児相の改革 「福岡市方式」 関連組織が「協働」で試行錯誤 道のりや今後の課題を本に

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 福岡市の児童相談所「こども総合相談センター」の職員や、同センターに関わる人たちが、それぞれの新しい取り組みと今後の課題をつづった「児童相談所改革と協働の道のり~子どもの権利を中心とした福岡市モデル」(明石書店)=写真=を出版した。全国の児相で初めて常勤弁護士を置き、各組織の連携も深めて里親委託率を急激に伸ばした“福岡市方式”を紹介している。編著者の藤林武史・同センター所長は「児相のあり方を議論するたたき台にしてほしい」と話している。

 虐待対応や里親支援を担当する児相職員をはじめ、福岡県警の少年育成指導官、福岡市教委の元スクールソーシャルワーカーなどが執筆。これらの組織は同じ建物「えがお館」に拠点を置いていることでスムーズな連携や早期対応ができていること、NPOなど民間とも一緒に里親委託推進に取り組んできたこと、常勤弁護士が児相内で親権などの法の理解を広め、職員が自信を持って保護者に応対できるようになったこと‐などが書かれている。

 ホームページのデザインは九州大大学院の専任講師と学生が協力するなど、苦手とする情報発信の分野では、積極的に外部の力を借りたことも紹介した。

 藤林所長は「どの取り組みも、最初から新しいことをしようと狙ったのではない」と言う。「従来のやり方では子どもを守れない課題を、児相だけでなく協働という形で試行錯誤した結果で、さまざまな人のエネルギーが相乗効果を起こした」と振り返る。「子どものために働きたいと考えている若い人にも読んでほしい」。A5判312ページ、2592円。明石書店=03(5818)1171。


=2017/12/05付 西日本新聞朝刊=

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