教えて、お年玉の目安 家庭の歴史、地域の文化の奥深さ

お年玉、いくらあげる?
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中村賢司さん
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 年の瀬が近づいてきましたが、お正月の準備は進んでいますか。気になるのがお年玉。年齢に応じた目安や、子どもにも親にも喜ばれる工夫などを街の人に聞いてみました。「お年玉、どうしてますか?」

 ●「年齢×●円」

 約30人に聞いたところ、小学生が千円、中学生は3千円、高校生は5千円が最も多かった。住信SBIネット銀行が昨年12月に行ったお年玉の予定に関する調査でも、小学校低学年が千~3千円、高学年が千~5千円、中学生は3千~5千円、高校生5千~1万円が最多。この辺りが相場のようだ。

 目立ったのは、「500円×年齢」「学年×千円」などの決まり。主婦(51)はおいやめいにお年玉をあげる予定。「学年×千円なので、小学生までは6千円で、中学生からは千円ずつ値上がりして、高校生で1万円です」

 同行の調査では、平均支出予定額は2万8362円にも上り、親戚などが多い人にとっては手痛い出費。7人きょうだいで、その子どもたちが12人いるという女性(47)は、きょうだい間で事前に払う額をほぼ同額(約3万5千円)に取り決めているという。

 ●小銭であげる

 お金のあげ方を工夫している人もいる。教員男性(42)は「娘は5歳のとき、お札をもらうと母親がすぐに取り上げていたので、祖母に『小銭でちょうだい』と言っていた。もらうこと自体がうれしいのでお札より小銭がいいかも」。小銭には「父からのお年玉はつかみ取りだった」という(51歳女性)懐かしい思い出も。テーブルの上に小銭がばらまかれ、4人きょうだいで年の順につかんだ。「自分は長女で一番手が大きかったが、たまに弟に負けたりして盛り上がりました」

 ●プレゼント派

 お金だけでなく、「小さい子には2千円ぐらいまでの絵本や、おもちゃをプレゼントしている」(41歳女性)人や、お年玉を「あげない派」も。孫が7人いるNPO法人役員の男性(66)は「お金はいろんな人からもらうだろうから、僕はたこ作りとか、今伝えないとできなくなるようなことを教える」という。

 「日本はきょうだい間で金額が違うの?」と驚くのは、台湾出身の大学非常勤講師(54)。「台湾でも子どもに親や祖父母が『紅包(ホンパオ)(お年玉)』を渡すが、小学生でも高校生でも平等に同額」。子どもが結婚するまで渡し続けるのが一般的で「私の娘は27歳ですが、昨年まであげていました」と教えてくれた。お年玉には家庭や地域の文化が反映されているようだ。

 ■「使い道、ホントに必要?」 一緒に考えよう

 ファイナンシャルプランナーで「FPオフィスゆめたまご」(福岡市)代表、小学4年生の子どもがいる中村賢司さん(48)に、お年玉の使い道について聞いた。

 中村さんは「大金だからといって子どもから取り上げず、大人がどんな意図でお年玉を渡すのかなど説明し、預かるにしても子どもが納得するよう一緒に考えましょう」と呼び掛ける。

 自分にどんなお金が使われているのか、これから必要な物(文房具など)と欲しい物(ゲームなど)は何かを考えることは、自立する上で大切。「まずは1週間の支出から考えてみるなど、できることから始めましょう」と助言する。

 お年玉が金銭教育のチャンスだと感じたのは、自身の経験から。子どもが2年生のときお年玉の使い方を任せたら、すぐに欲しいものを買ったが、そこまで欲しくなかったと後悔した様子を見たからだ。昨年は3年生になった子どもと一緒に銀行口座を開設しに行った。名前や住所など、自分で書かせたという。「銀行の仕組みを理解できたわけではないが、自分がいくら預金しているのかはきちんと覚えている。今年はどうするのか楽しみに見守りたい」と語る。


=2017/12/19付 西日本新聞朝刊=

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