日本語教員養成、激減「人材不足に」 留学生対象、届出義務化

 全国に少なくとも約350ある日本語教員養成校に対し、文化庁が4月開講分から、留学生対象の教員を養成する場合に届け出を義務化した結果、受理されたのは39校にとどまることが分かった。届け出自体も100校に満たず「要件が厳しく、教員不足に陥る」との懸念がある一方、玉石混交とされる日本語学校の適正化が期待されている。

 留学生対象の日本語教員は、能力試験に合格▽大学・大学院の専門課程修了▽養成校の規定課程を修了した大卒者-のいずれかを満たす必要があった。中でも養成校には、能力試験の免除と大学の専攻不問という利点があり、これまでは全国で毎年1万人規模の受講者がいた。この養成校に届け出制が導入された。

 文化庁によると、届け出を受理したのは17日現在、北海道2▽東北1▽関東18▽中部4▽関西8▽中国1▽九州4▽沖縄1-の計39校。これまで九州でも15校前後が会社組織などで自主運営されてきた。義務化に伴い、講師の指導実績など新たに要件が定められ、要件を満たせず届け出を取り下げた養成校もあるという。

 義務化の背景には、留学生が過去最多の27万7331人(昨年末現在)に達する中、在籍管理が不十分で学級崩壊を招いたり、就労優先の「出稼ぎ留学生」を生んだりする日本語学校の存在がある。こうした実態の改善に向け、教員養成の段階で国がチェック機能を働かせる狙いがある。

 届け出が受理された福岡日本語学校(福岡市)の永田大樹校長は「実質、許認可制に近い印象。このままでは教員不足となる恐れもあるが、業界全体の課題だった学校や教員の質向上につながるのではないか」と指摘する。文化庁国語課は「要件を満たしていない養成機関には修正や追加資料の提出を求めており、改善されれば受理する」としている。

=2017/05/18付 西日本新聞朝刊=

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