太宰府市政深まる混迷 芦刈市長、解散か失職か決断へ

太宰府市議会の議員一同が出した「議会リポート」(右)と芦刈市長後援会が出した「新しい街」(左)
太宰府市議会の議員一同が出した「議会リポート」(右)と芦刈市長後援会が出した「新しい街」(左)
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 太宰府市の芦刈茂市長(68)が窮地に追い込まれている。27日の臨時市議会で市長への不信任決議案が提案され、可決の見通し。可決されれば、市長は議会解散か自ら失職かの判断を迫られる。太宰府市政始まって以来という市長に対する問責決議から辞職勧告、不信任-と両者の対立はエスカレートするばかりだ。

 ■対立の構図

 なぜ、ここまで深刻化したのか。議会側が、市長の公約だった中学校完全給食(全員喫食)の方針転換や前副市長解職を挙げて「問題ある言動で市政の混乱を招いている。組織の長として資質に欠ける」とすれば、市長は「問われているのは市長、市役所、議会で、市長1人の問題ではない」と反論する。

 有権者に選ばれた二元代表制の代表の対立が、肝心の市民を置き去りにしているという自覚は双方にある。10月に、それぞれ市民向けのチラシ「議会リポート」(3万枚)、市長後援会報「新しい街」(2万枚)を発行したのもそのため。

 一方で、市政の混乱を憂えて集会を開く市民団体も出てきた。15日にあった集会には約20人が出席。「市長ばかり責める議会はおかしい。議員らはどれだけ仕事をしてきたか」の声や「ここは市長が辞職して混乱を収め、選挙で信を問うしかない」との声などがあった。

 ■今後の行方

 自治体首長が議会での不信任決議通知から10日以内に選択できるのは(1)議会解散(2)議会を解散し、自らも辞職(3)失職-の三つ。芦刈市長は、不信任決議案可決後の対応について「辞職はしない」と明言。「いろんなことを考えており、週明けに決断する」とも話し、その胸の内は不明だ。

 議会を解散した場合、12月3日か10日の投開票が想定される市議選には「一体、選挙の大義があるのか。税金の無駄遣いではないか」とする一部市民の声がある。選挙費用が約3千万円かかることが主な理由だ。 改選後の議員による初議会で再び不信任案が出れば、過半数の賛成で市長は失職。年明けの1月末か2月初めに市長選がある。芦刈市長が選挙に再び出るつもりなら、今月27日の不信任決議後に辞職し、市長選をするのが合理的ではないか、との指摘にそれはつながる。

 ■目的見失う

 芦刈氏は2年半前の市長選で「ムダづかいにNO!!」を掲げ、3選を狙う現職を破った。ある市議は「市幹部と市長の対立がいつの間にか、議会対市長の対立になった。改革すべき一部職員は今や高みの見物。議会も市長も共に、より良い太宰府を目指すのが共通目的のはずだが」と漏らす。

 地元に住む元高校教師の観世広さん(80)は「市長と議会双方に問題はあるが、健全な市政に戻る機会にしてほしい」と願う。観世さんが相談役を務める「住みよい太宰府を作ろう かい」は28日、芦刈市長や橋本健議長(67)らを招いて「市政に関する説明会」を開くという。

=2017/10/26付 西日本新聞朝刊=

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