災害時、外国人支える 熊本教訓にコーディネーター制創設 総務省

熊本地震で被災した外国人向けの相談会では、住居や在留資格に関する相談が寄せられた=昨年5月、熊本市
熊本地震で被災した外国人向けの相談会では、住居や在留資格に関する相談が寄せられた=昨年5月、熊本市
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 昨年4月の熊本地震の教訓を踏まえ、総務省は来年度から、大規模災害時に外国人をサポートする「災害時外国人支援情報コーディネーター」(仮称)を創設する。日本語が分からず「災害弱者」になりがちな外国人向けに、避難所の情報を多言語で翻訳したり、要望を聞き取って行政機関に伝えたりする役目を担う。2020年の東京五輪・パラリンピックまでに全国での展開を目指す。

 熊本市国際交流振興事業団によると、熊本地震の際、地震の少ない国の出身者を中心に、避難所での振る舞い方が分からず戸惑ったり、地震情報を正確に把握できずに地域で孤立したりするケースが目立った。「地震で仕事を失い、就労ビザの更新ができるか分からない」といった相談も寄せられたという。

 こうした状況を踏まえ、大規模災害時の外国人の不安を解消しようと、総務省は今年5月、熊本地震や東日本大震災で被災した自治体職員や多文化共生を専門とする研究者ら11人を集めた検討会を立ち上げた。

 具体的な仕組みは議論中だが、国や専門機関による認定制度を想定する。コーディネーターの認定を受けた自治体職員や国際交流団体のスタッフが、一定期間の研修を経た後で被災地に赴任。日本語が不得意な外国人の要望を把握し、罹災(りさい)証明書など生活再建に必要な公的書類の取り方を助言したり、母国行き航空機の運航状況を伝えたりする。

 来年度は認定したコーディネーターを、自治体が実施する避難訓練に派遣するなどして運用上の課題を探る。総務省国際室は「外国人住民が急増しているが、日本語が分からなければ、災害弱者になる恐れがある。必要な情報を的確に伝えられる制度にしたい」と話している。


=2017/09/08付 西日本新聞夕刊=

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