野菜高騰の冬 スプラウト、根菜類の出番です 豆苗やモヤシ 栄養も価格も優等生

野菜が高値の今の時期、狙い目はスプラウト。種類も豊富で価格も安定している
野菜が高値の今の時期、狙い目はスプラウト。種類も豊富で価格も安定している
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一つ100円の豆苗。豆苗を切り取った土台を水に漬けて次の収穫を待つ
一つ100円の豆苗。豆苗を切り取った土台を水に漬けて次の収穫を待つ
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 野菜の高値が続いている。今月中旬の国の価格動向調査では、白菜、ダイコン、キャベツの全国平均小売価格が平年の2倍超。価格が落ち着く兆しも今のところ見られない。毎日の食卓に欠かせない野菜だけに、どのように支出を抑え栄養を取るようにしたらいいだろうか。専門家に選び方や調理の工夫を聞いた。

 野菜の高騰は、昨秋以降の台風や天候不良の影響。福岡市中央卸売市場青果市場の卸売会社「福岡大同青果」(福岡市)の担当者によると、高値のピークは過ぎたものの葉物を中心に依然、平年の1・5~2倍で推移している。これから春先にかけて収穫に入る産地もあるが、生育状況が良くないとの情報もあり、天候次第ながら2月以降も高値が続く恐れもあるという。

 そんな中、価格が平年並みに落ち着いているのは玉ネギ、ジャガ芋や里芋、施設野菜のモヤシ、カイワレ、豆苗(とうみょう)などのスプラウト(発芽野菜)系だ。

 こうした価格実態に合わせた活用術を、野菜や果物の知識を持った野菜ソムリエなかしまゆみさんに聞いた。なかしまさんは、昨年の日本野菜ソムリエ協会(東京)主催の審査会で食育活動が評価され、最高賞の金賞を獲得した。

 一押しはスプラウト系を生かすことだ。水耕栽培によって計画的に生産されることから年間を通して価格は安定している。さらに成長点を含む芽は抗酸化成分も多いなど栄養価も高い。「十分、緑黄色野菜の代わりになる」

 中でも豆苗は炒めても鍋に入れても歯応えが良く、食べ応えもある。湯がいて黒ごまあえなどにすると「彩りもきれい」となかしまさん。水を加えた容器で上手に栽培すれば、2回は収穫できるおまけもつく。

 ただ人気が高まった現在、品薄状態にあるスーパーもあるという。

 価格の安さで言えば、最も優等生はモヤシだろう。なかしまさんが勧めるのは他の野菜の代用だ。例えばキャベツの代わりにお好み焼きに入れる。「お好み焼きはどんな野菜もうまくまとめてくれるメニューで、栄養バランスもよい」

 スプラウト系はブロッコリーの芽など種類も増えており、日替わりで試してみるのも面白い。

   ◇    ◇

 もう一つは、旬の物を中心に価格の安定した野菜を生かすこと。旬を選ぶことは野菜を味わう基本とも言える。ニンジンやレンコンなどの根菜類、ジャガ芋や里芋などの芋類を生かしたメニューとしてお薦めなのはおでん。豆もやしやゴボウなどを入れてもおいしいという。定番のダイコンは高いが「代わりにトマトはどうでしょう。変わり種ですが、うま味成分のグルタミン酸が含まれ、だしのうま味と相まっておいしさ倍増です」

 価格安定の代表とも言えるキノコ類も押さえたい。うま味成分のグアニル酸も含まれ、鍋や汁物にぴったりの食材だ。

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 自家菜園を持つなかしまさんは、収穫した野菜を見るにつけ、スーパーなどに並ぶ野菜は捨てられる部分がいかに多いことかと感じるという。

 例えばブロッコリーの葉。普通は捨てられるが、これも湯がいて食べやすい大きさに切り、水気を絞って塩、ごま油、すりごまなどであえてナムルにするなど工夫して使う。多くの人が捨てるキャベツの外側も同じように生かせるという。

 キャベツの芯は薄切りや千切りにすれば「タケノコの食感でおいしくいだだけます。春巻やギョーザの具材としても使えます」。捨てられがちな皮や芯には抗酸化成分が多く、無駄なく使い切りたい。

 郊外にある農産物直売所も上手に利用してほしい。規格外というだけで市場に流通しない野菜が安く並んでいる場合も多い。

 なかしまさんは「野菜不足は便秘を招くなど健康に影響する。上手に工夫して十分な量を食べてほしい」と話している。


=2018/01/31付 西日本新聞朝刊=

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