西日本新聞電子版 1周年記念プレゼント

歯周病 10代や20代にもリスク 放っておけばどんどん進行 自覚症状が出る前に検診を

日本臨床歯周病学会指導医の吉田茂院長
日本臨床歯周病学会指導医の吉田茂院長
写真を見る
写真を見る

 歯磨きすると歯茎から血が出ます。歯医者さんからは「歯周病」と言われました。まだ20代なのに、この年でも歯周病になるものですか。詳しく教えてください。

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。日本臨床歯周病学会の指導医、「吉田しげる歯科」(福岡市博多区)の吉田茂院長(50)に伺いました。

 ▼Q 若くても歯周病になる人は多いのですか?

 ▼A 10代や20代でもリスクはあります。歯周病は確かに中高年に多いのですが、厚生労働省が昨年行った調査では、歯周病が疑われる人の割合は15~24歳で17・6%、25~34歳で32・4%でした。

 歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

 歯磨きを怠って細菌が増えると歯茎(歯肉)から出血したり、赤く腫れ上がったりする歯肉炎になります。

 これが悪化すると、歯と歯茎の間の溝から感染が奥に進み、溝が深くなります。これを歯周ポケットと言います。ポケットが深くなりさらに菌が増えると、ついには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてしまいます。これが歯周炎です。若い人は歯肉炎や、軽度の歯周炎が多いです。

 ▼Q 細菌とはどんな菌ですか?

 ▼A 磨き残した歯垢(しこう)に含まれている歯周病菌です。歯垢には1ミリグラムに約10億の細菌が含まれていると考えられています。歯周病菌は誰でも体の中に持っていますが、忙しい生活が続き歯磨きを怠るようになるとこれが増殖し、虫歯や歯周病を引き起こすのです。

 ▼Q 症状は進行するのですか?

 ▼A 放っておけばどんどん進行します。初期の段階で治療ができれば元通りの歯茎になりますが、歯槽骨は溶けると元に戻りません。歯がぐらぐらするようになり、最後は抜歯が必要になってしまいます。

 若い人は歯周病に対する危機感がないため、発見が遅れやすいのが問題です。10代など若い世代では、まれに「若年性歯周炎(侵襲性歯周炎)」を発症することがあり、この場合は通常より進行のスピードが早いので特に注意が必要です。

 ▼Q 治療方法は?

 ▼A 歯垢や、歯垢が固まってできた歯石を専用の器具で除去します。歯磨きでは歯石を落とすことができず、歯周ポケットの中まで掃除しきれないので、歯科医の治療を受けるしかありません。症状が進んでしまっている場合は外科的にポケットの深さを減少させる手術もあります。口の中の歯周病菌を減らすことが重要なので、歯磨きの習熟度のチェックもします。

 ▼Q 自分が歯周病かどうか、どうすれば分かりますか?

 ▼A (1)歯磨きで出血する(2)以前より歯茎がやせた、長くなったと感じる(3)口臭が気になる(4)歯肉がむずがゆい、痛い(5)歯茎の色が赤い(健康な場合はピンク色)-といった点に心当たりがあれば歯周病の疑いがあります。喫煙・糖尿病・高血圧・ストレスフルな生活は、歯周病を引き起こしやすい要因です。

 ▼Q 予防するためには?

 ▼A 自覚症状が出る前に治療を始められるかがポイントです。4カ月から半年に1回の定期検診をお勧めします。そして基本的には日頃の歯磨きで予防するのが一番。1日磨かないだけで菌の数は爆発的に増えてしまうのです。歯磨きは、毛の軟らかい歯ブラシで、歯と歯茎の間をきちんと磨くのがコツです。歯磨き粉は多いと磨き残しに気付きにくいので、少量(小豆大)で十分です


=2017/10/04付 西日本新聞朝刊=

→電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]