髪の悩み<中>ホルモンバランスの乱れから 生活習慣も影響 服薬で治療

「薄毛には生活習慣も影響します」と話す城西クリニック福岡院長の照島雅之さん
「薄毛には生活習慣も影響します」と話す城西クリニック福岡院長の照島雅之さん
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「マイクロスコープで頭皮の状況確認もします」と話す東京ビューティークリニック福岡院の小林愛実さん
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 薄毛といえば男性の悩みというような印象もあったが、専門クリニックでは女性患者も増えているという。薄毛治療専門の「城西クリニック福岡」(福岡市・天神)院長の照島雅之さん(65)に話を聞いた。

 -薄毛とはどんな状態でしょう。

 「髪の毛が早く抜けたり細くなったりして、ボリュームが減ることです。本来1日当たり50~100本ぐらい抜けるのですが、薄毛の状態の人では100~200本以上に増えます」

 「背景にはヘアサイクルの乱れがあります。通常は成長期(新しい髪が成長する)→退行期(成長が弱まる)→休止期(完全に成長が止まり抜ける)というサイクルが、2~7年ほどで繰り返されます。この周期が短くなり、髪が完全に成長する前に抜けてしまうのです。結果、十分成長していない細くて短い毛が増え、薄毛が目立つようになります」

 -女性の受診が増えているそうですね。

 「当院の女性患者数は2006年からの10年間で3・5倍ほどになり今は全体の2割を占めます。治療できるということが浸透してきたことも一因でしょう」

 -女性の薄毛の原因は?

 「加齢によるホルモンバランスの乱れが大きく影響します。女性ホルモンには毛髪を健康に保つ働きがあるのです。特に閉経後はホルモンの分泌が低下するので、髪にはりやこしがなくなったり、抜け毛が増えたりするようになります」

 「過度のヘアケア、パーマやカラーによるダメージ、ストレス、睡眠不足、食事のバランス、タバコやアルコールといった生活習慣も影響します。東洋医学の分野で髪は血の余りを意味する『血余(けつよ)』と言われるように、健康で栄養状態も良ければいい髪が育ちます」

 -治療法は?

 「脱毛を防ぐ、または発毛を促す内服薬や外用薬を用います。ビタミンやミネラルなどのサプリメントも組み合わせます。事前に薬が飲めるかどうか血液検査をした上で、医師が診察をして処方します。1カ月に1回ほどは受診してもらい、発毛状況やむくみ、体毛増加などの副作用がないかも確認します」

 「保険外診療なので、初診は1万円、その後は薬代を含めて月に1万5千~3万2千円ほどかかります。効果には個人差がありますが、3~6カ月で改善の兆候を実感する方が多いようです。髪のことで悩まなくなるのがゴールだと考えて診療に当たっています」

 -薬の服用をやめたらどうなるのでしょう。

 「治療前の状態に戻ります。退職まで、子どもの結婚式まで、とタイムリミットを決めて治療する人もいますが、ずっと続ける人もいます」

 -男性の場合は?
「原因や治療に薬を用いる点など基本的には女性と大きく変わりません。男性ホルモンが、髪の毛の成長を促す毛母細胞に作用して起こるケースが多いです」

 ●ぺちゃんこは老けて見える/若い女性の悩みも増加

 多くの女性は、頭頂部の分け目辺りや全体的なボリュームダウンに悩んでいる。
 「髪の毛がぺちゃんこなのが悩み。老けて見えるでしょう」。福岡県篠栗町の女性(86)は年々髪がやせてきていると感じている。熊本市の女性(59)は「パーマをかけてふんわり仕上げているけど頭頂部の分け目が目立つの」。

 リクルートライフスタイル(東京)が、20代から60代の男女それぞれ約2万5千人を対象に実施した意識調査(2017年)では、女性の7・7%が「薄毛である」と回答している。薄毛が気になる20~50代の女性の6割は「将来がとても不安」と答えた。「誰の目線が気になるか」への回答には男女差があり、男性は「異性」、女性は「同性」を気にする傾向があった。

 女性専門の薄毛治療を行っている「東京ビューティークリニック福岡院」(福岡市中央区)のカウンセラー小林愛実さん(28)は「誰にも相談できず、悩んで受診される方が多い」と話す。最近は20~30代の若い世代も増えているそうだ。

=2018/02/10付 西日本新聞朝刊=

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