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「生活の質向上」重視

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 14日発表された福岡市の2017年度当初予算案は「生活の質の向上」を重視したソフト施策が目玉だ。高齢者・障害者分野では、健康寿命の延伸につなげる取り組みや生活支援を強化。子育て・教育施策として、保育所の整備助成を過去最大規模に拡充するほか、不登校対応にも力を入れる。熊本地震を教訓に防災力向上も目指す。

▼健康寿命を延伸へ

 元気なお年寄りが活躍できる場をつくる「配る福祉から支える福祉へ」をスローガンに、福祉施策の再構築に着手する。敬老祝い金や配食サービスを廃止。高齢障害者向けの福祉乗車券は高齢者乗車券に統合する。担当者によると、これらの政策転換で年約2億8千万円が削減できるという。

 「支える福祉」の柱は(1)人づくり(2)仕組みづくり(3)町づくり。(1)ではスマートフォンのアプリなどに健康診断のデータを入力すると、生活習慣病の発症リスクなどが分かる「みらいの健康リスク診断事業」(1391万円)を九州大と始める。同大が久山町で続ける疫学調査の統計を活用する。認知症患者とのコミュニケーションケア技法「ユマニチュード」の普及実験(800万円)、健康寿命延伸に向け、理学療法士や健康運動指導士を地域活動に派遣する「よかトレ実践ステーション」事業(2277万円)も実施する。

 (2)では「障がい者の地域生活支援機能強化」(11億9588万円)として、移動支援サービスの対象者を中軽度の知的障害者などにも広げ、相談態勢を24時間対応にするほか、グループホームなどに緊急時の受け入れを委託する。(3)ではバス停を中心にベンチを設置する「ベンチプロジェクト」(3135万円)に本格着手。17年度中に115カ所設ける目標を掲げている。

▼保育所整備2000人分

 人口増を背景に、希望する保育所に入れない未入所児童(16年4月時点で1608人)を減らすため、当初予算で過去最大となる2千人分の保育所整備を助成(40億4357万円)する。保育士確保のため、就職準備金や子どものいる保育士への保育料貸し付け(761万円)も拡充する。

 新たな施策として、各区役所に子育て世代包括支援センター(7762万円)を設置。妊娠期から子育て期まで切れ目なく支えるのが狙いで、母子健康手帳の交付時を捉え、保健師や助産師が相談に乗る。専門家が相談に応じる不妊専門相談センター(1652万円)も市内に1カ所置く。

 800人弱いる不登校の中学生の対応にも力を入れる。4割弱の中学校にしかいない不登校に対応する専任教員を、離島を除くすべての中学校に配置(6360万円)。能古小・能古中を市内初の小中一貫教育校(開始は19年度)にするための準備も進める。

▼都市防災に女性力

 昨年の熊本地震を教訓に、災害に強いまちづくりも推進。初動態勢や避難所などでの「受援」計画をまとめた新しい地域防災計画を策定。市内住居の約7割を占める共同住宅の管理組合などが防災マニュアルを策定する際の支援(210万円)にも着手する。避難所運営ワークショップを各区で開催(306万円)するほか、市外への出動も想定した避難所運営のエキスパート養成(169万円)にも乗り出す。女性の視点を生かすため、ワークショップを通じて、女性や子育て家庭に必要な備蓄品やおむつなどの代用グッズの作り方などをまとめた「防災ミニブック」を1万部作製(154万円)する。

 このほか市民の安全安心を向上させるため、自転車事故を疑似体験できる機器を使った講習会開催(1230万円)や、65歳以上の高齢者世帯を対象に偽電話詐欺を防ぐ録音装置の無償貸与(142万円)も始める。

=2017/02/15付 西日本新聞朝刊=

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