高度外国人材、入国伸び悩み 16年は新規229人

 高度な専門知識や技術力を持つ外国人労働者を海外から呼び込むため、政府が学歴などを点数化して高得点者を優遇する「高度人材ポイント制」を導入して5年。制度を利用して2016年に新規入国した外国人は229人(速報値)にとどまったことが西日本新聞のまとめで分かった。制度を所管する法務省は「新規入国者が少ないのは事実」と認めた上で「高度人材を呼び込むには、外国人が暮らしやすい環境の整備に政府全体で取り組む必要がある」としている。

 高度人材ポイント制は、世界各国間で優秀な人材の獲得競争が激化する中、少子高齢化が進む日本に新たな活力を呼び込むため、政府が12年5月に導入した。「当初は1年で2千人を見込んでいた」(政府関係者)とされる新規入国者は13年33人、14年176人、15年136人、16年229人。増加傾向にはあるものの低迷している。

 法務省によると、新規入国者のほか、既に留学などで入国している外国人も含めて高度人材と認定されたのは16年8月末時点で累計5917人。「17年末までに5千人、20年末までに1万人認定」という目標の一部は達成済みと法務省は強調しているが、当初のターゲットだった新規入国者はごく一部に限られているのが実態だ。

 法務省入国管理局は「新たに入国する高度人材を増やしたい」とした上で「制度の見直しや広報活動の強化も必要かもしれないが、根本的には生活環境や職場の処遇、子弟の教育など、人材を海外から呼び込むための総合的な取り組みが欠かせない」としている。

 ◆高度人材ポイント制 海外の優秀な人材を新たに日本に呼び込むために導入された制度。(1)学術研究(2)専門・技術(3)経営・管理-の分野別に、博士号取得の技術者30点、年収3千万円以上の経営者50点など、学歴、職歴、年収といった評価項目を設定。計70点以上の外国人に永住許可要件の緩和、配偶者の就労や親の帯同など優遇措置を認める。今年4月にも、80点以上で世界最速級の在留1年で永住権を申請できる「日本版高度外国人材グリーンカード」を新設する予定。

=2017/04/05付 西日本新聞朝刊=

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