げようと、9~12月に10都市を巡る全国キャラバンを行っている最中で、福岡での会もその一環だ。

 代表理事の林恭子さん(51)は「社会から孤立した女性に配慮した居場所は少ない」と訴える。参加者には性的少数者、男性からいじめや暴力を受けた人もいるという。

 第1部では同会議のメンバーがひきこもり経験を語り、第2部では参加者が年齢やテーマ別に分かれて交流する。外出するきっかけがなく孤立している主婦、仕事以外で誰とも関わりがない人など、性自認が女性なら誰でも参加できる。林さんは「公的支援は就労が中心だが、まず必要なのは自分の話を聞いてもらい、共感し合うことで『自分だけじゃない』と自己肯定感を取り戻すこと」と語る。

 12月19日午後2時~4時半、福岡市中央区今泉1丁目の市NPO・ボランティア交流センター・あすみん。事前申し込みは不要で、途中参加も可能。参加費300円。第1部は家族や関係者も参加でき、第2部は当事者のみ。UX会議=uxkaigi@gmail.com

 ●「女性だけなら」継続参加に 「自分に合った場所」難しさも

 内閣府の2015年調査によると、「趣味の用事や近所のコンビニに出掛けるほかは外出しない」など“ひきこもり”の状況にある15~39歳は約54万人いると推計される。うち女性は36・7%と少ないが、調査は「家事手伝い」「主婦」が対象外で、孤立した女性の実態把握や支援が不十分という指摘もある。こうした女性が社会とつながるきっかけにしようと、女性を対象にした交流会が徐々に広がっている。

 九州に12カ所ある「ひきこもり地域支援センター」は、男性の利用者が多いという。北九州市の「すてっぷ」でも利用者の8割が男性。理事の田中美穂さん(67)は「昼間に女性が家にいても男性ほど目立たない。地方ほど性別役割分業の考え方が残っており、支援が必要な女性が見えにくくなっているのではないか」とみる。18歳から26歳までひきこもりを経験した福岡市の女性(42)は「支援団体の交流会に勇気を出して行ったが、参加者は男性ばかり。恋愛のトラブルになりそうになったこともある」と振り返る。

 こうした状況を受け、福岡市や熊本県など、女性の交流会を開くセンターが出てきた。熊本県では本年度から月1回、菓子作りなどの交流会を企画し、毎回4~7人が参加。週1回の男女混合の交流会には抵抗がある人も「女性だけなら」と参加しているという。菓子作りという共通の作業を通じて会話でき、継続参加につながっている。

 ただ、人によってひきこもりの状況は異なり、こうした交流会に参加できる人は比較的状態の良い人に限られるのが現状だ。

 同市のセンターを運営するNPO法人「JACFA」の浅海道子代表(74)は「利用者の中には、交流会に参加し、いろんな状態の人と関わったことで傷ついた経験がある人もいる」と交流会の難しさを指摘。さらに、女性には家にこもることを必ずしも悪いとは思わない傾向もあり、本当に支援が必要なのか、単純ではない。「ひきこもり支援は、抱えている問題が一人一人違うので、1対1で慎重に見ていくのが基本。徐々に自信がついてくれば、勇気を出して就労支援や交流会に行ってみればいい。自分の状態に合った居場所を選ぶことが大切」と話している。


=2017/11/28付 西日本新聞朝刊=

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