緑を育てる~今できる害虫対策 植える種類増やし、「天敵」を呼び込む

アブラムシの天敵、テントウムシ
アブラムシの天敵、テントウムシ
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カマキリも害虫を食べてくれる「益虫」の一種
カマキリも害虫を食べてくれる「益虫」の一種
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アザミの花にひっそりと姿を隠すハナグモ
アザミの花にひっそりと姿を隠すハナグモ
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 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第4水曜は、園芸店「平田ナーセリー」(福岡県久留米市)の松永斉大さんに、ガーデニングや家庭菜園を楽しむためのアドバイスを頂きます。

 イチョウの葉が黄色になり、今年もあとわずかとなりました。植物たちも冬の本格的な寒さに備え、木々は葉を落とし、宿根草は葉を枯らしつつあります。まさに今が植え替えのベストシーズンです。そこで今月は、今しかできない害虫対策をご紹介します。

  庭で草花や野菜を育てていますが、害虫の被害に悩まされています。農薬を使っても、またすぐに発生するし、何度も農薬を使うのは大変。花好きの母は、農薬を使わずにたくさんの花を育て、野菜を作っていました。何が違うのでしょうか。いい方法を教えてください。

  せっかく育てた花や野菜。しかし、アオムシや毛虫、アブラムシなどの害虫被害はなかなか避けられません。実は、育てる種類が少ないと、その植物を好む虫だけが大量発生し、食い荒らされる被害が大きくなるのです。逆に、植物の種類が多ければ多いほど、害虫の“天敵”となる虫を呼び込むことができ、大量発生を防ぐので大切な植物を守ることができます。

 私の実家は長崎県の田舎ですが、確かに農薬を使わず植物を育てています。実家周辺は雑木林や自然林が残り、多くの種類の雑草が自生しています。里山とよく似た環境です。こうした土地では多くの生き物がいて、何か一種が大量発生し深刻な被害をもたらすことはあまりありません。自然の中では食物連鎖のバランスがうまく保たれているからです。

 ところが都市部に住む私たちの周りは、そのような自然を失っています。区画整備され造成された土地には、外来種の雑草が繁茂し、在来種が駆逐されて植物の種類がわずかになっています。姿を消した植物を餌としていた生き物も同時にいなくなり、害虫のパラダイスと化してしまうのです。

 つまり、庭にたくさんの種類の植物があると、それだけ多種多様な虫たちが集まってきます。害虫も近づいてきますが、それを退治してくれる、テントウムシやカマキリ、ハナグモなどの「益虫」も集まるので、均衡を保つことができるのです。

  昆虫好きの子どものために、チョウが集まる植物を植えたいのですが、
どんな種類がありますか?

  チョウが蜜を求めて集まる植物はたくさんあります。ランタナ、フロックス、キキョウ、ブッドレア、フジバカマ、宿根バーベナ、キャットミントなどの多年草がおすすめです。チョウが集まる庭は、害虫被害が少ないといわれています。家の周辺の雑草から庭へ侵入してくるハマキムシやヨトウムシなどの害虫は、セセリチョウやシジミチョウと餌を争っていますので、害虫が増えにくくなるのです。

 また、チョウを食べに集まる小鳥たちは、庭の毛虫やアオムシも退治してくれます。チョウを呼べるように、いろんな種類の植物を植えるといいですね。

 宿根草や花、果物の苗木は、今が植えるベストタイミング。花が咲き、その香りに癒やされ、新緑に爽やかさを感じ、実を楽しみ、紅葉をめでる。季節の移ろいを心に刻む多くの植物があります。たくさんの植物に囲まれて心豊かに暮らすことが、害虫の減少にもつながる-。まさに一石二鳥ですね。


=2017/11/22付 西日本新聞朝刊=

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